サイバー攻撃の脅威は、もはや大企業だけの問題ではありません。
中小企業も標的となるケースが増えており、限られた予算や人員の中で、どのようにセキュリティ対策を強化すればよいか悩む企業も多いのではないでしょうか。
そこで注目されているのが「セキュリティ成熟モデル」という考え方です。
本記事では、セキュリティ成熟モデルの基本から、レベル別の対策例、そして中小企業が実際にどう取り組めばよいのかまでを、わかりやすく解説します。
セキュリティ成熟モデルとは?
セキュリティ成熟モデル(Security Maturity Model)とは、企業のセキュリティ対策がどのレベルにあるかを段階的に評価し、継続的な改善を促すためのフレームワークです。
単なる「対策の有無」ではなく、「次にどこを強化すべきか」「どこに優先的にリソースを割くべきか」といった判断材料として活用されます。
セキュリティ成熟モデルの例
本記事では、CMMI(能力熟成度モデル統合)をベースにした5段階のセキュリティ成熟モデル例を作成しました。
以降は、このモデル例を元に各項目を解説してきます。

図作成:電巧社
レベル | 特徴 |
---|---|
1. 初期 (Initial) | セキュリティの仕組みがほとんど整っておらず、個々の対応に頼っている |
2. 再現可能(Repeatable) | 最低限のルールや手順があり、同じ対処を繰り返すことができる |
3. 定義済み (Defined) | 社内全体でルールが明文化され、標準的な対応ができるようになっている |
4. 管理済み (Managed) | セキュリティ施策の効果が測定され、改善が継続されている |
5. 最適化 (Optimized) | AIや自動化など先進的な技術を取り入れ、効率的かつ柔軟に対応できる体制が整っている |
セキュリティ成熟度を上げるには?
セキュリティ成熟度を高めるためには、一足飛びに最上位を目指すのではなく、自社の現状に合わせて段階的に取り組むことが重要です。
多くの中小企業は「レベル1~2」に該当することが多く、まずは「定義済み(レベル3)」を目指すことが現実的な目標となります。
以下は、中小企業でも取り組みやすい代表的なステップです。
現状を把握する
まずは自社のセキュリティ対策の現状を客観的に評価します。
診断ツールや外部アセスメントを活用することで、改善ポイントを明確にできます。
基本的なセキュリティ対策を整える
アンチウイルスやファイアウォール、パッチ管理など、最低限の防御策を整えることが第一歩です。
社内ポリシーの整備も並行して進めましょう。
社員のセキュリティ意識を高める
技術だけでなく、人のミスも大きなリスクです。
フィッシング訓練やセキュリティ研修などで意識を高めましょう。
可視化と自動化を進める
SIEMやSOARといったツールを導入すれば、脅威をリアルタイムで可視化・対応できるようになります。
ソリューションによる内部対策も有効です。
継続的な改善を行う
年に一度の見直しやPDCAサイクルを回すことで、成熟度を徐々に高めていきましょう。
このように、小さな改善を積み重ねることが、最終的な成熟度の向上につながります。
セキュリティ成熟度レベル別に見る、導入ソリューションの目安
導入しているセキュリティソリューションを見直すことで、自社がどの成熟度レベルにあるのかを確認する手がかりになります。
以下は、代表的なソリューションをレベル別に分類した一覧です。
レベル1〜3(初期〜定義済み):まずは基本の対策から
この段階では、基本的な外部防御と端末保護が中心となります。
中小企業の多くがこのレベルにあり、まずはこの範囲の対策を確実に整えることが重要です。
対象ソリューション
- アンチウイルス:マルウェアやウイルスの検知・削除
- ファイアウォール:不正アクセスの遮断・通信制御
- EDR(エンドポイント検出と応答):端末上の不審な動きの監視と対応
レベル4〜5(管理済み〜最適化):高度な可視化と自動化へ
このレベルでは、攻撃の兆候を早期に検知し、全体を可視化・自動化して対処できる仕組みが整います。
対象ソリューション
- SIEM(セキュリティ情報イベント管理):複数のログを一元管理・分析し、脅威を検知
- SOAR(セキュリティ運用自動化):脅威の検知から対応までの一連の作業を自動化
- マイクロセグメンテーション:ネットワーク内の通信を細かく制御し、侵害の拡大を防止
導入状況を確認することで、「次にどの対策を導入すべきか」が明確になり、計画的なセキュリティ強化が可能になります。
まとめ
セキュリティ対策に「終わり」はありませんが、やみくもに対策を打っても効果的とは言えません。
まずはセキュリティ成熟モデルを活用し、自社の位置を見える化することが重要です。
中小企業であっても、できるところから一歩ずつ対策を積み重ねていくことで、信頼性の高い体制を築くことができます。
段階的な取り組みで、無理なく、着実にセキュリティを強化していきましょう。
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この記事の著者:電巧社セキュリティブログ編集部
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