DEレポートNo.36
「砂漠に野菜工場を…~虫の知恵に学ぶ~」
【著者コメント】
私は、自然が厳しい中で生き抜く砂漠ゴミムシダマシの水分補給に感動しました。
砂漠の沿岸地区では、日中に海水面から蒸発し大気中に限界まで保持されている水蒸気は、太陽が沈んで気温が急激に下がると結露して霧状になります。
驚きなのは、この昆虫が霧を羽で効率的に集め、その水滴を飲んで命をつないでいるという姿でした。
自然の摂理は、人工的なエネルギーを使わない再生可能エネルギーです。
電気の制御だけではなく上手に自然の力も取り込むことでよりエコなやり方で課題を解決できるのではないかという検討をしてみたかったため、レポートを作成しました。
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1.気候変動により耕作可能地域が減少
- 日本では人口減少が課題となっているが、世界的にはインド、アフリカ、東南アジアを中心に人口が増加している
- 1人当たりの耕作可能地域が減少している
- 地球温暖化の影響により、気候変動が進み砂漠化が進んでいる
⇒世界的に食糧危機が進んでいく
→ 日本にいるとわからないが、世界的な食糧危機は相当深刻
2.自然を活用した水の確保
- 今回の目的: 野菜を生産するのが困難な地域で新鮮な野菜が食べられるように再生可能なエネルギーと自然の摂理を活用し、電気と水の確保を行い半永久的な植物工場ができないかの検討をするものである
- 水の確保: 砂漠の沿岸地区で日中海水から水分が蒸発して大気中に保持されているが、太陽が沈むと急激に温度が下がるため、夜間大気が冷却され飽和状態になった水蒸気が結露しやすくなることを利用し、効率的に水を集める昆虫の羽の構造を活用
- 電気の確保: 塩害と砂、風に強いフレキシブルモジュールの活用
→最も重要なことは水の確保
3.砂漠の沿岸地区に巨大植物コンテナ工場を建設
- 砂漠ゴミムシダマシの羽の構造を上回る、大気中から効率的に結露水を集める熱伝導率性の良い素材の選択と表面積を増やすための加工、人工的な結露水収集パネルを開発する
具体的検討項目:
1.熱伝導率性が良く、加工しやすい素材の選定:アルミニウム6061等
2.加工技術の検討: レーザーエッジングなどの微細加工で羽の模様を再現
3.表面の撥水加工: フッ素樹脂やシリコーン系のコーティング等 - 必要な場所に簡単に増設できるコンテナタイプの植物生産システムを作り、水を自らのシステム内で作り出す究極の半永久サイクル野菜生産システムを砂漠の沿岸地区に作って一大野菜生産地域とする
- 適当な設置場所…適した設置場所はアフリカ西南部沿岸地区、中東の沿岸地区やカリフォルニアの西岸地区等
→虫の知恵が設計図
3.補足資料:自然の力を利用していかに大気中から水を確保するのか?
- 葉の裏の気孔を開き蒸散活動をすることで、根から水を吸い上げるとともに栄養分を取り込む
- 自分の成長のために体内にとどめる(レタスの場合の水分含有率は95.8%)
→地中でない大気中という逆転の発想で解決が出来る
【参考サイト】
・平成25年版 情報通信白書|生活資源を取り巻く社会情勢│総務省
・平成18年版 環境白書│環境省
【図解付きDEレポートNo.36(PDF版)】もダウンロードできます
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DEレポートとは?
「DEレポート」とは、環境やSDGsに係る社会問題を取り上げ、原因・背景から解決に向けた施策事例や将来の展望までを調査しコンパクトにまとめた報告書(レポート)です。
脱炭素経営ドットコムを運営する株式会社電巧社では、社名のアルファベット表記(DENKOSHA)の頭文字から名付けられた本レポートの作成に、全従業員で取り組んでいます。
配信場所: 脱炭素経営ドットコム 及び 株式会社電巧社HP(https://de-denkosha.co.jp/)
配信頻度:10日ごとに配信中