OSのサポート終了が招くサイバーリスク:ゼロトラストで守るレガシー資産

レガシー環境における侵害対応準備 リスク、課題、そして今後の道筋 ColorTokens【公式】

レガシー環境における侵害対応準備 リスク、課題、そして今後の道筋

デジタルトランスフォーメーションの勢いがあるにもかかわらず、レガシーシステムは多くの運用環境において依然として重要な役割を果たしています。

それには理由があります。これらのシステムは多くの場合、ミッションクリティカルなプロセスを支え、生産ワークフローに深く組み込まれており、インフラとトレーニングの両面で多大な投資がなされています。

これらを置き換えることは、特に信頼性と継続性が最優先される業界においては、費用がかかり、時間がかかり、かつ業務に混乱をもたらす可能性があります。

しかしながら、こうしたシステムの存在がサイバーセキュリティ上の課題をますます大きくしています。

Windows XP、Windows Server 2008、macOS 11以前のバージョン、HP-UX 11i v3のようなサポートが終了したバージョンのレガシーオペレーティングシステムは、もはやパッチや保守が提供されておらず、新たに発見される脅威に対して脆弱な状態に置かれています。

OSの製造元からパッチが提供されないだけでなく、これらのオペレーティングシステムにはソフトウェアエージェントをインストールすることもできません。

これらの古いプラットフォームは依然として重要なビジネス機能を担っている場合がありますが、現代のセキュリティ機能を欠いており、今日のサイバーセキュリティツールと互換性がないことが多く、中央集権的なセキュリティ戦略に容易に統合することもできません。

これにより難しいジレンマが生じます:運用の安定性を支えているこれらのシステムが、今や攻撃者の侵入口となり得る存在となり、ラテラルムーブメント、データ窃取、ネットワーク全体の侵害へのゲートウェイとなる可能性があるのです。

古い技術、新たな脅威:レガシーシステムが現代の攻撃経路を生み出す方法

レガシーシステムは、複数の業界において重大な脅威となっています。

これは、時代遅れの技術が重要な業務に深く組み込まれたままであるためです。

製造業では、老朽化したオペレーショナルテクノロジー(OT)が生産ラインを動かしていますが、基本的なセキュリティ制御を欠いており、ITとOTのネットワークが統合される中で脆弱性を抱えています。

ヘルスケア環境では、レガシーの臨床ツールや電子カルテ(EHR)システムがサポートの終了したプラットフォーム上で稼働しており、患者データや医療提供が侵害リスクにさらされています。

金融機関では、取引処理にレガシーメインフレームをいまだに頼っており、多くの場合、現代的な暗号化やアクセス制御が導入されていません。

エネルギーや公益事業の分野では、時代遅れのSCADAや制御システムが悪用され、インフラや公共サービスが妨害される可能性があります。

教育や政府の分野ですら、機密記録を管理するためにレガシープラットフォームを利用しており、防御が限られていることが少なくありません。

これらすべての業界に共通して、レガシーシステムは深刻なセキュリティのジレンマを生み出しています。

不可欠なシステムが最も脆弱な部分となり、企業全体を業務上、財務上、そして評判上の損害にさらしているのです。

MaerskからNHSまで:侵害が教えるレガシーの脆弱性

レガシーシステムは、現代のサイバーセキュリティにおいて活発な断層となっています。

近年の最も深刻なサイバー攻撃のいくつかは、時代遅れでパッチが適用されていないインフラを悪用することで始まりました。

2017年のNotPetya攻撃では、Windowsの脆弱性(EternalBlue)が悪用され、Maersk、Mondelez、Merckの業務が混乱しました。

Maerskは数千台のシステムを再構築せざるを得ず、その被害額は3億ドル以上と見積もられました。

一方、Merckのワクチン生産は深刻な影響を受け、後に訴訟を通じて回収された損失は14億ドルを超えました(Wired, 2018; Merck, 2018)。

WannaCryランサムウェアは2017年5月、サポートの終了したWindows XPシステムを悪用して英国のNHSを麻痺させました。

病院は手術を中止し、患者を転院させることを余儀なくされ、NHSの総被害額は9,200万ポンドと推定されています(Skynews, 2018)。

2021年のColonial Pipelineの侵害は、レガシーITと不十分なセグメンテーションが、1つの資格情報の侵害を国家的な危機にまで拡大させる可能性があることを示しました。

これにより米国東海岸への燃料供給が停止しました(DOJ, 2021)。

海運から病院、重要インフラに至るまで、これらの事例は明確な事実を浮き彫りにしています。

レガシーの脆弱性は、極めて重大なセキュリティリスクであるということです。

侵害対応準備は、失うわけにはいかないものを守ることから始まります。

侵害対応準備という新たな必須事項――ColorTokensが置き換え不可能なものをどのように守るか

レガシーシステム、特にパッチを適用できず、置き換えもできず、従来のツールで監視もできないシステムを保護するには、異なるアプローチが必要です。

ここでゼロトラストセキュリティモデルが不可欠となります。

企業は「侵害は避けられないもの」と想定し、そのうえで生き残る準備をしなければなりません。

多くの企業はファイアウォール、アイデンティティ管理、エンドポイント検出といった境界防御を展開していますが、これらのツールは主に侵害防止に重点を置いています。

しかし、初期のネットワーク侵入は始まりに過ぎません。

一度侵入を許せば、攻撃者は目的のシステムに到達するためにネットワーク内をラテラルムーブメントで移動し、権限やアクセスをエスカレーションさせます。

レガシーシステムが多数存在するネットワークでは、この動きが手遅れになるまで検知されないことがあります。

攻撃者が目的のシステムに到達すれば、機密データを破壊、窃取、あるいは身代金目的で暗号化し、業務を危険にさらすことができます。

企業は、攻撃者が大規模な被害を引き起こす前に、ラテラルムーブメントを防ぎ、攻撃の連鎖を断ち切らなければなりません。

包括的な侵害対応準備を達成するには、侵害防止と同様に侵害封じ込めも重要です。

ColorTokensのXshield Enterprise Microsegmentation Platform™は、エージェント不要のGatekeeperソリューションとともに、マルウェアやランサムウェアが企業の境界防御を突破した後のラテラルムーブメントを防ぐことで、攻撃の連鎖を断ち切ります。

Gatekeeperは、レガシーシステムや管理されていないシステムにエージェントを必要とせず、ゼロトラストのトラフィックポリシーを適用するため、これらの脆弱なエンドポイントの保護に最適です。

Xshield Visualizerを使えば、サポートが終了したオペレーティングシステムやレガシーシステムを含むデバイス間を流れるイースト・ウエストトラフィックを深く可視化でき、環境全体においてきめ細かな通信ポリシーを定義・適用することが可能です。

最新インフラの保護であれ、老朽化した資産の保護であれ、ColorTokensは企業が脅威を危機に変える前に封じ込める力を提供します。

老朽化した中核に対応する未来型セキュリティ

レガシーシステムがなくなることはありません。

そして多くの業界で、それらは日々の業務において依然として重要な役割を担っています。

しかし、その継続利用がセキュリティを犠牲にするものであってはなりません。

拡大する脅威の状況は、意識の転換を求めています。

それは、侵害が起きないことを願うのではなく、侵害が発生したときにその拡大を防ぐことを確実にするという姿勢です。

ColorTokensは、組織がこの課題に正面から立ち向かうことを可能にします。

ゼロトラストに基づく封じ込め、可視化、セグメンテーションをレガシー資産の周囲に提供することで、重要インフラを中断させることなく保護する支援を行います。

その結果、最も古いシステムであっても、現代の脅威に備えたネットワークの中で安全に稼働できる、より強靭な環境が実現します。

レガシーシステムを守ることは、過去を防衛することだけではありません。それは未来を守ることなのです。

次の侵害を危機に変えてはなりません。今日から、レガシーシステムを中心に侵害対応準備を築き始めましょう。

ぜひColorTokens(カラートークンズ)日本語公式サイトからお問い合わせください。


翻訳元記事
Breach Readiness In A Legacy World: The Risk, The Challenge, And The Way Forward

公開日:2025/6/12
著者:Mudra Goyal

※本記事では、アメリカのサイバーセキュリティ企業 ColorTokens(カラートークンズ)社が発信しているセキュリティ情報(英文)を、日本の代理店である株式会社電巧社が許諾を得て日本語に翻訳し、要約して掲載しています
※記事は掲載後に修正される可能性がございますので、ご了承ください
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Denkosha

この記事の著者:電巧社セキュリティブログ編集部

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