2023年6月2日

環境ISO 電巧社の20年間の取り組み

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電巧社の環境ISO 20年間の取り組みについて紹介させていただきます。

<環境ISOに取り組むきっかけ>

地球の未来を明るくするために、環境保護の意識が高まり、無駄を削減する努力が求められるようになってから、ずいぶん経ったように感じます。
しかし今では当たり前の活動も、実際の始まりはそれほど古くないことをご存じでしょうか。
環境ISO(ISO14001)がにわかに注目を浴びるようになったのは、今からほんの20数年前なのです。
「もったいない」という言葉がはやり始め、また、地球温暖化が環境破壊を引き起こすことが広く認識されるようになったことで、環境ISOへの関心が世界的に高まったのです。
そして、お客様からも環境への取り組みが求められるようになりました。
大手企業との取引や公共施設の入札の前提条件として、環境ISOの認証取得が要求されるようになったのです。
当初、メーカーも営む私たち電巧社では、まずは品質マネジメントシステム(ISO9001)を取得すべきとの意見もありましたが、諸々の取引への影響を考慮した結果、環境ISOの認証取得を最優先とすることを決めました。
このような背景から、私たち電巧社は初めての全社的なプロジェクトとして、「環境ISOの認証取得」のキックオフを社長が宣言致しました。2003年1月のことでした。

<全社での取り組み>

まず初めに取り組んだことは、社内各所の節電でした。
全ての蛍光灯一つひとつに、ひもで電灯を消せるキャノピースイッチを取り付けました。
人が不在で使っていない電灯を消すためです。次がゴミの減量とコピー用紙の削減です。
いわゆる「紙・ゴミ・電気」を、全社員で徹底して取り組むことにしたのです。
そして、これらを着実に実行するために、環境方針やその目的を理解するためのカードを全員に配ったり、環境教育の受講者が一目でわかるように、受講後の社員証ストラップをグリーンにするなどの仕組みを取り入れました。

しかしルールの浸透は思うようには進みませんでした。規程や細則、手順を徹底するために、“本気(マジ)キレイ宣言”と称するミニポスターを、確実に目につく便器前に貼りだすなどの工夫をしました。
これは社員がルールを徹底できないことにISO事務局が“マジキレ”したことを表したネーミングで、当時の苦労を感じさせます。

ISO事務局は、排出した廃棄物が正しく処分されていることを目視確認するために、東京だけでなく仙台や新潟の処分場にも足を運ぶなど、認証取得に向けて徹底的に取り組みました。
そして、約1年間の全社員の取り組みと数回に亘る審査の結果、ついに環境ISOの認証取得を果たしました。
忘れもしない2003年12月24日のクリスマス・イヴのことでした。
判定委員会からの電話でそのことを告げられた瞬間に、社内は大きな歓声と拍手が沸き起こり、この日のために社長が用意していた何本ものシャンパンで乾杯して、喜びを分かち合ったことが思い出されます。

〈商社としての取り組み〉

はじめは紙ゴミ電気の削減だけを中心とする環境活動でしたが、そもそも減らせるのはもともと無駄であった部分だけです。
商売を一生懸命行うと紙もゴミも電気も必然的に増えてしまうという問題にぶつかるまで、それほど時間は掛かりませんでした。
ではどうするべきなのか。この疑問が電巧社を本当の環境ISO活動に導いてくれました。
商社が目的に掲げた取り組みは、環境配慮型商品の販売促進でした。
更新需要が中心のビジネスにおいて、環境負荷がより低い商品を売っていくことで地球環境の改善に貢献しようという考えです。
環境に与える有益な影響を自己評価して目標値を定め、PDCAを意識して施策を回し、販売促進に努めました。
この取り組みは、省エネ・コンサルティングや補助金申請代行など、他社の環境活動の支援にもなり、後に省エネ・創エネ・畜エネビジネスの受け皿である環境ソリューション部の設立へと繋がっていきました。

〈メーカーの取り組み〉

メーカーである芝浦工場が目的としたことは、工数の削減で、なかでも主眼に置いたことは後戻り作業の削減でした。
モノづくりには必ず人が関わり、人が作業すればするほど、紙もゴミも電気も増えてしまいます。
整然とした正しいモノづくりを追及し、本来は無駄である後戻り作業で発生する材料や労力、
それに伴う経費のロスなどを減らせば。それで環境貢献です。
これは環境負荷だけでなく、経営にとって重要なコスト削減や、製品競争力向上にもつながるため、
工場の大切な目標となりました。
それと併せて、行われたのが設計の合理化(デジタル化)でした。
当時、芝浦工場で使われていたコピー費用は毎月100万円にものぼり、ペーパーレス化の推進は環境にも経営にも大きな効果をもたらすものでした。
そこで3D-CADが導入され、図面などを紙への出力をせずにデータで協力会社に送ることに成功しました。
2018年からはSI事業部の協力を得て導入したロボット・システムが配線回路の自動作成を実現し、図面枚数の更なる削減を実現しました。今では、コピー費用は当時の1/20以下を実現するなど、隔世の感があります。

<20年の取り組みを通して>

思えば一番初めの環境活動は、LED電球の購入一つとってみても、お金が掛かる贅沢な活動でした。
環境活動と経営活動が本当に両立するものなのか、悩む時期が続きました。
しかし2011年の東日本大震災を機に省エネ商品が一気に普及し、世の中は環境に優しい方向に加速度的に進みました。
電巧社が取り扱う省エネ商品も、LED照明や空調機器、省エネ型のドライブシステムなど幅広い分野に広がりました、今では脱炭素という合言葉のもと、再生可能電力などの創エネや蓄エネのビジネスが加わり、一層の広がりを見せています。
もともとビル用電気設備を幅広く扱う電巧社は、照明だけのような単一商材のみを扱う電気商社よりも、エンドユーザーに対して、幅の広い省エネ提案ができるようになりました。
環境配慮型商品の拡販をISO活動の中心に置いたことで得られた新しい武器と言えるでしょう。
このように私たちの環境ISOの取り組みは、20年かけて大きく進化してきました。
自社だけの取り組みとしてスタートした活動が、次第に他社や社会に貢献する活動へとシフトする歴史を経験してきました。 

2015年のISO14001規格改定では、環境のみならず経営活動との密接な関係づくりが要求されています。
当社の環境マネジメントシステムも規格改定を受け入れたものにアップデイトしており、今後も更なる進化を続けますが、環境活動と経営活動が同じ方向を向いていることは、すでに確信に変わっています。

環境ISO認証取得20年を迎え、さながら無意識に呼吸をするがごとく、環境への取り組みを自然に実践することが次なる目標です。
社員ひとり一人がより一層、環境への意識を高め、さらなる改善を続けていきましょう。

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