デジタルフォレンジックとは?基本概念や活用方法、メリットなどをわかりやすく解説

デジタルフォレンジックとは?基本概念や活用方法、メリットなどをわかりやすく解説

近年、情報漏えいサイバー攻撃、不正アクセスといったセキュリティインシデントが急増する中で注目されているのが「デジタルフォレンジック」です。

本記事では、デジタルフォレンジックの基礎知識から、具体的な活用方法やメリット、調査の流れまでをわかりやすく解説します。

デジタルフォレンジックとは?

デジタルフォレンジック(Digital Forensics)は、パソコンやスマートフォン、サーバー、ネットワーク機器などに保存されたデジタルデータを対象に、不正行為や犯罪の痕跡を調査・分析するフォレンジック調査の一分野です。

この手法により、いつ・誰が・どのような操作を行ったのかといった証拠を明らかにすることができます。

裁判や社内調査などの法的手続きでも活用されるため、証拠の改ざんを防ぐ厳密な手順や記録(チェーン・オブ・カストディ)の確保が重要とされています。

具体的な活用方法

デジタルフォレンジックは、サイバーセキュリティや企業の内部統制、法的対応の場面で幅広く活用されています。

以下に代表的な活用シーンと、それぞれで対象となるデバイスや調査内容を紹介します。

活用場面の例

  • サイバー攻撃後の原因調査:マルウェア感染や不正アクセスの経路、影響範囲を特定し、再発防止策の策定に活用されます
  • 企業内不正の調査:従業員による情報持ち出しや、社内PCでの不審な操作を調査します
  • 法的トラブルの証拠収集:裁判資料として、信頼性のあるデジタル証拠を保全します
  • インシデント対応の一環:発生直後の対応として、証拠の確保と原因分析に活用されます

調査対象と具体的な内容

  • パソコン:ファイルの削除履歴、アクセスログ、USBメモリなど外部機器の接続履歴など
  • スマートフォン:通話履歴、SNSやメールのやり取り、GPSによる位置情報、アプリの使用履歴、削除されたデータの復元など
  • サーバー:不正ログインの履歴、マルウェアの設置状況、バックドアの有無など
  • ネットワーク機器:通信ログの解析、異常通信の特定、外部との不審な接続履歴など

デジタルフォレンジックの5つのメリット

デジタルフォレンジックには、主に5つのメリットがあります。

1. 不正行為やサイバー攻撃の証拠を確保できる

万が一、情報漏えいやマルウェア感染、内部不正が発生しても、誰が・いつ・何をしたのかを特定する証拠をデジタルデータから抽出できます。

これにより、犯人特定や責任の明確化が可能になります。

2. 裁判や訴訟対応に活用できる

収集されたデータは、法的に有効な証拠として裁判でも使用可能です。証拠保全の手順(チェーン・オブ・カストディ)を守ることで、訴訟リスクに備えるコンプライアンス対応が強化されます。

3. 被害の範囲や影響を正確に把握できる

攻撃を受けた際に、「どこまで情報が漏れたのか?」「何台の端末が感染したのか?」など、被害状況を客観的に把握できるため、適切な初動対応や対外説明が可能になります。

4. 再発防止につながる

フォレンジック調査により、脆弱性や運用上の問題点が明らかになります。技術的・組織的な対策の見直しに活かすことで、再発防止やセキュリティ強化が実現します。

5. インシデント対応の信頼性を高められる

第三者機関や監査法人によるフォレンジック調査を行えば、組織としての透明性や信頼性が向上します。

取引先や顧客への説明責任を果たす上でも有効です。

デジタルフォレンジックの手順

デジタルフォレンジックは、証拠を正確かつ法的に有効な形で扱うため、決まった手順に沿って進めることが求められます。以下のような流れで調査が行われます。

デジタルフォレンジックの手順

この一連のプロセスは、調査の客観性と正確性を担保するために非常に重要です。

特に、最初の「証拠保全」の段階でミスがあると、その後の調査結果が証拠として認められない可能性もあるため、慎重な対応が求められます。

まとめ

現代の業務や個人生活は、デジタルデータに依存しています。

サイバー攻撃や情報漏えいのリスクが高まる中、トラブル発生時に正確な原因を突き止め、再発防止や法的対応に活かすためには、デジタルフォレンジックの知識と体制が不可欠です。

企業においては、セキュリティ対策の一環として、あらかじめ体制や対応手順を整えておくことが、万が一の際の損害を最小限に抑える鍵となります。

【参考サイト】
警察庁│デジタル・フォレンジック

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この記事の著者:電巧社セキュリティブログ編集部

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