リモートデスクトップとは?仕組みやメリット、セキュリティ対策などをわかりやすく解説

リモートデスクトップとは?仕組みやメリット、セキュリティ対策などをわかりやすく解説

テレワークの普及やハイブリッドワークの浸透により、私たちの働き方は大きく変わりつつあります。

そんな中で普及してきているのが、遠隔地からでも会社のパソコンを安全かつ快適に操作できる「リモートデスクトップ」という仕組みです。

「出張先から会社のファイルを確認したい」「自宅で普段通りに業務を進めたい」といったニーズに応えるリモートデスクトップは、単なる遠隔操作ツールではなく、働き方改革や業務のデジタル化を支える重要なインフラとなりつつあります。

この記事では、リモートデスクトップの基本的な仕組みやメリット、そして安全に運用するためのセキュリティ対策などを、わかりやすく解説していきます。

リモートデスクトップとは?

リモートデスクトップとは、離れた場所にあるパソコンを、手元のデバイスから操作する技術です。

自宅にいながら会社のPCを操作したり、外出先から自宅のPCにアクセスしたりできるため、柔軟な働き方が可能になります。

2025年現在の仕組みとしては、インターネットやLANを通じて、画面情報や操作情報をやり取りします。

接続元(クライアント)は、接続先(ホスト)の画面を表示し、マウスやキーボードの操作をそのまま反映できます。

リモートデスクトップの歴史と進化

リモート・デスクトップは、RDP(リモート・デスクトップ・プロトコール)Port3389番としても呼ばれることもあります。

当初はCitrixが2000年以前には、画面の転送を実用化していますが、25年前は、回線が細く画像の表示が「重い」という先入観がありました。

一方認証に関しては、既に暗号化通信と二要素認証を取り入れている企業も確認できます。

Microsoftも2000年には、Windows Advanced Server 2000で有償ではあるものの「サーバー → サーバー間」のみ、本RDPの原型となる「ターミナルサービス」を発表しています。

現在のように「クライアント → サーバー/クライアント」にRDPがOSにバンドドルされ自由に使えるようになったのは、2004年のWindows XP SP2と言われています。

リモートデスクトップのメリット

リモートデスクトップは、単なる「遠隔操作ツール」にとどまらず、働き方改革や業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支える重要な技術として注目されています。

ここでは、その具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。

1. 場所にとらわれず業務ができる柔軟性

リモートデスクトップの最大の利点は、場所に依存しない働き方を可能にすることです。

自宅・カフェ・出張先など、インターネット環境さえあればどこからでも会社のパソコンにアクセスできるため、オフィスにいなくても、いつもと同じ作業環境を再現できます。

これはテレワークやハイブリッドワークといった柔軟な勤務形態の実現に不可欠です。

2. 業務データを持ち出さずに作業できる安心感

通常、外部から業務ファイルを持ち出すにはUSBメモリやクラウドストレージなどを使用しますが、情報漏えいや誤送信のリスクが伴います。

リモートデスクトップを使えば、実際のファイルはリモート側(会社のPC)にとどまったまま作業できるため、データの持ち出しリスクを最小限に抑えることが可能です。

これは、情報セキュリティポリシーが厳しい企業でも大きな導入メリットとなります。

3. アプリやシステムの再構築が不要

業務に使用するアプリケーションや社内システムは、多くの場合、特定の環境に依存しています。

リモートデスクトップを使えば、手元のデバイスにアプリを再インストールしたり、複雑な設定を施したりする必要はありません。

遠隔操作で、いつもの業務環境をそのまま使えるため、作業開始までのタイムロスを大幅に削減できます。

4. システム管理やサポート業務の効率化

IT管理者にとっても、リモートデスクトップは強力なサポートツールとなります。

社員や拠点PCにトラブルが発生した場合でも、現地に赴くことなく遠隔から直接操作して問題を診断・解決できるため、対応時間の短縮やコスト削減につながります。

また、リモートでのメンテナンスやアップデート作業にも活用でき、運用効率を大きく高めます。

5. 緊急時や災害時にも事業継続を可能にする

自然災害やパンデミックなどでオフィスへの出社が難しくなった場合でも、リモートデスクトップがあれば自宅などから安全に業務を継続することができます。

BCP(事業継続計画)の一環として導入している企業も多く、リスク管理対策としても高い効果を発揮します。

リモートデスクトップにはセキュリティ対策が必須

リモートデスクトップの導入は、業務の柔軟性を高める一方で、重大なセキュリティリスクを抱える可能性があります。

特に外部から社内ネットワークにアクセス可能な状態は、攻撃者にとって格好の標的です。

適切な対策を講じていない場合、認証情報の盗難やランサムウェアなどのマルウェア感染をきっかけに、企業ネットワーク全体へと侵入される危険性が高まります。

警察庁が発表しているランサムウェアの被害に関する統計では、被害に合った企業など100団体のうち、31件がリモートデスクトップから感染したと回答しています。

引用:警察庁│令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について

ここでは、こうした被害を防ぐために、企業が取るべきセキュリティ対策の主要ポイントを紹介します。

多要素認証(MFA)で不正アクセスを防ぐ

リモートデスクトップ環境において、パスワードだけの認証ではセキュリティが不十分です。

仮に認証情報が漏洩した場合でも、多要素認証(MFA)を導入していれば、攻撃者は追加の認証要素(ワンタイムパスワード、生体認証など)を突破できず、なりすましによる不正アクセスを防止できます。

社外からの接続が前提となるリモートアクセスでは、MFAの導入は基本対策といえるでしょう。

VPNで盗聴や改ざんを防ぐ

インターネット経由で社内ネットワークに接続するリモートデスクトップは、通信の安全性を確保することが不可欠です。

VPN(Virtual Private Network)を使えば、接続中の通信を暗号化できるため、第三者による盗聴や改ざんといった中間者攻撃(MITM)のリスクを大幅に低減できます。

ただし、VPN自体も攻撃対象になる可能性があるため、常に最新の状態を保ち、アクセス制御やMFAと組み合わせて使用することが重要です。

EDRで侵害を早期に発見して対応

リモートで接続されたPCやデバイスは、社内と同じくマルウェア感染や不正操作のリスクがあります。

EDR(Endpoint Detection and Response)は、端末上の挙動を常時監視し、不審な動作をリアルタイムで検知・隔離・分析するセキュリティ対策です。

万が一リモートデスクトップ経由で侵入されたとしても、EDRを導入していれば、攻撃の拡大を早期に食い止めることが可能です。

在宅勤務や外部端末の利用が増える中、EDRは必須の防御手段となっています。

マイクロセグメンテーションで攻撃の水平移動(ラテラルムーブメント)を防止

仮にリモートデスクトップ経由で攻撃者が侵入に成功したとしても、その後に社内ネットワークを横断して被害を拡大されないようにすることが重要です。

そこで役立つのがマイクロセグメンテーションという仕組みです。

マイクロセグメンテーションでは、ネットワークを細かい単位に分割し、それぞれに厳格なアクセス制御ポリシーを適用することで、攻撃者が他のサーバーや端末に水平移動(ラテラルムーブメント)するのを防ぎます。

ゼロトラストセキュリティの中核をなすこの技術は、EDRやファイアウォールでは補いきれない「内部侵害後の被害最小化」に特化した、次世代の防御策です。

まとめ

リモートデスクトップは、場所にとらわれない柔軟な働き方を可能にする非常に有用な技術である一方、適切なセキュリティ対策を講じなければ深刻な情報漏えいやサイバー攻撃のリスクも伴います。

安全に活用するためには、EDRやマイクロセグメンテーションなどのセキュリティ技術を複数組み合わせて多層防御(Defense in Depth)を形成し、より強固なセキュリティ体制を作ることが重要です。

導入時には「利便性」だけでなく「セキュリティ」も重視した設計を行い、自社に合ったリモート環境を構築していきましょう。

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この記事の著者:電巧社セキュリティブログ編集部

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