近年、サイバー攻撃は企業にとって深刻な脅威となっており、日本でもランサムウェアやフィッシングなどで多くの被害が出ています。
本記事では、代表的なサイバー攻撃の種類や企業が導入すべき対策ソリューションなどを詳しく解説します。
サイバー攻撃とは?
サイバー攻撃とは、ネットワークやシステムの脆弱性を突き、情報を盗んだり、業務を妨害したりする悪意ある行為を指します。
特に近年では、企業を狙った攻撃が増加しており、被害は業務停止や多額の金銭損失にまで及びます。
小規模なセキュリティ体制の企業も例外ではなく、いつ自社がターゲットになるかわかりません。
サイバー攻撃の動機は金銭目的から、政治活動、スパイ行為、競合他社への妨害など様々です。
攻撃者は、個人から組織的な犯罪グループ、国家支援のハッカー集団まで幅広く存在し、その手法も日々進化しています。
代表的なサイバー攻撃として、以下のようなものがあげられます。
ランサムウェア
ランサムウェアは、悪意のある攻撃者が企業の重要なデータやシステムを暗号化し、解除キーと引き換えに金銭を要求するサイバー攻撃です。
成功した場合、データの復旧が困難になり、業務が停止することで企業に大きな経済的損失をもたらします。
また、顧客データや業務情報がアクセス不能になれば、信用の低下や取引先との関係にも悪影響が及びます。
主な対策:
- マイクロセグメンテーションの導入:エンドポイントごとに細分化して保護することで、被害の拡大を防ぎます
- 定期的なデータバックアップ:バックアップを複数の場所に保存し、攻撃を受けた場合でも迅速な復旧が可能になります
- エンドポイント保護ソフトウェアの導入:EDRなどで脅威を検出し、エンドポイントでの感染を防ぎます
フィッシング
フィッシングは、偽装されたメールやウェブサイトを使用して、従業員から機密情報を盗み出す攻撃です。
従業員が不正なリンクをクリックしたり、ログイン情報を入力すると、攻撃者に個人情報が渡り、情報漏洩やなりすまし被害のリスクが高まります。
中小企業においても、フィッシングがきっかけでシステムに侵入されるケースが増えています。
主な対策:
- 従業員教育の徹底:フィッシングメールの特徴や、リンク・添付ファイルの扱い方を学びます
- スパムフィルタリングの強化:不審なメールを自動でブロックすることで、リスクを減らします
- 多要素認証の導入:IDとパスワードだけでなく、2段階の認証を導入し、なりすましを防ぎます
DDoS(分散型サービス拒否)攻撃
DDoS攻撃は、大量のアクセスリクエストを送ることでサーバーをダウンさせ、業務の妨害を狙う攻撃です。
特にオンラインサービスを提供する企業には大きな打撃を与え、サービス停止や機会損失が発生する可能性があります。
また、DDoS攻撃が他の攻撃の隠れ蓑として利用されることもあり、注意が必要です。
主な対策:
- DDoS防御ツールの導入:大規模なトラフィックを分散処理し、攻撃を無効化します
- クラウドベースの防御サービスの利用:クラウドの柔軟性を活用することで、サーバー容量の拡張やスケーラビリティが容易になり、特に大規模なDDoS攻撃に対応しやすくなります
- トラフィック監視と異常検知システムの導入:不正アクセスの兆候をリアルタイムで検知し、早期対応が可能になります
ゼロデイ攻撃
ゼロデイ攻撃は、ソフトウェアやシステムの更新前に脆弱性を悪用しているため、検出が困難で、防御が難しいとされている攻撃手法です。
被害を受けると、企業にとって重大な情報漏洩やシステム停止を引き起こす可能性があります。
主な対策:
- 最新パッチの迅速な適用:ソフトウェアの脆弱性を防ぐための基本的な対策で、ゼロデイ攻撃への防御にも役立ちます
- マイクロセグメンテーションの導入:エンドポイントごとに分割しているので、脆弱性を使って侵入してきても、水平方向への拡散ができず、影響を最小限に抑えられます
- 振る舞い検知型セキュリティソフトの導入:リアルタイムで異常な動作を検出して、迅速に脅威に対応します
内部脅威
内部脅威は、従業員や取引先が意図的または無意識に発生させるリスクです。
意図的な情報漏洩や、意図しないミスによるデータの削除などが含まれ、外部からの攻撃に加え内部のリスク管理も重要です。
特に中小企業では、権限管理が疎かになりがちなため注意が必要です。
主な対策:
- アクセス権限管理の厳格化:機密情報へのアクセスを必要最小限に抑え、権限が不適切に利用されるリスクを軽減します
- 行動監視ツールの導入:従業員や取引先による不審な行動を監視し、内部からの脅威を早期に発見するための重要な対策です
- セキュリティポリシーの策定と周知:全従業員にリスクを認識してもらうことで、社内全体のセキュリティ意識を向上させます
この中で特に対策すべきなのは「ランサムウェア」です。
近年、世界中の企業が大きな被害を受けており、今後ますます増加すると予想されています。
ランサムウェアの種類や対策ソリューションなどに関して、詳しくは過去記事「ランサムウェアの被害が増加中。その特徴や攻撃手順、対策ソリューションなどを解説 – 株式会社電巧社」をご覧ください。
企業が導入すべきサイバー攻撃対策ソリューションは?
企業がサイバー攻撃から身を守るためには、具体的にどんな対策ソリューションを導入すればよいのでしょうか?
以下に、企業が導入を検討すべき主要な対策ソリューションを紹介します。
EDR(エンドポイント検出・対応)
エンドポイントに対するリアルタイムの監視と脅威の検出を行い、マルウェアや不正アクセスを早期に発見し、迅速に対応します。
エンドポイントに特化した防御を提供します。
NGFW(次世代ファイアウォール)
高度なトラフィック検査と脅威インテリジェンスを組み合わせ、外部からの不正アクセスを防ぎます。
従来のファイアウォール機能に加えて、アプリケーション層のセキュリティも強化します。
SIEM(セキュリティ情報およびイベント管理)
ネットワーク全体のログを集約・解析し、異常な動きを即座に検出することができるソリューションです。
大規模な企業での複雑な脅威の監視を効果的に行います。
DLP(データ損失防止)
機密情報や重要データの漏洩を防ぐため、データの流出を監視・制御します。
外部との通信や従業員の不正アクセスを抑制し、情報漏洩を防ぎます。
ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)
信頼できるネットワーク環境を提供せず、すべてのアクセス要求を検証してから許可するセキュリティモデルです。
外部・内部のリスクに対して柔軟かつ強力な対策を提供します。
マイクロセグメンテーション
エンドポイントごとに細かく分割し、セグメントごとに異なるセキュリティポリシーを適用することで、内部の脅威を抑制します。
攻撃が1つのセグメント内で発生した場合、水平移動しての拡大(ラテラルムーブメント)を防ぎ、被害を最小限に抑えます。
これらのセキュリティソリューションを組み合わせることで、サイバー攻撃に対する防御体制を強化し、企業の重要な資産やデータを守ることができます。
まとめ
サイバー攻撃の脅威に対し、経営や情報資産を守るためには万全の対策が不可欠です。
特にランサムウェアや内部脅威は対策を怠ると企業存続に関わるリスクですので、サイバーセキュリティはもはやコストと考えるのではなく、成長戦略の一環と捉える方がいいかもしれません。
サイバーセキュリティは、技術的対策だけでなく、組織全体の取り組みが重要となってきます。
経営層のコミットメント、従業員の意識向上、そして最新の脅威情報の収集と対策の更新を継続的に行うことで、堅牢な防御体制を築くことができるのです。
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ぜひ貴社のサイバーセキュリティソリューションとして、ご検討ください。
【参考サイト】
・警察庁┃令和6年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
・国民のためのサイバーセキュリティサイト┃ランサムウェア
・独立行政法人 情報処理推進機構(IPA )┃情報セキュリティ10大脅威 2024
この記事の著者:電巧社セキュリティブログ編集部
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