AIによる攻撃が加速する時代における、最小限のデジタル事業継続に向けた侵害対応力
Unite.AIのCEO兼創業者であるAntoine Tardif氏は、ColorTokensのチーフエバンジェリストであるAgnidipta Sarkar氏に、サイバー攻撃が加速し、自律型AIが新たなリスクをもたらす中での侵害対応力についてインタビューを行いました。
サイバーセキュリティ、リスク管理、事業継続、エンタープライズセキュリティのリーダーシップに30年以上携わってきた経験を踏まえ、Agni氏は、根本的な現実を前提に備えることの重要性を語っています。
サイバーセキュリティへの投資は、侵入が決して成功しないことを保証するものではありません。
侵害対応力は、そこから始まります。重要なのは、攻撃者が侵入しにくくすること、侵入したものを制御すること、拡散範囲を封じ込めること、そして攻撃が進行している最中でも事業の重要な部分を稼働させ続けることです。
攻撃が起こる前に企業を備えさせる
インシデントが発生したとき、技術的な制御は問題の一部にすぎません。
資産管理、パッチ適用、構成、変更管理、リスク、そして人的ミスはいずれも、プレッシャーの下では切り分けが難しくなります。
AIによって加速する攻撃は、その対応可能な時間をさらに圧縮します。
警報が鳴る前に、備えを進めておく必要があります。インタビューでは、2つの優先事項が示されています。
- 重要システムを環境の他の部分から分離する、侵害対応を前提としたゾーンとマイクロセグメントを構築する
- インシデント発生前に攻撃を封じ込めるためのテンプレート、プレイブック、優先順位、明確な責任分担を整備する
目的は、攻撃者の移動を遅らせ、影響を受けた領域を隔離し、影響を受けていない中核事業を稼働し続けることです。
そこで重要になるのが、Minimum Viable Digital Enterprise、すなわちMVDEです。
これは、前例のないサイバー攻撃の最中でも稼働を維持しなければならないデジタルエンタープライズの範囲を定義する考え方です。
事業が許容できる中断の範囲を定義する
MVDEは、組織のリスク許容力に左右されます。それは、デジタルおよびAIイノベーションを追求するうえで、組織がどの程度の重大な影響を受け入れる意思があるかという形で表されます。
これをMaximum Acceptable Material Impact、すなわちMAMIと呼ぶことができます。
この2つを組み合わせることで、経営層は事業継続性をビジネスの言葉で定義できるようになります。
- MAMIは、経営層が受け入れる準備のある重大な影響の範囲を定めるものです
- MVDEは、侵害発生中も稼働を継続しなければならないデジタルエンタープライズの範囲を定めるものです
これにより、デジタルレジリエンスの測定方法が変わります。
インシデント対応、災害復旧、事業継続は、主に中断したものを復旧することに焦点を当てます。
一方で侵害対応力は、自律的な封じ込めと迅速な対応を通じて、インシデント対応中にどれだけの機能を利用可能な状態に保てるかに焦点を当てます。
インタビューでは、MAMIとMVDEを四半期ごとに見直し、新たなデジタル施策やAI施策を導入する際に再検討することを推奨しています。
定義された境界内でAIを活用し、防御を加速する
攻撃が機械の速度で進むのであれば、防御側もより速く分析し、行動しなければなりません。
だからといって、AIに無制限の権限を与えるという意味ではありません。
しかし、自律型AI攻撃者に対抗できるだけの力を、人間の防御担当者に与える必要があります。
AIは、発見、依存関係のマッピング、攻撃経路分析、影響範囲分析、ポリシー提案、ポリシーシミュレーション、低リスクの最適化、事前承認済みの封じ込め、継続的な検証を支援できます。
これにより、人間はデジタル事業やAI活用の目標を守るための防御を強化できます。
そこには、事業上の重要度、許容可能な中断、安全上の制約、重要資産の定義、自律化のしきい値、主要な本番環境の隔離、不可逆的な操作などが含まれます。
Agnidipta氏は、この原則を「境界づけられた防御的自律性」と表現しています。
AIは防御の制御ループを加速するのに役立ちますが、そのAIが行動できる運用上の境界は、引き続き組織が定義します。
侵害対応力を自律型AIエージェントにも拡張する
自律型AIエージェントは、別の封じ込め課題をもたらします。
従来のユーザーアカウントやエンドポイントとは異なり、これらのエージェントは、アプリケーション、データ、認証情報、インフラストラクチャへの正当なアクセス権を持ちながら、継続的に推論し、複数のアクションを連鎖させることができます。
エージェントが侵害されたり、不適切な動作を始めたりした場合、その影響範囲は人間の対応速度では封じ込めきれないほど速く拡大する可能性があります。
そのため、侵害対応力は非人間IDにも拡張する必要があります。
より厳格なID管理、継続的な検証と行動監視、逸脱した動作に対する事前承認済みの封じ込めとアーキテクチャ上の分離が求められます。
各エージェントには、一意のIDと目的を持たせ、1人の人間にひも付ける必要があります。
これらの対策も進化させる必要があります。組織は、どのエージェントが行動したのか、デジタル上で何を行ったのか、それが承認されたものだったのか、そしてその活動が継続しているのかを、どれだけ速く判断できるかを理解する必要があります。
また、どれだけ速く摩擦を加え、その活動を封じ込められるかも測定する必要があります。
インタビュー全体を通じて、ビジネス上の目的は一貫しています。
稼働を維持すべきものを定義すること。
それを守れるように環境を構成すること。
そして、明確な境界の中でAIを活用し、理解と封じ込めを加速することです。
その結果、サイバーレジリエンスをより実践的に測定できるようになります。
すべての攻撃を防げるかどうかではなく、攻撃がより大きな事業中断に発展する前に封じ込められるかどうかが重要になります。
ColorTokensが侵害対応力の強化と侵害影響の封じ込めにどのように役立つかを知りたい方は、ぜひColorTokens(カラートークンズ)日本語公式サイトからお問い合わせください。
翻訳元記事
「breach-readiness-ai-accelerated-attacks」
公開日:2026/9/3
著者:Tanuj Mitra
※本記事では、アメリカのサイバーセキュリティ企業 ColorTokens(カラートークンズ)社が発信しているセキュリティ情報(英文)を、日本の代理店である株式会社電巧社が許諾を得て日本語に翻訳し、要約して掲載しています
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この記事の著者:電巧社セキュリティブログ編集部


