昨今、環境問題が企業の経営において重要なテーマとなりつつありますが、その中でもGX(グリーン・トランスフォーメーション)は、持続可能な未来を目指すために不可欠な取り組みとなっています。
特に中小企業にとっては、脱炭素経営を進めることで、コスト削減や企業価値の向上といった大きなメリットが期待できます。
本記事では、GXの概要や導入するメリット、具体的な対策方法をわかりやすく解説します。
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GXとは
GX(グリーン・トランスフォーメーション)は、企業が持続可能な未来を目指して、ビジネスモデルやエネルギーの使用方法を見直し、環境負荷を減らす取り組みです。
再生可能エネルギーの導入、エネルギー効率の改善、循環型経済の促進など、様々な取り組みが含まれます。
GXは、単なる環境対策にとどまらず、経済成長と環境保護の両立を目指す企業戦略です。
中小企業にとっても、コスト削減や企業イメージの向上のチャンスとなり、今や不可欠な要素となっています。
GXが求められる背景
地球温暖化による異常気象や自然災害が世界各地で頻発しており、2023年7月には、世界の平均気温が観測史上最高の17℃を記録するなど、温暖化の影響は深刻となってきています。
このため、国際社会はパリ協定を通じてカーボンニュートラルを目標として掲げました。
カーボンニュートラルとは、社会活動などで発生させている温室効果ガスの排出量を、同等以上の削減や吸収措置によって相殺し、実質的にゼロにするという考え方です。
日本でも、「2050年カーボンニュートラル」が宣言され、企業には目標達成のために温室効果ガスの削減が求められています。
そのため、企業は持続可能な経営の実現を目指して、GXに取り組む必要性が高まっています。
日本政府のGXへの取り組み
日本政府は、カーボンニュートラルを達成するために、GX(グリーントランスフォーメーション)を推進しています。
その中で重要な役割を果たすのが「GX実行会議」と「GXリーグ」です。
GX実行会議
GX実行会議は、日本政府がGX実現に向けた基本方針を策定するための重要な場です。
2022年7月から開催され、エネルギー安定供給の再構築や成長志向型カーボンプライシングの導入など、具体的な施策について議論が行われています。
この会議では、以下のようなテーマが取り上げられています。
- エネルギー安定供給:再生可能エネルギーや原子力の活用を通じて、エネルギー自給率の向上を図る
- GX経済移行債:トランジションボンドの発行を通じて、GX推進のための資金調達を行う
- カーボンプライシング:炭素排出に価格を付けることで、企業の排出削減努力を促進する
これらの施策は、経済成長と環境保護を両立させるためのものであり、日本が国際的な競争力を維持しつつ、持続可能な社会を実現することを目指しています。
GXリーグ
GXリーグは、経済産業省が中心となって設立された、企業や行政、学術機関などが協働してGXを推進するための枠組みです。
このリーグは、2050年カーボンニュートラル達成に向けた取り組みを経済社会システム全体の変革につなげ、新たな市場を創出するための議論と実践の場として機能しています。
GXリーグの活動内容
- 未来社会像対話:2050年以降のカーボンニュートラル社会像を描き、それに基づく市場やビジネスモデルを検討
- 市場ルール形成:新たに創出される市場やビジネスに必要なルールを形成し、官民で協力してその実現を目指す
- 自主的な排出量取引:企業間で排出量取引を行い、自主的に高い排出削減目標を設定し達成する
2023年4月から本格稼働し、多くの企業が参加しています。
GXリーグへの参加は、企業が脱炭素化に積極的であることを示すだけでなく、新たなビジネスチャンスへのアクセスや政策形成への影響力強化など、多くのメリットがあります。
このように、日本政府は官民一体となって持続可能な社会への移行を加速させており、GX実行会議とGXリーグは、その中核として重要な役割を果たしています。
GXに取り組むメリットは?
グリーントランスフォーメーション(GX)への取り組みは、環境に対する責任を果たすだけでなく、企業にとっても多くのメリットがあります。
特に中小企業においては、GXを通じてコスト削減や競争力の向上などができるため、積極的に導入することをおすすめします。
GXの具体的なメリット
1. コスト削減
GXによって、再生可能エネルギーや省エネ技術を導入することで、光熱費や燃料費などを大幅に削減できます。
例えば、太陽光発電設備を設置することで、自社で電力を生産し、電力会社からの購入コストを削減することが可能です。
また、余剰電力の売却も可能であり、さらなる収益源となります。
2. ブランドイメージの向上
環境に配慮した企業活動は、消費者や投資家からの評価を高めます。GXに取り組むことで、企業イメージが向上し、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資家からの注目を集めることができます。
また、GXリーグへの参加などを通じて、国際的にもカーボンニュートラルに積極的な企業として認知されることが可能です
3. 法規制への対応とリスク軽減
環境に関する規制は年々厳しくなっています。
GXに早期から取り組むことで、将来的な法規制に対応しやすくなり、違反のリスクを回避しやすくなります。
また、環境規制への対応が不十分だと、取引先や顧客からの信頼を失うリスクもあるため、GXはリスク管理の一環としても重要です。
4. 新しいビジネスチャンスの創出
GXに取り組むことで、持続可能な製品やサービスに対する需要の高まりに応えることができます。
例えば、再生可能エネルギーやエコロジカルな商品を取り扱うことで、新たな顧客層を獲得するチャンスが広がります。
また、GXを推進する技術やサービスは、今後さらに成長する市場であり、先んじて取り組むことが事業拡大につながります。
5. 従業員のモチベーション向上と人材獲得
持続可能な社会への貢献という明確な目標は、社員のモチベーションを高めます。
また、環境問題に対する積極的な姿勢は、優秀な人材の獲得にもつながります。
特に若い世代は環境意識が高く、そのような企業文化を持つ会社で働くことを望む傾向があります。
このように、GXへの取り組みは単なる環境対策ではなく、経済的な利益や競争力強化にも直結する重要な戦略です。企業はこれらのメリットを最大限活用しながら、持続可能な社会づくりに貢献していくことが求められています。
中小企業でもできる具体的なGX施策
中小企業でも環境に配慮しながら業務効率を向上させるために、GX(グリーントランスフォーメーション)を推進することが可能です。
以下は、中小企業が実施できる具体的なGX施策です。
エネルギー効率の向上
エネルギーの使用効率を高めることは、GXの基本です。中小企業でも、以下の方法で取り組めます。
- LED照明の導入: オフィスや施設内の照明をLEDに変更することで、電力消費を大幅に削減できます
- 省エネ機器の導入: オフィス機器や工場設備を省エネルギー型のものに切り替えることで、コスト削減と環境負荷軽減を同時に実現できます
電巧社でも、脱炭素経営サポート商品として省エネ機器を取り扱っております。
詳細は下記記事にてご確認ください。
再生可能エネルギーの導入
電力をグリーンエネルギーに変えることで、CO2排出を減らすことができます。
- 屋上に太陽光パネルを設置: 自社のエネルギーを部分的にでも太陽光でまかなうことが可能です
- 再生可能エネルギーを使用する電力プランへの切り替え: 地域の電力会社が提供しているグリーン電力プランに変更することができます
弊社では、超薄型・超軽量太陽光フレキシブルモジュール「フレキシブルソーラーG+」を取り扱っております。
商品詳細は、下記記事からご確認いただけますので、気になった方はぜひご覧ください。
ペーパーレス化の推進
書類のデジタル化は、コスト削減と環境への貢献に直結します。
- クラウドベースのソフトウェアを導入: 書類やデータをクラウドに保存することで、ペーパーレス化が進み、業務の効率化も図れます
- 電子契約の導入: 契約書の電子化により、紙の使用を削減しつつ、業務の迅速化を実現できます
物流の効率化
輸送や配送に伴うCO2排出を減らすために、物流を見直すことも重要です。
- 配送ルートの最適化: AIやデータ分析を活用して、効率的なルートを設定することで、燃料消費を削減します
- 共同配送の利用: 他の企業と共同で配送を行うことで、トラックの空車率を減らし、環境負荷を低減できます
従業員への環境意識の向上
GXを持続的に行うためには、従業員の協力が不可欠です。
- 社内教育プログラムの実施: 環境に配慮した行動を促進するための教育や研修を実施することで、組織全体の環境意識を向上させます
- リモートワークの導入: 可能な限りリモートワークを導入することで、通勤に伴うエネルギー消費やCO2排出を削減します
中小企業でも、このような具体的なGX施策を通じて、環境負荷を減らしながら事業の持続可能性を高めることができます。
GX導入のために補助金を活用
中小企業がGX施策を進めるにあたり、課題となってくるのが導入費用です。
特に再生可能エネルギーなど、初期投資が大きいものは導入が見送られてしまうケースが多くなっています。
そこで活用したいのが、補助金です。
日本政府や各自治体では、GX関連の省エネ設備や再生可能エネルギー利用に対して多くの支援制度が用意されており、これらを活用することで、初期投資を抑えつつGXを導入できます。
様々な補助金がありますので、事業や導入設備に合ったものを検索して導入を検討しましょう。
検索サイトなどの詳しい情報は過去記事「補助金の探し方は?助成金との違いは?今さら聞けない補助金のこと教えます」でご確認ください。
まとめ
GXは、環境保護と企業の持続的な成長を両立させるために、今や中小企業にとっても必要不可欠な取り組みです。
エネルギーコストの削減やブランド価値の向上といったビジネス上のメリットに加え、将来的な競争力の強化にもつながります。
政府の支援を活用しつつ、省エネ対策や再生可能エネルギーの導入など自社に合ったGXに取り組んでいきましょう。
【参考サイト】
・経済産業省 METI Journal ONLINE┃知っておきたい経済の基礎知識~GXって何?
・内閣官房┃GX実行会議
・GXリーグ など
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