初めての方へのアクションプラン

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.脱炭素経営とは

 
脱炭素経営とは、脱炭素社会実現に向けて、企業をはじめとした、あらゆる組織の活動による温室効果ガス排出「ゼロ」を目標とした経営のことです。

温室効果ガスは7種類あり、英語では「Greenhouse Gas(GHG)」とも呼ばれます。

本記事では、その中でも代表的なものとして以下「CO2」と表記いたします。

 

世界的には2015年パリ協定における「2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組み」に始まり、日本でも2020年10月の「2050年カーボンニュートラル宣言」により、温対法(地球温暖化対策推進法)の改正など、脱炭素化に向けて急速に舵が切られています。

これにより、脱炭素経営は企業価値に大きな影響を与えるようになっています。

 

また、今や大企業だけでなく「サプライチェーンに対して脱炭素化を要求する大企業の動き」「炭素税・排出量取引制度などのカーボンプライシング導入による、税制面などのコスト負担増」など、「脱炭素」は中小企業にとっても現実的で重要な経営課題として波及してきています。

 

たとえば2021年6月、自動車業界では、ある大手メーカーがサプライチェーンに対しCO2排出量の削減を要求し、これにより、サプライチェーン内の中小企業でも脱炭素化が急激に進みました。

このように、脱炭素化は急激に求められることもあり、またこの流れが進むと、お客様や取引先、採用応募者から「この会社は、脱炭素に取り組んでいるか?」という軸で比較されることも増えるでしょう。

 

しかし、脱炭素の目標を達成するには中長期的な期間が必要です。

必要が生じてから取り組んでも、結果が出るには数年かかる、ということにもなりかねません。

また、各省庁やメディアから発表される情報は、大手企業や自治体を対象にしているものも多く、中小企業様が取り入れるには優先順位の整理や取捨選択が必要です。

 

そこで当サイトでは、これから脱炭素経営に取り組もうとされる中小企業のみなさまのために、以下にアクションプランをまとめました。

脱炭素経営への一歩を踏み出すためのお役に立てましたら幸いです。

step1 →
CO2排出量を把握する

step2 →
CO2削減目標の設定

step3 →
省エネ対策の検討

step4 →
エネルギー転換を検討

step5 →
再生可能エネルギーを検討

step6 →
蓄電池導入を検討

step7 →
ロードマップ作成

.

ステップ1 ~CO2排出量を把握する~

 
脱炭素経営に取り組むには、そもそも自社の事業活動がどれくらいCO2を排出しているのか分からないと、計画を立てることができません。

では、どのようにしてCO2排出量を把握すれば良いのでしょうか。

 

そこで、まず気軽に取り組めるのが、各支援会社や自治体などで行っている「省エネ診断」です。

無料と有料があり、内容にもそれぞれ違いがあります。

 

たとえば弊社の場合、環境省の「省エネ診断事業者」として登録しており、国の補助事業として診断費用の半分を補助金でまかなう「省エネ診断」をご提供することができます。

その診断結果に合わせて、目標設定、施策設定、運用や機器入れ替え・工事のご相談などをワンストップで承ることも可能です。

 

また、一部自治体では、中小企業を対象に、無料で省エネ診断を提供していることもあります。

そのご紹介も弊社にて承りますので、どうぞご連絡ください。

 

さらに、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入することで、自社内でも継続的にエネルギーの使い方を可視化したり、運用を自動制御したりできるようになります。

弊社にてお手伝いできるメニューはこちら

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省エネ診断 ご相談・お問合せ

. 脱炭素化経営への第一歩 世界的な脱炭素化の流れの中、日本国内でも2030年までの温室効果ガスの削...

2022年1月19日

脱炭素経営へのアクションプラン資料

これから脱炭素経営を始めたい中小企業に向けた、7ステップで脱炭素経営をスタートできるアクションプランの資料がダウンロードできます。

.ステップ2 ~CO2削減目標の設定~

 
ステップ1で「どこ」で「どれだけ」CO2を排出しているか把握できれば、「何年までにCO2を何%削減」という、より具体的で適切な目標設定ができます。

 

また、運用(使い方)改善や機器の最適化など、「効果的な削減施策」を策定することができます。

具体的なロードマップの策定は「ステップ3~6」を参考に実施します。

.ステップ3 ~省エネ対策の検討~

 
まずは短中期的な省エネ対策として、エネルギーの使用量が多いところから、重点的に削減計画を検討していきます。

たとえば環境省のガイドラインでは、以下の検討項目が挙げられています。

スクロールできます

対策タイプ 実施対策例
運用改善 空調機のフィルター、コイル等の清掃
空調・換気不要空間への空調・換気停止、運転時間短縮
冷暖房設定温度・湿度の緩和
コンプレッサーの吐出圧の低減
配管の空気漏れ対策
不要箇所・不要時間帯の消灯
部分更新・
機能付加
空調室外機の放熱環境改善
空調・換気のスケジュール運転・断続運転制御の導入
窓の断熱性・遮熱性向上(フィルム、塗料、ガラス、ブラインド等)
蒸気配管・蒸気バルブ・フランジ等の断熱強化
照明制御機能(タイマー、センサー等)の追加
ポンプ・ファン・ブロワーの流量・圧力調整(回転数制御等)
設備導入 高効率パッケージエアコンの導入
適正容量の高効率コンプレッサーの導入
LED 照明の導入
高効率誘導灯(LED 等)の導入
高効率変圧器の導入
プレミアム効率モーター(IE3)等の導入
高効率冷凍・冷蔵設備の導入
高効率給湯機の導入

各項目を参考に、自社のエネルギーロスを洗い出し、「運用改善」や「機器の部分更新・機能追加」「高効率機器への更新(入れ替え)」の検討を行います。

 

業種にもよりますが、一般的には空調・照明が使用エネルギーの大きな割合を占めています。

ですが、事業により使っている設備やエネルギーの比率は変わるため、自社の事業でエネルギー使用量が多い箇所を見極めながら、費用対効果を考慮して計画していくことが重要です。

.

ステップ4 ~(都市ガスや重油などを使う設備の)エネルギー転換を検討~

 
燃料消費に伴うCO2排出量は、省エネだけで大幅に減らすことは困難です。

そこで、都市ガスや重油などを燃料としてCO2を直接排出している主要な設備について、CO2排出量の少ない電化・バイオマス・水素などへ転換することを併せて検討します。

 

たとえば、以下のような転換が考えられます。

 

電化の可能性を探る
電化の主な例
◼ ボイラ:ヒートポンプへの転換
◼ 燃焼炉:電気加熱炉への転換(ピンポイント誘導加熱等)
◼ 自動車:ガソリンまたはディーゼル車からハイブリッド車や電気自動車への転換
バイオマスの利用可能性を探る
バイオマス利用の主な例
◼ ボイラ:バイオマスボイラーへの転換
※燃料の安定調達の可能性を検証(未利用材、廃材、バイオディーゼル燃料(BDF)等)
水素の利用可能性を検討する(ただし、2030年代までは商業利用が難しい可能性あり)
水素利用の主な例
◼ 自動車:燃料電池車(FCV)への転換
◼ 工業炉:水素バーナーへの転換

現時点で取り入れやすいものもあれば、一般産業化していない技術もあり、後者は導入のハードルが高いのが現状だと思います。

すぐに取り入れることは難しくても、今後の技術開発に合わせて定期的に検討しなおすのがおすすめです。

.ステップ5 ~再生可能エネルギー(電気)を検討~

 
ここまでのステップで大幅なCO2排出量の削減は期待できますが、排出量をゼロにすることはできません。

カーボンニュートラル実現に向けて再生可能エネルギーの検討が必須となります。
 

再生可能エネルギーの導入方法には「電力会社の再エネ電気メニューへの切り替え」や、自社での「太陽光発電所設置(自家消費)」など様々な方法があります。

それをまとめたのが、以下の表になります。

 

自社の「必要な電力量」「立地状況」「レジリエンス電源」など必要性に応じて導入方法や組み合わせの検討をします。

スクロールできます

再エネを調達する手段 概要 長所 短所
小売電気事業者との契約
(再エネ電気メニュー)
自然エネルギー100%の
電力を購入
●当該プランの購入契約
のみで調達が可能な
ため、取引コストが
相対的に低い
●小口でも調達可能
●大口向けに、個別の
プランを提供する
小売電気事業者もある
●電力購入先の切り替え
が必要となるため
手続きが多い
●拠点が複数地域に
またがる場合は
拠点ごとの検討が必要
●契約電力会社の
再エネ調達力に依存
するため、将来の調達
リスクがある
自家発電・自家消費 自家発電・自家消費
発電設備を事業所敷地
内に設置・運転し、
発電した電力を自家消費
●屋根や遊休地の活用
が可能
●設置場所の確保が必要
●稼働まで期間を
要するため、
即座に調達できない
●継続的なメンテナンス
が必要
第三者所有モデル
(※自家消費の1類型)
第三者が、発電設備を
事業所内の屋根・敷地
等に設置し、その発電
した電力を購入
●メンテナンス等の
手間が不要
●系統電力よりも安く
設定されるため
電気代の削減が可能
●工事等への対応が必要
再エネ電力証書等の購入 自然エネルギーの電力が
生み出す環境価値を
証書で購入
●複数拠点の再エネ化の
実行が可能
●電力購入先の
切り替えなしに再エネ
価値を調達可能
●長期契約が不要で、
市況に応じて
購入判断が可能
●価格変動があり 、
かつ、相対的に高価
●現時点で流通量が
限定的

.ステップ6 ~蓄電池導入を検討~

 
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、発電量が天候に左右されるという弱点があります。

そこで再生可能エネルギーの不安定性を補ってくれるのが蓄電池です。

再生可能エネルギーと蓄電池と組み合わせることにより、安定的、且つ効率的に消費することができます。

 

蓄電池は今後、急速な技術開発が期待されている分野で、弊社でも積極的にお取り扱いしています。

どうぞご相談ください。

.ステップ7 ~ロードマップ作成~

 
以上、各ステップでの検討結果をとりまとめて、洗い出した削減計画を定量的に整理します。

 

  1. 想定されるCO2削減量 例)1年あたり
  2. 想定される投資金額
  3. 想定される光熱費・燃料費の増減 例)1年あたり

 

さらにステップ2で設定した目標と照らし合わせ、各対策の実施時期を決めて、ロードマップを作成します。

.まとめ

 
事業活動によるCO2排出には、自社で排出するほか、「スコープ3」と言われる「その他の間接的な排出(仕入れ先企業による排出や、移動や通勤などに関わる排出など)」も含まれます。

そのため、総括的な計画が必要なものではありますが、まずは上述のアクションプランにて、自社事業での排出を削減していくことが第一歩です。

 

また、脱炭素経営に取り組むにあたり、コスト面での負担軽減も重要な課題です。

国や自治体は脱炭素社会を促進するために多くの補助事業を実施しており、上手に活用して脱炭素経営に取り組むことも、目標達成のための重要な鍵となります。

 

各種補助金については、このサイト内でも情報をご提供しています。

また、補助事業に関するご相談も承りますので、お問合せフォームからどうぞお気軽にご連絡ください。

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