「最近の夏は暑すぎる」「ゲリラ豪雨が増えた気がする」──そんな体感は、すでに“データで裏付けられる現実”になっています。
2025年3月、気象庁と文部科学省は「日本の気候変動2025」を公表しました。
この報告書では、日本の気温、降水、海の変化などを科学的に分析し、地球温暖化がいかに私たちの生活に影響を与えているかが明らかになっています。
本記事では、この報告書の中でも特に注目すべきポイントをわかりやすく紹介し、企業として今できる対策についても解説していきます。
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気温の上昇が止まらない──100年で1.4℃アップ
気象庁のデータによれば、日本の年平均気温は1898年から2024年までの間に、100年あたり約1.40℃のペースで上昇しています。

引用:文部科学省・気象庁│日本の気候変動2025(概要版)│気温【観測結果】
特に東京などの都市部ではヒートアイランド現象の影響も加わり、全国平均をさらに上回る割合で気温が上昇しています。
異常気象ではなく、もはや“常態化”しつつある
気温の上昇に伴い、極端な気象現象の発生頻度も増加しています。
気象庁の長期観測データから、以下のような変化が明らかになっています。
増加傾向
- 真夏日(最高気温30℃以上)や猛暑日(35℃以上)の日数
- 熱帯夜(最低気温が25℃以上の夜)の回数
- 短時間強雨(1時間に50mm以上など)の発生件数
減少傾向
- 冬日(最低気温が0℃未満)の回数
- 降雪日数や積雪量(地域によって差はある)
気候変動と“猛暑”の関係
報告書では、近年発生した記録的猛暑のいくつかについて「地球温暖化がなければ起こり得なかった可能性が高い」と分析。
つまり、温暖化が猛暑を引き起こしており、それが“当たり前(常態化)”してきているとこうことを意味します。
このまま進行すれば、極端な気象現象も日常的な風景になってしまうかもしれません。
海にも表れる温暖化の影響──海面上昇と海水温の変化
気温だけでなく、海にも地球温暖化の影響が確実に現れています。
平均海面水位は72mm上昇
日本沿岸では、1980年代以降、海面水位が年々上昇しています。2024年の観測では、平年(1991〜2020年の平均)と比べて約72mm高い水位が記録されました。
これは、地球全体の温暖化により氷河や氷床が溶けて海水量が増加していることや、海水自体の温度上昇による熱膨張が原因とされています。
このまま上昇が続けば、高潮や浸水のリスクが高まり、沿岸地域への影響が深刻化するおそれがあります。
海水温も確実に上昇中
日本周辺の海域では、100年あたり約1.14℃の割合で海面水温が上昇しています。
特に太平洋側の一部地域では海水温の上昇が顕著で、魚の分布の変化や赤潮の発生リスク、漁業資源への影響などが懸念されています。
海は地球の気温を緩和する“緩衝材”として機能していますが、その限界が近づきつつあるとも言われています。
この先どうなる? 未来の日本の気候
報告書では、2つのシナリオ(対策をとる場合=2℃上昇、対策をとらない場合=最大4℃上昇)で将来の日本の気候が予測されています。

表:文部科学省・気象庁│日本の気候変動2025(概要版)│将来予測を元に作成
気候変動に対して企業にできることは?
この事態に対し、企業としてどのような対策を取っていくべきなのでしょうか?
具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。
電力の見える化やEMS(エネルギー管理システム)の導入
エネルギー使用量を「見える化」することで、省エネのきっかけが生まれます。
再生可能エネルギーの導入
太陽光発電や再エネ電力への切り替えなど、自社の脱炭素化を進めましょう。
省エネ機器への更新
空調や照明、工場設備の見直しにより、エネルギー効率が大きく向上します。
サプライチェーン全体でのCO2️削減
自社だけでなく、取引先や物流などバリューチェーン全体での脱炭素を意識する必要があります。
環境対応が取引条件になる時代に備える
大手企業や自治体から、脱炭素への取り組みを求められる場面も増えています。
早期の対応が自社の信頼や競争力につながります。
「気候変動に対応する企業」こそが、これからの時代のスタンダードです。
環境省や各自治体の補助金制度を活用すれば、中小企業でも無理なく始められますの
まとめ
「異常気象」は、もはや特別な出来事ではなくなりつつあります。
「日本の気候変動2025」が伝えるのは、これが“未来”ではなく“今”の話であるという現実です。
企業にとっても、気候変動は無関係ではありません。
社会的責任やサプライチェーンへの影響を考えると、今こそ行動が求められるタイミングです。
まずは、自社のエネルギーの使い方を見直すことから始めてみましょう。
【参考サイト】
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