DEレポートNo.34
「2035 年までに国内乗用車新販売の電動化率100%大丈夫?」
【著者コメント】
私は、18歳で車の免許を取得してから、車を運転する魅力に取りつかれて30年以上ガソリン車を運転して参りました。
最近電気自動車に乗る機会が増え、静かで早くて運転も楽しいことを発見したのですが、だからこそ充電に対する不安感があったので、この記事を書きました。
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1.電気自動車の生命線である充電スタンドが増えていない?
- 公共用の充電設備は全国で約3万基、政府が掲げる2030年までに15万基に対して1/5程度しか設置出来ていません
- 充電スタンドの稼働率が上がらない中、維持費用がかさむため撤去させるケースがあり設置台数があまり増えていないとう現状です
- 充電スタンドにおける充電スピードも問題で、やっと見つけた充電スタンドが使用中だと、30分程度の待ち時間が生じてしまいます
- タイムリーに充電出来ないと、電気自動車の電池残量が気になり、結果電気自動車の購入を躊躇してしまう事態になってしまいます
→ 都市部で大幅な設置台数増加が見込めないなら、どうしたら良いか?
2.充電場所が増えない→バッテリ容量と充電速度を上げれば良いのでは?
- バッテリの充電容量を現状の3倍程度まで上げれば、1回の充電で1,000km以上の走行が可能となりますが、今までのバッテリですと3倍の容積と重さになってしまうので、現実的ではありません
- そこで各社開発に力を入れているのが小型・高性能な全個体電池です、2027年~2028年に実用化する見込みです
- また、充電時間の短縮を図る為に、超高速充電(CHAdeMO3.0)規格900kWの充電器が開発されれば、1回の充電時間を10分以内にすることが可能となります
→これでも、安心して電気自動車をお勧めしますとは言えません
3.ケーブルを繋いで充電するという概念が無くなる近未来!
- 都市部では設置スペース確保の問題により、充電スポットが計画通りには増えない可能性があります。また充電スポットを発見しても、充電する為だけに有料駐車場へ停めなければならない場合もあります
- 理想は、勝手に充電して無限に走れる電気自動車があれば良いですよね?
実は夢物語ではなく、実証実験も始まっているのです!まずは駐車場に停めておくだけで、ワイヤレスで充電できるシステムが、近年中に普及していくと思われます。そして近未来には走行しながら充電できるシステムが実用化されそうです - 全個体電池による大容量バッテリ、停車中・走行中にワイヤレスで充電できるシステムが2030年前半までに普及すれば、政府が掲げる2035年までに国内乗用車新車販売の電動化率100%も現実的な話となると思います。
そしてそのころにはハンドルが無い完全自動運転の電気自動車が、街中に溢れているかもしれません。
自動車運転免許を持っていることがステータスとなる時代がくるのかもしれませんね
【参考サイト】
・5自動車・蓄電池産業│経済産業省
・充電インフラ整備促進に関する検討会│経済産業省
・走行中の電気自動車に永続的に無線給電を行う道路の実用化システムの開発│国土交通省 など
【図解付きDEレポートNo.34(PDF版)】もダウンロードできます
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DEレポートとは
「DEレポート」とは、環境やSDGsに係る社会問題を取り上げ、原因・背景から解決に向けた施策事例や将来の展望までを調査しコンパクトにまとめた報告書(レポート)です。
脱炭素経営ドットコムを運営する株式会社電巧社では、社名のアルファベット表記(DENKOSHA)の頭文字から名付けられた本レポートの作成に、全従業員で取り組んでいます。
配信場所:脱炭素経営ドットコム 及び 株式会社電巧社HP(https://de-denkosha.co.jp/)
配信頻度:10日ごとに配信中