DEレポートNo.53
外来生物カブトムシが地球に優しい未来を創る
対象のSDGs目標

【著者コメント】
毎年夏になると我が家の子供達とカブトムシ探しをします。
私が小さい頃は橋等に設置されている照明を巡れば簡単にカブトムシを捕まえる事ができたと記憶していますが、ここ数年カブトムシを捕まえる事ができずに苦戦しています。
そこで今と昔と何か変化があるのか?という思いから今回カブトムシについて詳しく調べてみました。
脱炭素経営ドットコムでは、中小企業様の脱炭素経営への第一歩を支援しています。
これから脱炭素経営を始めたい中小企業向けアクションプラン資料もございますので、ぜひご活用ください。
1.外来生物による影響
- 本来いるはずのない種類の外来種が存在している
- ペットや観賞用として飼っていた外来種が逃げ出してしまった、あるいは飼い主が自然へ逃がすなどして本来いるはずのない外来生物が存在している
- 生態系は長い期間をかけて食う・食われるという事を繰り返し、絶妙なバランスのもとで成立している。ここに外から生物が侵入してくると生態系のみならず、人間や農林水産業まで幅広くにわたって悪影響を及ぼす場合がある。
また、もともと住んでいた生き物のエサを横取りする、住みかを奪ったり、外来種と国内種との間に雑種の子供が生まれ、遺伝的な多様性が失われる。体に寄生したダニなどにより病気を広げるなど、その地域の生態系バランスをくずしてしまう
→ 生態系を守るためにできること
2.環境省や専門店の取り組み
- 環境省では国産カブトムシ・クワガタの野外への遺棄防止に関する普及啓発を行っている
(全国約5,000店舗にポスター配布)
- 環境大臣が外国産甲虫類を販売している専門店やホームセンター等に対して遺棄防止を呼び掛けるポスター掲示の依頼。
購入者に対して遺棄に関する注意喚起についての協力依頼を行っている。
子供向けのホームページを開設して呼びかけを行っている
→カブトムシが有機廃棄物、資源問題を解決!?
3.カブトムシがゴミを資源に変える
- 有機産業廃棄物(動・植物に由来するゴミ)をカブトムシが食べてくれる、という事に着目して事業を立ち上げた会社がある
- 世界では急激な人口増加と共に「有機廃棄物」が大量に出ており、廃棄に困っている現状がある。その有機廃棄物を加工してカブトムシのエサとする。そのカブトムシの糞が農業の肥料となり、カブトムシも魚養殖のエサ(魚粉)の代役として販売される。また、カブトムシの死骸には漢方などで有名な冬虫夏草の他、薬になる成分も含まれていることから、製薬メーカーとコラボして創薬に使用するための研究や、カブトムシの幼虫が持つカブトムシディフェンシン(抗菌性ペプチド、抗がん剤や抗生物質用途)の研究が進められている
- 海外ではカブトムシはゴキブリ同様に見られており、日本のように愛好する風習がないが、いつかはカブトムシが廃棄物を食べて育ち、尚且つ資源化され、ペットとしてもカッコイイ!と世界に認知されることを期待したい
→カブトムシが資源問題を解決し、世界に認められるまで
【参考サイト】
・広島県┃外国産カブトムシ・クワガタムシ
・環境省|「外来カブトムシ・クワガタムシ 逃がさないで・捨てないで」緊急キャンペーンの実施と環境大臣の販売店の訪問について など
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「DEレポート」とは、環境やSDGsに係る社会問題を取り上げ、原因・背景から解決に向けた施策事例や将来の展望までを調査しコンパクトにまとめた報告書(レポート)です。
脱炭素経営ドットコムを運営する株式会社電巧社では、社名のアルファベット表記(DENKOSHA)の頭文字から名付けられた本レポートの作成に、全従業員で取り組んでいます。
配信場所: 脱炭素経営ドットコム 及び 株式会社電巧社HP(https://de-denkosha.co.jp/)
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