近年、脱炭素や省エネが企業にとって重要な経営課題となっています。
電気代の高騰やCO2排出削減のニーズが高まる中、見落としがちな「エネルギーロスの原因」にも目を向けることが求められます。
そのひとつが「静電気障害」です。
特に空調設備では、静電気が思わぬ形でエネルギー効率を低下させ、結果として電力消費やCO2排出量の増加につながるケースがあります。
この記事では、静電気障害と熱交換効率の関係について、わかりやすく解説します。
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静電気障害とは?
静電気障害とは、設備表面に発生する静電気が原因で、空気の流れが乱れたり、ホコリや微粒子が付着しやすくなったりすることで、機器本来の性能が低下する現象を指します。
特にエアコンや空調機器では、熱交換器(フィン部分)や樹脂製パネルなどが帯電しやすく、これが空気の流れやエネルギー効率に悪影響を及ぼします。
静電気障害の発生メカニズム
エアコン内部では、ファンの回転や空気の流れによる摩擦で静電気が発生します。
特に熱交換器(フィン)や絶縁体である樹脂製パネルはプラスに帯電しやすく、以下のような現象が起こります。
1. プラス同士の斥力により、気流が乱れる
本来、熱交換器に向かってスムーズに流れるはずの空気が、帯電した表面との間で斥力を受け、熱交換器に接触する空気の量が減少します。
2. 気流の乱れによって冷暖房効率が低下
空気が熱交換器を通過する効率が悪化し、設定温度に達するまでの時間が長くなります。
3. 静電気がホコリや微粒子を吸着
帯電したフィンやパネルは空気中のホコリや微粒子を引き寄せやすくなり、これが汚れとなってさらに空気の流れを妨げ、さらに効率を低下させます。
このように、静電気による「気流の乱れ」と「汚れの付着」が相互に悪影響を及ぼし、見えにくい場所で静かに障害が進行していきます。
静電気による熱交換効率の低下で電気のムダが発生
この静電気障害が発生した際に重要になってくるのが「熱交換効率」です。
熱交換効率とは、空調機器が空気や冷媒を通じて熱をやり取りする際の“効率”を示す指標であり、これが高いほど少ないエネルギーで室温を希望通りに調整できます。
逆に、効率が低下すれば、設定温度に到達するまで余計な電力を消費することになり、電気代やCO2排出量の増加を招くことになります。
本来、エアコンの熱交換器は空気の流れをスムーズに受け止め、効率的に熱を伝える設計になっています。
しかし、静電気が発生することで以下のような現象が発生します。
- 帯電による気流の乱れ → 空気が熱交換器に接触しにくくなる
- ホコリや微粒子の付着 → 汚れが断熱層となり、熱の伝達を阻害
その影響で、熱交換効率が大幅に低下してしまうことになります。
熱交換効率が低下すると?
静電気障害によってエアコンや空調機器の熱交換効率が低下すると、以下のような問題が発生します。

1. 電力消費とコストの増加
熱交換効率が10%低下すると、同じ温度設定でもエアコンは10〜20%多くの電力を消費するといわれています。
例えば、月間10万円の電気代を支払っている企業なら、年間で12万円以上の余分な電力コストが発生する可能性があります。
効率低下は「じわじわと効いてくる経営コスト」として、見えない形で企業を圧迫します。
2. 室温の不安定化と業務効率の低下
冷却・加熱効率が落ちることで、室温が安定せず、従業員の快適性や生産性に悪影響を与えることがあります。
オフィスや工場では、温度管理が製品品質や作業効率にも影響するため、経営リスクにもなり得ます。
3. 機器への負荷増大と寿命短縮
空調機器は設定温度を維持しようとフル稼働するため、モーターやコンプレッサーへの負荷が高まります。
その結果、故障リスクの増加や機器寿命の短縮を招き、想定外の修理費や更新コストが発生するリスクが高まります。
4. CO2排出量の増加と環境負荷
熱交換効率が落ちることで、エネルギー使用量が増加し、企業のCO2排出量も増加します。
脱炭素経営を掲げる企業にとっては、環境負荷の増加が企業イメージの低下や取引先からの信頼喪失にもつながりかねません。
静電気障害の対策方法
静電気障害による熱交換効率の低下を防ぐためには、次のような対策が効果的です。
定期的な清掃・メンテナンス
静電気によって吸着したホコリや微粒子をこまめに取り除くことで、熱交換効率の低下を防ぎます。
フィルター清掃だけでなく、フィンやダクト内部の清掃も重要です。
見えにくい部分の汚れも熱交換効率に影響するため、プロによるメンテナンスが効果的です。
帯電防止対策(静電気の根本対策)
熱交換器やダクト内への帯電防止製品の設置することで、静電気の発生自体を抑制します。
これにより、省エネ効果を長期間維持することが可能です。
まとめ
静電気障害は、目に見えにくいながらも、空調設備のエネルギー効率に大きな影響を与える要因です。
脱炭素経営や省エネ対策を進めるうえで、こうした「隠れたエネルギーロス」にも目を向けることが、長期的なコスト削減や環境負荷低減につながります。
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