近年、企業における情報漏洩事件が増加しており、セキュリティエンジニアや研究者にとって、効果的な防止策の導入が急務となっています。
特に、クラウドサービスの普及に伴い、データの流出リスクはさらに高まっています。
しかし、限られた予算内でこれらのリスクを評価・対策することは容易ではありません。
そこで、無料で利用できる「Netskope Security Check」を活用することで、組織のセキュリティ体制を強化する方法をご紹介します。
1 Netskope Security Checkとは?
Netskope Security Checkは、クラウドセキュリティのリーダーであるNetskope社が提供する無料のオンラインツールです。
このツールは、組織のデータが不適切なクラウドアプリケーションにアップロードされるリスクや、機密情報の漏洩リスクを迅速に評価することを目的としています。
具体的には、以下のようなチェックを行います:
- クラウドストレージの安全性評価:個人情報を含むファイルがDropboxやGoogle Driveなどのクラウドストレージにアップロードされていないかを確認します。
- ファイル共有のポリシー違反検出:セキュリティポリシーに違反するファイル共有が行われていないかを特定します。
- 認証情報の流出リスク評価:従業員のアカウント情報が不適切な場所に保存されていないかをチェックします。
無料版では、5つの主要なチェック項目について評価を行うことができ、最大50人のユーザーまで対応しています。
これにより、組織全体のセキュリティ状況を簡易的に評価し、優先的に対応すべきリスクを把握することが可能です。
2 攻撃の手法や影響
サイバー攻撃者は、従業員が日常的に使用するクラウドアプリケーションを狙い、機密情報の窃取を試みます。例えば、以下のような手法が一般的です:
- フィッシング攻撃:偽のログインページを作成し、ユーザーの認証情報を盗む手法。
- マルウェアの埋め込み:無害に見えるファイルにマルウェアを仕込み、ダウンロードさせることでシステムに侵入する方法。
- 不正なクラウドアプリの利用:セキュリティ対策が不十分なクラウドサービスを通じて、データを外部に流出させる手口。
これらの攻撃が成功すると、以下のような深刻な影響が生じます:
- 機密情報の漏洩:顧客情報や知的財産が外部に流出し、企業の信用失墜や法的問題を引き起こす可能性があります。
例えば、2023年のある企業では、顧客データ約100万件が流出し、対応に6か月を要し、約7億円の損失を被りました。 - 経済的損失:情報漏洩に伴う罰金や訴訟費用、さらには顧客離れによる売上減少。
別の事例では、大規模な情報漏洩の結果、企業の株価が20%下落し、年間売上が15%減少したケースも報告されています。 - 業務の停滞:システムの復旧やセキュリティ強化に時間とリソースを割く必要が生じ、通常業務に支障をきたします。
ある中堅企業では、復旧作業に数週間かかり、その間に生じた損失が約3億円に上りました。
これらのリスクを未然に防ぐためには、日常的なセキュリティチェックと従業員のセキュリティ意識向上が不可欠です。
3 Netskope Security Checkの使い方
Netskope Security Checkの利用方法は非常に簡単で、以下の手順で実施できます:
- ウェブサイトにアクセス:ブラウザからNetskope Security Checkにアクセスします。
- テストの選択: “Run All Tests”をクリックすると、全てのテストが自動的に実行されます。特定のテストのみを実施したい場合は、各テストの“Run Test”ボタンをクリックしてください。
- 結果の確認:テストが完了すると、各項目の結果が表示されます。これにより、組織のセキュリティポリシーに対する遵守状況や潜在的なリスクを把握できます。
注意点として、テスト中に無害なマルウェアのダウンロードが行われる場合があります。
その際、エンドポイント検出応答(EDR)システムが端末を隔離したり、セキュリティオペレーションセンター(SOC)チームがアラートを受信する可能性があります。
実行前に関係者への周知と、必要に応じた対策を講じてください。
まとめ
情報漏洩のリスクは日々増大しており、組織としてのセキュリティ対策は欠かせません。
Netskope Security Checkを活用することで、無料で迅速にセキュリティ状況を評価し、適切な対策を講じることが可能です。
定期的なチェックと従業員教育を組み合わせ、強固なセキュリティ体制を構築しましょう。

また本製品は、中小企業向けに「カラートークンズ 簡単導入パック」も提供しています。
本パックは、PC台数が50〜300台の企業を対象とし、短期導入(約2週間)、簡単運用、低価格を特徴としています。
セキュリティ担当者がいない企業でも導入しやすく、コスト削減と運用の簡素化を実現しつつ、効果的なランサムウェア対策を可能にします。
ぜひ貴社のサイバーセキュリティソリューションとして、ご検討ください。
【参考サイト】
・Netskope Security Check

この記事の著者:電巧社セキュリティブログ編集部
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