業務改善を成功させるためには、業務プロセスの最適化、つまり「不要な工数の削減」が必要です。
そのためにはまず、業務課題の見える化から始めていきましょう。
課題の見える化には「3M」という、業務に不要である3要素を洗い出せるフレームワークが効果的です。
本記事では、3Mとは何か、洗い出すことでどう業務改善に役立つのか等を、詳しく紹介していきます。
記事の最後には、3Mを書き出すための無料のExcelテンプレートをご用意しております。
不要な要素で膨れ上がった業務を、このタイミングでダイエットさせてみませんか?
「3M」とは
3Mは「ムリ・ムダ・ムラ」の3つの要素の頭文字を取ったものです。
各要素の2文字目を並べて「ダラリ」と呼ばれることもあります。
では、業務における3Mについて、例を挙げながら説明していきます。
ムリ:担当者が対応できるキャパシティーを超えている状態
担当者の力量やキャパシティー以上の仕事は「ムリ」な業務です。
ムリな量や内容の業務は、担当者の能力を活かしきれないどころか、過度な疲労・ストレスによるミスの発生を起こす可能性を高めます。
仕事を行う環境(温度や明るさなど)のムリも、業務効率を落とす原因になります。
同じ業務でも、明るさ・気温がある程度適切に保てるよう配慮された場所と、何も対策されていない場所では、パフォーマンスに大きく差が生まれるでしょう。
業務に取り組む環境が整備されていないと、人がムリのある環境に対応するために、集中力のリソースを分散せざるを得ない状況になってしまうのです。
そして、きちんと休憩を取ることも大切です。
集中力の持続には限界があるため、ミスを起こさないためにも、こまめな休憩が必要です。
ムダ:担当者の能力を持て余している状態
業務の「ムダ」には、様々な種類があります。
モノや書類を探す時間、必要以上の資料印刷…など、日々の作業の中には、業務遂行に必要ない工数が潜んでいます。
また、教育や引き継ぎが不十分で業務に手間取っている、システムやツールを使いこなせていない、という状況もムダの一種だといえます。
たとえば、点検業務などのチェックシートを手書きで記入し、報告のためにシートに書かれた内容をPCへと打ち込む作業。
手書きと入力、作業自体は異なりますが「同じ内容の工数を2回行っている」ため、その点がムダな業務だといえるでしょう。
上記のような重複作業は、可能な限り排除することが望ましいです。
もちろんダブルチェックなど、なくしてはいけない大切な業務もありますが、書類作成などの事務的な作業は、可能な限りスリムにしておきたいところです。
ムラ:ムリとムダが入り混じって存在しており、業務品質が安定していない状態
人によって仕事の仕上がりに差がある、環境によって完成度にバラつきが出ているというケースは、業務の「ムラ」に該当します。
これを放置していると一定の業務品質を保つことが難しくなり、クレームの原因になったり、作業がやり直しになったり、といった問題が発生します。
また、人によって作業工程が異なっていることも、ムラの一つだといえるでしょう。
報告書のフォーマットが従業員もしくは部署ごとに違っていたり、手書き・Excelが混在していたり、といった例が挙げられます。
上記のケースでは、管理者や事務担当者が報告データをまとめる際に、時間の「ムダ」が発生してしまいます。
さらに、膨らんだ作業時間に圧迫され、他の業務のスケジュールが過密になってしまう「ムリ」の発生も懸念されます。
3Mを排除するためのフレームワーク
この「ムリ・ムダ・ムラ」を排除するためには、ファーストステップとして、改善したい業務を3Mごとに分けて書き出す必要があります。
その後、該当業務で3Mが発生している原因は何か、どういう対策を取れば排除できるのか、という順に考えていくと良いでしょう。
実際に3M を書き出してみました
例として、筆者が過去に担当していた事務業務における、3Mの書き出し・分類を行ってみました。
▲こんな感じに書き出せました! ※クリック/タップで拡大表示
無くしてもよいのではないか、と感じていたフローや、効率が悪く労力を要していた業務を列挙しています。
書き出せた後は、3Mのどれに該当するのかを分類し、それぞれ発生の原因や改善策を考えました。
「その3Mを解消することにより、どのような効果がでるのか」ということまで見据えるのがポイントです。
どの業務にどの3Mが発生しており、その原因は何なのか。
そこまで詳しく書き出せれば、自ずと改善の優先順位・対策は見えてくるでしょう。
このように業務を見つめなおしてみると、当たり前でも出来ていなかったことや、自分自身で気づけていなかった問題を見える化できました。
すぐ改善に取り組めそうな作業も発見でき、改めて「業務課題の見える化」の大切さを感じました。
3M排除のために、ITソリューションを賢く活用しよう
3Mの排除、すなわち業務改善には、デジタル技術の導入が効果的です。
自社の業務にマッチしたデジタル技術・ソリューションを賢く活用して、3Mを取り除いていきましょう。
特に、紙を使用するアナログ業務では、デジタル技術によって大幅な改善を図れるケースが多々あります。
たとえば、帳票や報告書の内容をExcelへと転記する作業。
オフィスから離れた現場で帳票を記入し、デスクに戻ってスキャンもしくは入力…という作業は、「移動時間や作業工数のムダ」といえます。
可能なら、現場で帳票を完成させ、完成したものをスピーディーにオフィスへと共有できれば理想です。
そうすれば、スキャンのためだけに帰社する必要も、紙書類の内容をPCに入力する手間もなくなります。
そういった業務のムダを削減できる次世代のソリューションが、この『onboard』です。
onboardは、専用ボードの上に書類をセットし、付属のペンで手書きするだけで、書いた内容をデータ化してくれるソリューションです。
現場にて紙帳票を手書きで作成し、記入内容をスマホなどのスマートデバイスで確認。
その後、スマホからサーバーへとデータを送信すれば、オフィスの担当者が紙帳票をテキストデータで受け取ることができます。
データは、ExcelやPDFといった形式でダウンロードが可能です。
電巧社では、onboardのオンラインデモやトライアルプランをご用意しております。
少しでも興味をお持ちいただけましたら、気兼ねなくお問い合わせくださいませ。
まとめ
業務におけるムリ・ムダ・ムラの3Mを排除できれば、業務効率が格段に向上します。
業務改善の進め方にお悩みの方は、まず3Mを洗い出してみてはいかがでしょうか。
3Mを書きだすための無料Excelテンプレートは、こちらからダウンロードできます。
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