2025年1月27日

米国脱退表明で話題のパリ協定とは?基本概要や課題などを解説

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米国のドナルド・トランプ大統領が就任直後に2度目の脱退を表明して話題となっている「パリ協定」。

気候変動問題で度々目にする「パリ協定」とは、どういったものなのでしょうか?

本記事では、パリ協定の基本概要や課題などを、日本の温暖化対策などを合わせて解説します。


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パリ協定とは?

パリ協定は、2015年にフランス・パリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約締約国会議)で採択された国際的な合意です。

主な目的は、地球の平均気温上昇を産業革命以前と比べて1.5℃以内に抑えることです。

この目標を達成するため、各国が自主的に温室効果ガス削減目標(NDC: 国が決定する貢献)を設定し、その進捗を定期的に報告することが義務づけられています。

また、パリ協定では次の点が重要視されています。

パリ協定のポイント
  • 温室効果ガスの排出量を可能な限り早期にピークアウトさせる
  • 2050年までにカーボンニュートラルを達成する
  • 発展途上国への支援を通じて、世界全体での取り組みを強化する

これにより、気候変動のリスクを最小化し、持続可能な社会の実現を目指しています。

日本の温暖化対策と近年の姿勢

日本はパリ協定の目標達成に向けて、2050年カーボンニュートラル宣言を行い、積極的な温暖化対策を進めています。

近年の取り組みとして、以下が挙げられます。

  • エネルギー基本計画の改定: 再生可能エネルギーの導入拡大を目指し、2030年までに再エネ比率を36-38%に引き上げる目標を設定
  • 脱炭素技術の推進: 水素エネルギーの活用やCO2の回収・利用・貯留(CCUS)技術の研究開発
  • 地方自治体の取り組み: 各地で「ゼロカーボンシティ」を宣言し、地域ごとの脱炭素化を加速
  • 温室効果ガスの新たな削減目標:新たな目標として2035度に2013年度比で60%削減するなどの計画案をとりまとめました

さらに、日本政府は企業向けに補助金などを提供し、脱炭素経営を支援しています。

これらの施策は、国全体での目標達成に寄与するとともに、企業の競争力向上にもつながります。

パリ協定の課題

パリ協定は気候変動に取り組む上で重要な枠組みですが、いくつかの課題も存在します。

パリ協定の課題

各国の削減目標のばらつき

パリ協定では各国が自主的に削減目標を設定するため、目標の厳しさや進捗には大きな差があります。一部の国では、目標達成のための具体策が不十分であり、世界全体での温室効果ガス削減に遅れが生じるリスクがあります。

資金支援の不足

発展途上国が脱炭素化に取り組むためには、先進国からの資金支援が不可欠です。しかし、現在の支援額は十分ではなく、特にインフラ整備や再生可能エネルギー導入において課題が顕在化しています。

実施のモニタリングと透明性

各国の削減目標や進捗状況を正確にモニタリングし、透明性を確保する仕組みがまだ発展途上です。データの信頼性や報告の頻度に課題があるため、グローバルな合意形成が難航する場合があります。

技術格差の解消

脱炭素技術の普及には、技術開発が進む国とそうでない国との間での格差が大きな障壁となっています。特に発展途上国では、コスト面や技術支援の不足が課題となっています。

世界情勢の変化と政治的影響

前述したアメリカのパリ協定離脱など、政治的な変化が国際的な協力を難しくし、パリ協定の進展を妨げる可能性があります。他国でも同様の動きが発生するリスクは排除できません。

これらの課題を解決するには、国際的な連携や技術支援の強化、資金面での協力が求められています。中小企業もこれらの動きを注視し、自社の取り組みに反映することが重要です。

中小企業にとってのパリ協定の影響

パリ協定の目標を達成するためには、大企業だけでなく、中小企業もその一翼を担う必要があります。

特にサプライチェーン全体での温室効果ガス削減が求められる現在、大企業が中小企業に対して脱炭素化の具体的な取り組みを求めるケースが増えています。

例えば、大手企業がサプライヤー選定の条件として、温室効果ガス排出量の測定結果や削減計画の提出を義務づける動きが広がっています。

これに対応するため、中小企業も脱炭素経営に取り組む必要があります。

また、脱炭素化はコスト削減やブランドイメージ向上といったビジネス上のメリットもあります。

【パリ協定の具体的な影響】

  • エネルギー効率の向上によるコスト削減
  • 環境配慮型企業としてのブランド価値向上
  • 新たなビジネスチャンスの創出

まとめ

パリ協定は、気候変動という世界的な課題に対する最前線の取り組みとして、多くの国々を巻き込んだ歴史的な国際合意です。

その目的は単なる義務ではなく、未来の持続可能な社会を実現し、経済的にも新たなビジネスチャンスを生み出す可能性を秘めています。

中小企業にとっても、脱炭素経営は避けて通れない道であると同時に、競争力を高める絶好の機会です。

温室効果ガスの削減目標や具体策を設定し、政府や自治体が提供する支援を活用することで、持続可能な経営を実現しましょう。

地球環境とビジネスの未来を守るために、今こそ一歩を踏み出す時です。パリ協定をきっかけに、あなたの会社でも脱炭素への取り組みを始めてみませんか?

【参考サイト】
JCCCA┃パリ協定
環境省┃国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)及び京都議定書第11回締約国会合(COP/MOP11)の結果について  など

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