詠人不知

皆勤賞ってご存知ですか?

一年間に亘り、1日の有給休暇も取得せず出勤することによって会社からいただけたアワードのことです。

私が受賞した昭和61年(1986年)頃は、休まずに働く社員を「いい社員」として称賛しました。ですから、それに応えるよう、私も自ら狙ってこのアワードを獲りに励みました。皆勤賞は他の賞と異なり、唯一会社からの評価に関係なく、自分自身の努力の結果でいただけるアワードでしたので。

有休休暇5日間の取得義務のある今となっては、嘘のようなアワードです。この35年間で、休暇に対する考え方は大きく変わりました。「休まない」から「休め」へ、180度の転換です。 
この表彰状をあらためて読み返すと表彰理由が2つ記されています。「あなたの日頃の節制」と「ご家族の協力」です。 
さて、この皆勤賞を「皆勤」を「活躍」に。そして「節制」ではなく「健康」に書き換えてみました。「家族の協力」は「家族も同じように健康に取り組む」ことと明確にしてみます。

「あなたがこの一年間を通じ活躍されたことは ご自身とご家族の健康への取り組みを基盤とした成果であり誠にうれしく思います」
 健康を軸に据えてみると、当時の休暇の考え方は180度の転換をしましたが、働き方の考え方にはブレがないことに改めて気づかされます。 
最近、自分自身の健康はもちろんのこと、家族の健康も同じくらい大切だと痛感しています。家族が健康でないと思う存分に仕事をすることが出来ません。自分だけでなく、家族も健康に取り組むことが必要だと思います。家族も含めて健康だからこそ活躍ができると思うのです。

 お互いに、しっかりと健康に取り組んで活躍しましょう!

【いただいた皆勤賞】

『電巧社Way実践プロジェクト』の紹介

営業本部、芝浦工場、管理本部で6つのグループが『電巧社Way実践プロジェクト』という活動をおこなっています。取組みの難しさもあり意識や活動がやや停滞気味であります。皆さんの応援を頂きたく一端を紹介いたします。

『電巧社Way実践プロジェクト』とは、どんなことで私たちの働きがいが高まるか、
グループごとに話し合い実践してみようという活動です。

営業本部では月1で商店街のゴミ拾いをおこない、
日ごろ感じることの少ない地域社会との接点づくりを目論んでいます。
工場では生産した配電盤の納入先を写真やコメントで掲示、日々の仕事が
社会インフラにどのように関わっているか見知れるように準備しています。
昼食前の5分間をワイガヤタイムとし、職場内のコミュニケーション促進を
目指す活動もおこなわれています。

こうしたグループごとの取組を皆さんに応援いただけるように、
ポータルサイトから確認できる仕組みを準備しており、間もなく整います。
上手くいっていること、頓挫してしまうこと、経過は様々になりましょうが、
私はPDCAを回しながら継続することで、どんなことで働きがいが高まるのか、
電巧社らしさを磨くってどんなことか、様々な気づきがあるように思います。
応援を宜しくお願いします。

3つの幸福

今年、私は月2回のペースで経営理念伝承会を行っています。
東京については7月で完了し、あとは支店営業所を残すのみとなる予定です。
私は経営理念の「全社員が人生の成功者になる」という考えのなか、成功の基本要素として「健康」「絆」「幸福」の3つを挙げていますが、説明するたびに、この考え方がしっくりと感じ、自信を深めてきました。


実は、つい最近「精神科医が見つけた3つの幸福」という面白い本が出版されました。
海外旅行をすれば誰でも感じるように、日本ほど恵まれた国はなかなかありません。
にもかかわらず2020年、日本人の幸福度世界ランキングは153か国中62位と、先進国の中でも最低です。そんななか、幸せになるための実践的なガイドブックとして、この本は出版されました。

冒頭でいきなり「幸せになりたいですか?」と聞いてくるのですが、「そもそも幸せとは何か?」という目的地を定めないで、そこに到達することはありませんと言い切るところからこの本は始まります。
著者は精神科医師です。
幸せを感じるときに脳内で起こる化学反応に注目し、幸福ホルモンと呼ばれるドーパミン、セロトニン、オキシトシンの3つが分泌させる条件づくりこそが幸せになる方法だと定義しています。

ここからが面白いところなのですが、セロトニン的幸福を一言で表すと「心と体の健康」で、オキシトシン的幸福は「繋がりと愛」。すなわち人間関係・友情・コミュニティへの所属=「絆」でしょう。そして3つ目のドーパミン的幸福は「成功・達成・お金・富・名誉・地位など」だというのです。いかがですか。私の主張と同じではないでしょうか。

興味深いのは、この3つには優先順位があり、セロトニン(健康)⇒オキシトシン(つながり)⇒ドーパミン(成功)の順番を間違えるとかえって不幸になるという警告です。
よく考えれば当然のことで、先ずは基礎となる土台づくりが大切です。
病気の中の成功も、一人ぼっちの成功も幸せとは言い難いですよね。

思いがけず、私の主張に科学的な理論が付け加わりました。
皆さん、自分を大切に、家族や仲間を大切にして、仕事を頑張りましょう。

営業の心得

1ヶ月程前、帰宅後、NHKの『プロジェクトX』で、日本ビクターの『ミスターVHS』と呼ばれた高野 鎮雄さんの映像が流れており、
後半だけ見ておりました。

今の若い人は知らないと思いますが、高野さんは1970年代に
『世界のソニー』に絶対的不利と言われたビデオ戦争に勝利し、
世界規格へと押し上げた立役者です。横須賀の工場で16ミリの
映写機や放送機器の開発に取り組んでいた技術屋の高野さん。
1970年に事業部長就任を命ぜられ、1年で首が飛ぶと言われた
VTR事業へと異動。番組は、開発当初の苦労や本社の開発から
工場の製造に移された技術者50人と葛藤や成功へ向けて
情熱がよく伝わる良い内容でした。

彼は『とにかく部下を大事にする人』だったらしく、
200人もいる部下の名前を覚え、
工場内に営業、設計、開発、技術の仕切りを一切設けなかったそうです。
また、誰もが小さいけど知恵を持っている。
社員の家族、友人からの情報を集める事を大切にし、
物言わぬサイレントマジョリティーの情報まで知ることが、
彼のニーズ優先という想いだった。

開発に成功した後も、惜しげもなくライバル会社へと試作機を無条件に
貸出す高野さんの心意気に、『この人となら』とひいては
『このメーカーとなら』と思われていたそう。
これは現代も通ずる営業の基本かなとしみじみ感じています。

仕事をするとはどういうことか?
結局は、自分が他者に対して何を為しえるかということに尽きるのか。
上司と部下との関係であれ、モノを作る側と消費する関係でも一緒かなと。
我々は、他社に何事かを為し、
歓ばれ感謝される以外で収入を得ていくことは出来ない、
と言いたかったのかと思います。

最後に、定年を迎えた高野さんは社員の前の挨拶で、
仕事でも趣味でもなんでも良いので『夢中になれることを』
一つ持つことの重要性、そして、この場で働けたこと、
皆さんに出会えたことに感謝してもしきれないと話されておりました。
こういう人生送った人が、人生の成功者かな?と感じます。
部下とはマネジメントについてよく議論しますが、
昭和生まれの私に耳に入りやすい言葉でした。

社内でもYさん、Oさんという大先輩がおります。
Yさんは、コンポーネント系、Oさんは、発電機と扱う商材は違いますが、
このお二方にも高野さんと同じような共通点を感じております。
数ヶ月前、Yさんと久々に厳格な3密対策の店での会食時に
『どうして売りにくいインバータ』をYさんは売れるのと聞いたところ、
珍しくまじめに『情熱』と言われたのを記憶しています。
多分本人は、酔って覚えていないかもしれませんが(笑)。
お二方とも未だに元気で活躍されているのは、高野さんの話でないですが、
仕事に対する『情熱』と『この人となら』と顧客や仕入先に
伝わっているんだな とふと思いました。