DEレポートNo.52
常磐ものの風評被害について
対象のSDGs目標

【著者コメント】
私が勤務する福島県いわき市を含む福島県海沿いの漁業について、東日本大震災以降出荷量が激減しているとのニュースを目にしました。
ニュースで「風評被害」との言葉は常に耳にしているが、実際本当に安全なのか?
また、何が問題で出荷量が激減しているのかとても気になり、今回調べレポートとして作成しました。
より多くの方々に常磐ものは安全だと認識して頂き、美味しい魚を食して頂きたく思います。
脱炭素経営ドットコムでは、中小企業様の脱炭素経営への第一歩を支援しています。
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1.厳しい状況が続く常磐もの(漁業)の現状
- 東日本大震災・福島第一原子力発電所の事故により、私が勤務するいわき市を含む福島県海沿いの漁業は水揚げの減少及び出荷量の減少が続き、大変厳しい状況が続いている
- 原発事故による放射性物質を含む水を海洋放出するにあたり、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準を満たすまで浄化し、基準を十分に満たすよう処分する前に海水で大幅に薄めて放出している
- 海洋放出するにあたり安全基準を満たすまで浄化し放出しているが、風評被害により東日本大震災以前の漁獲量の水準まで回復していない。また、沖合漁業で水揚げされるカツオやサンマ、サバなどの回遊性魚種は、福島県の沿岸海域で漁獲されたものではないが、水揚された港が「福島県」「いわき市」であるだけで、今でも市場関係者や消費者から敬遠されている面がみられる
→ 東日本大震災前は好まれて食されていたのに…
2.常磐ものは本当に安全なのか?
- 魚介類の放射性物質濃度についてモニタリング検査を実施し、放射性物質の濃度が低い種類、あるいは事故直後は高かったものでも時間の経過とともに明らかに低下している
- 福島県の沿岸海域で漁獲されたものではない回遊性の魚に対しても、放射性物質スクリーニング検査を行い、安全性を確認してから出荷している
- 福島県内では、地産地消をアピールし飲食店や公共施設の食堂などで積極的に常磐ものが提供されているが、日本全国及び全世界に対しての安心・安全が伝わっていないように感じる
→令和2年2月27日現在、国の出荷制限指示を受けている魚種はない現実
3.国内外で美味しい常磐ものの消費拡大のために
- 美味しい常磐ものの風評被害(誤解)を払拭し、震災以前の漁獲量の確保及び出荷をし、福島浜通りの漁業関係者に活気ついてほしい
- もっと国内外の方へ常磐ものは安心・安全だと認識して頂き、地産地消だけではなく、幅広い方々においしくて新鮮、そして安全な常磐ものの水産物を楽しんでほしい
- 「常磐もの」をキーワードに、多くの方に安全・安心だと知って頂きたい
→常磐ものを見かけたら、是非多くの方に食して頂きたい!
【参考サイト】
・いわき市農林水産部 水産振興課┃常磐もの
・水産省┃水産物の放射性物質調査の結果について など
【図解付きDEレポートNo.52(PDF版)】もダウンロードできます
※個人情報の入力なしでダウンロード可能です
DEレポートとは?
「DEレポート」とは、環境やSDGsに係る社会問題を取り上げ、原因・背景から解決に向けた施策事例や将来の展望までを調査しコンパクトにまとめた報告書(レポート)です。
脱炭素経営ドットコムを運営する株式会社電巧社では、社名のアルファベット表記(DENKOSHA)の頭文字から名付けられた本レポートの作成に、全従業員で取り組んでいます。
配信場所: 脱炭素経営ドットコム 及び 株式会社電巧社HP(https://de-denkosha.co.jp/)
配信頻度:月2本配信中