私たちが何気なく使っている電気は、実は送電の過程でその一部が失われていることをご存知でしょうか?
この“目に見えないエネルギーのムダ”は「送電ロス」と呼ばれ、企業の電力コストや環境負荷にも少なからず影響を及ぼしています。
本記事では、送電ロスの仕組みや発生要因をわかりやすく解説するとともに、企業が取り組める具体的な対策や、ロス削減によるメリットについて紹介します。
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送電ロスとは?

送電ロス(送電損失)とは、発電所から消費地へ電気を届ける途中や、施設内で電力を分配・使用する過程で失われる電力のことを指します。
このロスの主な原因は、電線に流れる電流が生み出す「ジュール熱」です。
電線にはわずかでも抵抗があり、そこに電流が流れることで熱が発生し、電力の一部が失われてしまいます。
電力会社における送電ロス
電力会社は、発電所から遠く離れた地域まで大量の電気を送るため、長距離・高電圧の送電インフラを運用しています。
この過程では以下のような要因で送電ロスが発生します。
- 送電距離が長い場合
- 電圧が下がり、電流が増えてしまう場合
- 老朽化した送電設備や変圧器の効率低下
そのため電力会社では、超高圧送電の活用や設備の定期更新などを通じて、ロスの抑制に取り組んでいます。
一般企業における送電ロス
一方、企業の施設内でも、受電した電気を分電・配電する過程でロスは発生します。
こちらもジュール熱が主な原因であり、建物内の送配電経路や機器の使い方が影響します。
例えば、
- 分電盤や配線の劣化・設計不備
- 電力使用のピークが偏っている
- 非効率な機器の運用やエネルギー管理の欠如
といったケースでは、見えない電力のムダが生じやすくなります
送電ロスを削減するメリット
送電ロスの削減は、単に電力会社やインフラ側の課題にとどまらず、企業にとってもさまざまなメリットがあります。
特に電力使用量の多い事業所や工場では、ロスを抑えることがコスト削減や企業価値の向上につながります。
1. 電気料金の削減につながる
送電ロスによって失われる電力も、最終的には企業が負担する電気料金の一部となっています。
社内の送配電効率を高めることで、見えない電力のムダを減らし、エネルギーコストの削減が期待できます。
2. 脱炭素・省エネの推進
送電ロスを減らすことは、発電時に生じるCO₂排出量の削減にも直結します。
再生可能エネルギーの活用や効率的な電力運用とあわせて進めることで、企業の脱炭素経営や省エネ活動をより効果的に推進できます。
3. 電力の安定供給に貢献
送電ロスを最小限に抑えることは、社内設備における電圧変動や負荷バランスの安定化にもつながります。
これは機器の長寿命化やトラブル防止にも寄与し、業務継続性の面でもメリットがあります。
送電ロスを減らすために企業ができること
企業単位で送電ロスを削減したい場合は、以下のような対策を行う必要があります。
送配電設備の見直し・更新
古い電源ケーブルや分電盤、配線経路などは、電気抵抗が大きくなり、ロスが増加する原因になります。
高効率な設備への更新や、適切な保守によって無駄な損失を減らせます。
電力の見える化と最適制御
電気の使用状況をリアルタイムで把握できる「見える化」ツールを導入することで、エネルギーのムダ使いを特定できます。
データをもとに空調や照明、機器の稼働を最適化することで、ロスの低減につながります。
必要な場所での電力制御・負荷分散
施設内の使用電力を時間帯や部門ごとに分けて制御することで、ピーク時の電力負荷を抑え、結果的にロスを軽減できます。
これはデマンド監視とも関連する取り組みです。
ロス削減に特化した機器の導入
社内の送電効率を高める製品やシステムを導入することで、機器間の無駄な電力損失を抑えることができます。
特に、エネルギー管理機能を持つシステムは、効率的な配電を支援します。
まとめ
送電ロスは、見落とされがちですが確実に存在する“電力のムダ”です。
企業がその存在を意識し、対策を講じることによって、コスト削減や脱炭素の実現、電力の安定供給といった多くのメリットが得られます。
特に近年では、設備の見直しやエネルギーの見える化など、現場レベルでできる取り組みも広がってきています。
送電ロスへの対応は、持続可能な経営や省エネ推進の第一歩とも言えるでしょう。
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