2022年1月19日

サプライチェーンと共に脱炭素を目指す企業

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物流

企業はすべからく脱炭素に取り組むべきである。

そういう風潮が高まる今、脱炭素に積極的でない企業は、世間の厳しい視線にさらされつつあります。

 

今や脱炭素の取り組みは企業価値を図る一つの指標となり、CO2の排出量が多い企業は市場から淘汰される傾向に。

現に、脱炭素の取り組み状況が芳しくない企業は「脱落危険度」が高いとされ、ランキング化されています。

 

一方で、脱炭素に積極的に取り組んできた大手企業も、自社のみの取り組みでは不十分であると言われています。

2050年カーボンニュートラル実現のため、サプライチェーン全体での取り組みが要求されているのです。

 

本記事では、サプライチェーンと共に脱炭素に励んでいる3つの大手企業に着目し、その取り組みをご紹介します。

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大手企業の脱炭素に向けた取り組み


トヨタ自動車


トヨタ自動車は、事業活動におけるCO2削減だけでなく、クルマそのものが排出するCO2の削減や、環境保全活動といった取り組みを行っています。

2015年10月には、持続可能な社会実現に向けた「トヨタ環境チャレンジ2050」という、6つのチャレンジ目標を掲げ、公表しています。

 

【トヨタ環境チャレンジ2050】

  • 新車CO2ゼロチャレンジ
  • 工場CO2ゼロチャレンジ
  • ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ
  • 水環境インパクト最小化チャレンジ
  • 循環型社会・システム構築チャレンジ
  • 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ

 

例えば、電気自動車・燃料電池自動車の100万台以上の販売、自然と共生する工場の建設などを、2030年マイルストーンとして設定。

サプライチェーン(主要1次取引先)に対しては、2021年のCO2排出を前年比3%削減するよう要請しています。

 

これらの取り組み推進・目標設定から、トヨタ自動車はサプライチェーンと共に、脱炭素社会の実現に向かって突き進んでいることが伺えます。

 

ユニクロ


ユニクロを展開するファーストリテイリングは、店舗およびサプライチェーン、そして商品使用におけるCO2削減に取り組んでいます。

 

実際に国内のユニクロ店舗では、LED照明・EMS(エネルギーマネジメントシステム)を導入することで、 店舗からの温室効果ガス排出量を、年々減少させることに成功しています。

 

サプライチェーンに対しては、以下のような取り組みを推進しています。

・物流の輸送効率向上による温室効果ガス排出量の削減

・取引先工場における環境負荷の低減

・衣料品の原材料は、より少ない温室効果ガス排出量で生産されるものを選定 など

その他にも、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減目標の達成に向けて、多くの計画を策定しています。

 

また、環境負荷低減への取り組みとして「RE.UNIQLO」という、不要になったユニクロ・ジーユーの服を店舗にて回収し、リサイクル・リユースするという取り組みも。

販売商品への再活用・難民支援はもちろん、服としてリユースできないものは、高カロリー固形燃料(RPF)という化石燃料の代替品を作り、CO2削減に貢献しています。

 

ユニクロ公式オンラインストア|RE.UNIQLO

イオン


イオンは、脱炭素ビジョンを定め、「店舗」「商品・物流」「お客さまとともに」という3つの視点で温室効果ガス削減に取り組み、脱炭素社会の実現に貢献しています。

 

店舗で使用する電力に関しては、2030年までに50%を再生可能エネルギーに切り替えるという目標を設定。

そのために、以下の取り組みを進めていく予定です。

・屋上などへの太陽光発電システムや PPA モデル の導入拡大

・卒FIT電力の買い取り強化

・各地域での再エネ直接契約

 

また、サプライチェーン全体で脱炭素社会を実現するために、スコープ3 排出量の管理・削減にむけた取り組みを、2021年7月から本格始動しています。

具体的には、製造委託先へのアンケート実施から始め、いずれはサプライチェーン全体で発生する温室効果ガスの産出、削減計画の策定などを行うとのこと。

脱炭素推進に向けた企業間連携にもつなげていく予定です。

 

さらに、イオンは1991年から、「イオン ふるさとの森づくり」というプロジェクトを実施しています。

この取り組みは、地域のお客さまとともに、新店の敷地内に地域の環境に合わせた樹木を植樹するものです。

他にもさまざまな植樹活動を行っており、2021年2月までの植樹本数は、なんと1,222万6,872本。

30年にわたって、環境・社会活動に幅広く取り組んでいます。

 

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サプライチェーンの脱炭素化は必須

 

冒頭で、大手企業はサプライチェーンと共に脱炭素に取り組むことが求められている、とお伝えしました。

それゆえに、大手企業からサプライチェーンへ脱炭素化の要望が相次いている訳ですが、要望があってから取り組むのでは、提示された目標を達成するまでに時間を要します。

 

これからの社会では、脱炭素に向けて能動的に動ける中小企業が、サプライヤーとして選ばれる傾向になると予想されます。

脱炭素社会への貢献度が、サプライヤー間の新たな競争になり得るのです。

 

また、サプライヤーである中小企業が脱炭素経営に取り組むメリットもたくさんあります。

こちらの記事にて紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

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まとめ

 

どのような事業活動にも、CO2排出問題は伴います。

だからこそ、「企業はすべからく脱炭素に取り組むべき」なのです。

リーダー企業・サプライヤー関係なく、取り組みを加速させなければなりません。

 

しかしコスト面や技術面が、サプライチェーンの脱炭素化のボトルネックとなっており、取り組むにあたって大きな負担となっています。

大手企業は、サプライチェーン全体に対し、現状を考慮した目標設定や支援を行うなどの、協力関係を築くことが大切です。

 

サプライヤーの経営層は、脱炭素を経営課題と捉えられるか否かで、企業の存続に関わってきます。

「何も行動を起こさない=脱炭素に取り組まない」ことは、大手サプライチェーンの輪から外されてしまう恐れがある、ということを理解せねばなりません。

 

 

ちなみに今回紹介した3社は、実はブランド総合研究所が調査・発表した「SDGsへの取り組みの評価が高い企業ランキング」のTOP5に入っている企業です。

 

積極的かつ具体的な脱炭素経営を行っている企業は、SDGsも本格的に取り組み、持続可能な社会に貢献していることが分かりますね。

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