カーボンニュートラル、ネットゼロ、ゼロエミッションといった言葉を耳にする機会が増えていますが、これらはすべて異なる意味を持っています。
中小企業が環境への貢献活動を進めるにあたり、各用語の違いを理解することは、自社に適した目標設定と実効的な取り組みを行ううえで重要です。
本記事では、それぞれの概念をわかりやすく解説し、中小企業が環境問題解決への具体的なアクションをご紹介します。
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この3つの特徴とは?
カーボンニュートラル
カーボンニュートラルとは、企業や個人が排出する温室効果ガスを、同量の温室効果ガスを吸収または削減することで相殺し、実質的な排出量をゼロにする状態を指します。
この取り組みは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を抑制し、気候変動に対処するために不可欠です。
日本政府は、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを宣言しており、企業の取り組みを後押ししています。
ネットゼロ
ネットゼロは、企業が自らの温室効果ガス排出量を実質的にゼロにすることを目指す概念です。
これは、排出量を可能な限り削減し、残りの排出量をカーボンオフセットや炭素除去技術を通じて相殺することを意味します。
ネットゼロは、カーボンニュートラルよりも一歩進んだ概念であり、より包括的なアプローチを必要とします。
ゼロエミッション
ゼロエミッションは、生産活動から生じる廃棄物や排出物を完全にゼロにすることを目指す考え方です。
この概念は、単に温室効果ガスの排出だけでなく、あらゆる種類の廃棄物や環境負荷を対象としています。
3つの具体的な違い
これら3つの概念は、環境への取り組みを示す重要な指標ですが、それぞれに違いがあります。
以下の表で比較してみましょう:
対象名 | 主な焦点 | 対象範囲 | 達成方法 |
---|---|---|---|
カーボンニュートラル | CO2排出と吸収のバランス | 主に温室効果ガス | 排出削減と吸収・オフセット |
ネットゼロ | 全体的な温室効果ガス排出量をゼロに | すべての温室効果ガス | 徹底的な排出削減と残余排出のオフセット |
ゼロエミッション | あらゆる排出物・廃棄物の削減 | 温室効果ガス、廃棄物、その他の環境負荷 | 循環型システムの構築、廃棄物ゼロ化 |
カーボンニュートラルは、企業が排出するCO2を再生可能エネルギーや植林で吸収・相殺し、排出と吸収のバランスを取ることを指します。
それに対してネットゼロは、すべての温室効果ガスの排出をゼロにする目標で、より広範囲の削減とオフセットが求められるという違いがあるのですが、日本ではカーボンニュートラルとネットゼロが同義で使われることが多いです。
そしてゼロエミッションに関しては、温室効果ガスだけでなく全ての排出物や廃棄物削減を目指しており、リサイクルやリユースが重要となるため、より幅広い対策が必要となります。
企業はこれらの違いを理解し、適切な目標を設定することが重要となってきます。
環境問題解決への中小企業が取れる具体的なアクションとは
では、中小企業がカーボンニュートラルなどの達成に貢献するにはどうしたらいいでしょうか?
ここでは、中小企業が取れる具体的なアクションを紹介します。
➊ 現状把握と目標設定
まずは、自社のエネルギー使用量や温室効果ガス排出量を把握し、短期・中期・長期での削減目標を設定します。
➋ 省エネルギーの推進
照明をLEDに交換したり、高効率な機器を導入することで省エネを進めます。
空調設備の調整や従業員の省エネ意識向上も効果的です。
➌ 再生可能エネルギーの導入
太陽光発電システムの設置やグリーン電力証書の購入、再生可能エネルギー由来の電力プランへの切り替えが脱炭素化に貢献します。
➍ サプライチェーンの最適化
取引先と協力して排出削減を図るとともに、低炭素な製品やサービスの優先的な調達も重要です。
➎ イノベーションの推進
環境配慮型の製品やサービスの開発、そして生産プロセスの効率化を通じて、環境への負荷を減らすことができます。
➏ カーボンオフセットの活用
削減が難しい排出量に対しては、オフセットクレジットの購入や森林保全プロジェクトへの参加を検討します。
➐ 情報開示と認証取得
環境報告書を作成・公開し、ISO 14001などの環境マネジメントシステム認証を取得することで、社会に対する脱炭素への取り組みをアピールできます。
これらのステップを着実に進めることで、中小企業も脱炭素経営の実現に向けて前進できるでしょう。
まとめ
環境問題への貢献は、中小企業にとって持続可能な経営の鍵となります。
カーボンニュートラル、ネットゼロ、ゼロエミッションの概念を理解し、具体的な取り組みを進めることで、企業の成長と環境保護の両立を実現することができます。
日本政府の2050年カーボンニュートラル目標達成に向けて、中小企業の役割はますます重要になっています。
本記事で紹介したアクションを活用し、自社の事業特性に合わせた環境戦略を推進することが、今後の企業価値向上に繋がっていくことになるでしょう。
【参考サイト】
・脱炭素ポータル┃カーボンニュートラルとは
・内閣官房┃2050年ネットゼロ実現に向けた国内・国際動向
・国連大学┃ゼロエミッションの提唱と発展 など
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