2024年10月4日

温室効果ガス(GHG)とは?種類と影響を理解して中小企業の脱炭素経営に活用しよう

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温室効果ガス(GHG)とは?種類と影響を理解して中小企業の脱炭素経営に活用しよう

環境問題への関心が高まる中で、温室効果ガス(GHG)の理解が重要です。

特に中小企業が脱炭素経営を進めるためには、GHGに関する基礎知識が欠かせません。

この記事では、温室効果ガスの定義や種類、その影響、さらに削減方法について詳しく解説します。


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温室効果ガス(GHG)とは?

温室効果ガス(GHG)とは、地球の大気中に存在し、地球温暖化を引き起こすガスのことを指します。

GHGは、太陽からのエネルギーを吸収し、再放出することで地球の温度を維持しますが、過剰な排出が問題となっています。

温暖化のメカニズムを理解することは、効果的な対策を考える上で不可欠です。

温室効果のメカニズム

地球は、温室効果ガスによる温室効果によって、平均気温を約15度に保っています。

【温室効果のメカニズム】

  1. 太陽からのエネルギー(短波放射)が地球に到達
  2. 地表で吸収された放射エネルギーが熱に変換
  3. 地表から赤外線(長波放射)として熱が放出
  4. 大気中の温室効果ガスが赤外線を吸収・再放射
  5. 再放射された赤外線が地表を再加熱
温室効果ガスのメカニズム

引用元:環境省┃温室効果のメカニズム

しかし、近年の人間活動、特に化石燃料の燃焼や森林破壊により、温室効果ガスの排出量が急増しており、過剰な温室効果によって地球全体の気温を上昇させています。

温室効果ガスの種類

温室効果ガスには沢山の種類があり、ガスによって温室効果が異なります。

そのうちの代表的な温室効果ガスを紹介します。

温室効果ガス 主な排出源 GWP
(地球温暖化係数)
二酸化炭素(CO2) 化石燃料の燃焼、森林伐採 1
メタン(CH4) 農業(家畜の消化過程)、廃棄物処理 25
亜酸化窒素(N2O) 農業(肥料使用)、工業プロセス 298
フロン類(HFCs、PFCs) 冷媒、エアコン 数百~数万
六フッ化硫黄(SF6) 電気絶縁ガス、半導体製造 22,800

※本表のGWP値は、IPCC第4次報告書(京都議定書第二約束期間)における数値です
※参考元:気象庁丨IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書 技術要約覧

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温室効果ガスがもたらす影響

温室効果ガスの増加によって、近年の世界平均気温は、産業革命前と比較して1℃以上上昇したとの結果がでています。

この急激な気温上昇は、自然環境だけでなく、人間社会や経済活動にも深刻な打撃を与えています。

1. 気温上昇と異常気象

  • 熱波や猛暑日の増加
  • 豪雨や洪水の頻発
  • 干ばつの長期化
  • 台風やハリケーンの強大化

これらの異常気象は、人命を脅かすだけでなく、農業や漁業などの第一次産業に大きな打撃を与え、食料安全保障にも影響を及ぼしています。

2. 海面上昇と沿岸域への影響

  • 沿岸低地や小島嶼国の浸水リスク増大
  • 沿岸生態系(マングローブ林、サンゴ礁など)の破壊
  • 沿岸部のインフラや居住地への被害

特に人口密集地域が多い沿岸部において、深刻な経済的・社会的影響をもたらす可能性があります。

3. 生態系への影響

  • 生物種の分布域の変化や絶滅リスクの増大
  • 生態系サービス(水質浄化、花粉媒介など)の低下
  • 森林火災の増加と規模の拡大
  • 海洋酸性化による海洋生態系への悪影響

これらの変化は、生物多様性の喪失につながるだけでなく、人間社会が依存する生態系サービスにも影響を及ぼしています。

4. 人間の健康への影響

  • 気温上昇による熱中症リスクの増大
  • 感染症の分布域拡大(マラリアやデング熱など)
  • 大気汚染の悪化による呼吸器疾患の増加
  • 食料・水不足による栄養状態の悪化

特に、高齢者や子供、既往症のある人々など、脆弱な層への影響が懸念されています。

5. 経済的影響

  • 異常気象による農作物の収量減少や品質低下
  • インフラの損壊による経済損失
  • サプライチェーンの寸断
  • 保険コストの増大

世界気象機関(WMO)の報告によると、過去50年間で気象災害の経済的損失は4兆3000億ドル、日本円にすると600兆円以上に達しています。

6. 社会的影響

  • 気候難民の増加
  • 水・食料をめぐる紛争リスクの増大
  • 沿岸部からの人口移動
  • 社会インフラへの負荷増大

これらの影響は、特に脆弱な地域や社会層に集中する傾向があり、社会的不平等を助長する可能性があります。

以上のように、温室効果ガスの増加がもたらす影響は多岐にわたり、その深刻さは年々増しています。

これらの影響を軽減するためには、国際社会が協力して温室効果ガスの排出削減に取り組むとともに、既に起こっている影響への適応策を講じることが急務となっています。

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中小企業ができるGHG削減のための具体策とは?は

では、中小企業は温室効果ガスの排出削減に対して、どのような取り組みを行えばいいのでしょうか?

ここでは、中小企業が取り組みやすい温室効果ガス削減のための5つの具体的なアプローチを紹介します。

1. エネルギー効率の改善

  • LED照明への切り替え
  • 高効率空調設備の導入
  • 断熱性能の向上(窓ガラスの二重化、断熱材の使用)

これらの施策により、電力消費量を削減し、光熱費の節約にもつながります。

2. 再生可能エネルギーの活用

  • 太陽光パネルの設置(可能な場合)
  • 再生可能エネルギー由来の電力プランへの切り替え
  • グリーン電力証書の購入

再生可能エネルギーの活用は、直接的なCO2排出量の削減につながります。

3. 省エネ行動の推進

  • クールビズ・ウォームビズの実施
  • 不要な照明・機器の電源オフの徹底
  • ペーパーレス化の推進

従業員の意識向上と日常的な省エネ行動により、継続的な削減効果が期待できます。

4. 輸送・物流の効率化

  • 配送ルートの最適化
  • エコドライブの推進
  • テレワークやオンライン会議の活用による移動の削減

輸送に伴う排出量を削減し、燃料費の節約にもつながります。

5. グリーン調達の推進

  • 環境負荷の低い原材料や製品の優先的な調達
  • サプライヤーの環境対策状況の確認
  • 地域内での調達による輸送距離の短縮

サプライチェーン全体での排出量削減に貢献します。

これらのアプローチは、初期投資が比較的小さく、中小企業でも取り組みやすいものです。

また、多くの場合、コスト削減効果も期待できます。企業の規模や業種に応じて、適切なアプローチを選択し、段階的に実施していくことが重要です。

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まとめ

温室効果ガスの理解と削減は、脱炭素経営を進めるための重要なステップです。

中小企業はGHG削減に取り組むことで、持続可能な経営を実現し、環境問題に貢献することができます。

まずは自社の排出量を把握し、具体的な対策を講じて、温室効果ガス削減に向けた取り組みを始めましょう。

【参考サイト】
環境省┃温室効果ガスインベントリの概要
NASA┃Global Temperature(英語)
WMO┃気象災害の経済的コストは急増するが、早期警報が命を救う (英語)   など

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