「ウェルビーイング」を向上させるという取り組みが、企業に求められています。
しかしこのウェルビーイングは、日本では十分に広まっておらず、あまり馴染みのない言葉です。
働き方改革などの影響で関心は高まりつつありますが、国内企業に浸透するのはこれからだといえるでしょう。
本記事は、このウェルビーイングについて紹介していきます。
経営に取り入れる方法や、実際の取り組み事例も記載しておりますので、ぜひ最後までご覧ください!
Well-being(ウェルビーイング)とは
ウェルビーイングは、翻訳すると「幸福な状態」「健康な状態」という意味で、身体的だけではなく、精神的・社会的にも幸福かつ健康である状態のことを指します。
WHO『世界保健機関憲章』の前文にて以下のとおり記載されており、これをきっかけにウェルビーイングという概念が広まったといわれています。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。
引用:公益社団法人 日本WHO協会|世界保健機関(WHO)憲章とは|2022.8.5
ウェルビーイングを構成する5つの要素
ウェルビーイングという概念は、以下の5つの要素で形成されている、とアメリカのギャラップ社(Gallup, Inc.)が定義しています。
Career(キャリア)Well-being
キャリアというと、ビジネスにおけるキャリアを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかしこのキャリアは、仕事や私生活なども含めたライフキャリアのことを指しています。
日々、自分の好きなことを実行できているかどうかがポイントになっています。
Social(ソーシャル)Well-being
家族・友人関係や、同僚・上司と部下といったビジネスの関係が、有意義であるかどうか。
自身の人間関係の幸せのことを指しているのが、このソーシャルウェルビーイングです。
Financial(ファイナンシャル)Well-being
ファイナンシャルは、金銭上の/財政上の、といった意味があります。
経済面の満足度が高く、自分自身で資産管理ができている状態のことをいいます。
Physical(フィジカル)Well-being
身体だけでなく心(精神)も健康であるか、エネルギッシュに物事に取り組めているか。
メンタルヘルス面の調子が整っているかどうかがポイントになるのが、フィジカルウェルビーイングです。
Community(コミュニティ)Well-being
身近な環境・組織といったコミュニティとの関係性が、快適・良好であるかという意味です。
該当のコミュニティと関わることで、幸福を得られるかどうかがポイントです。
参考:Gallup|Help employees improve well-being and performance|2022.8.5
ウェルビーイングに注目が集まる理由
ウェルビーイングが注目を集めた理由は、主にビジネス環境の変化だといえます。
働き方改革、パンデミック、新しい生活様式、減少する労働人口…
目まぐるしく変わる昨今のビジネス環境では、柔軟なワークスタイルが必要とされています。
従業員が、時間や場所に縛られることなく働き、そして能力を発揮できるようにするためには、各人が心身ともに健康かつ幸福でなければなりません。
そうして「ウェルビーイング」の必要性が明らかとなったのです。
人材確保の面でも、ウェルビーイングという概念の大切さが浮き彫りになりました。
労働人口が不足している今、人材流出の防止、自社にマッチした人材の確保は非常に重要です。
優秀な人材の定着・採用のためにも、企業は従業員が働きやすい環境の維持や、新しい層の労働者獲得に努めていかなければなりません。
そのためには、ウェルビーイングの取り組みによって、働きやすい環境へと整備していく必要があるのです。
また、SDGsの目標の一つに「Good Health and Well-Being(すべての人に健康と福祉を)」があることも、ウェルビーイングの認知が広まったきっかけの一つです。
これは、世界中の全ての人が体も心も幸福で健康、つまり「ウェルビーイング」であるための目標となっています。
こういった理由から、経営にウェルビーイングの視点を取り入れる企業が増え、この言葉が広まったといえるのです。
ウェルビーイング経営と取り組みのメリット
この考えを経営に組み込み、事業活動に関わる全ての人が、幸福かつ健康でいられるように取り組んでいくことを「ウェルビーイング経営」といいます。
ウェルビーイング経営には、以下のようなメリットや効果が期待できます。
メリット❶ 離職率の低下
近年、中小企業では人材不足が問題視されています。
そのため、いかに人材を定着させるか、つまり「どう離職率を下げるか」が課題となっています。
従業員の満足度や帰属意識の向上が期待できるウェルビーイング経営は、離職の防止に効果的なのです。
メリット❷ 働き方改革の推進
ウェルビーイングの向上は、働き方の見直し・改善につながります。
柔軟な働き方を推進できる制度を取り入れ、健康的に働ける環境を整えていけば、従業員のウェルビーイングも高まります。
メリット❸ 社員の健康サポート
ウェルビーイング経営の取り組みの一つに、健康経営があります。
健康経営は、企業が従業員の健康管理・維持を経営課題と認識し、取り組みを行なっていくものです。
生産性向上や、企業イメージアップが期待でき、従業員の幸福度も高めることができます。
ちなみに、ウェルビーイングを目指す経営のことを「ウェルネス経営」といいます。
ウェルネス経営では、“従業員”が心身ともに健康に働くための取り組みが中心となっています。
電巧社のウェルビーイング取り組み事例
私たち電巧社は、ステークホルダーのウェルビーイングのために、健康経営の基本方針の設定、そして「電巧社健康宣言」というものを掲げています。
「体」と「心」の健康維持・増進に努め、社員がいきいきと働けるような環境づくりに努めているのです。
具体的な取り組み事例をいくつか紹介します。
- グリーンプロジェクト
電巧社のオフィスには、いくつもの観葉植物が飾られています。
植物は人のストレス軽減やリラックスの効果があり、オフィスの雰囲気を良くしてくれるのです。
緑を飾ることで、従業員、そしてオフィスに足を運んでくださったお客様に対し、快適な空間を提供できるようにしています。
- ヘルシーメイト
野菜から食べることによって、生活習慣病予防ができる、ということをご存じでしょうか。
食前にサラダを食べると、血糖値の上昇を抑制が期待できるのです。
電巧社では、お得にサラダ・野菜ジュースを受け取ることができる制度を設け、従業員の健康維持に貢献しています。
- 1on1ミーティング/Good&New
これらは、従業員間のつながりを強め、コミュニケーション活性化や、信頼を高めるための取り組みです。
1on1ミーティングは、上司と部下で行う1対1の面談のこと。
上司と部下が密接にコミュニケーションを図ることで、モチベーションアップや問題解決のための場を設けています。
Good&Newは、電巧社の朝礼のことです。
一般的な朝礼とは異なり、24時間以内に起きた良かったことや新しく感じたことを順番に語っていきます。
お互いの興味や視点を知り、仲間をより深く理解しあうきっかけとなっています。
- 芝巧会(しこうかい)
お客様のウェルビーイング向上を目指し、直接的に感謝を伝える会を定期的に開催しております。
会社や商品の紹介は最小限にし、ためになる講演会や懇親会を行いながら、お客様との絆を深めています。
こういった取り組みを、会社をあげて行うことにより、電巧社は、2021年・2022年の「健康経営優良法人認定制度(中小規模法人部門 ブライト500)」に認定されました。
その他にも、ウェルビーイング向上のために、さまざまな健康経営に取り組んでいます。詳しくはこちら(健康経営)をご覧ください。
まとめ
従業員が身体的・精神的・社会的に幸福かつ健康であることは、企業成長において非常に重要です。
ビジネス環境が激動の時代を迎えている中で、企業の安定を図るためにも、ウェルビーイングの視点を持った経営に取り組んでみてはいかがでしょうか。
本記事で紹介したメリットや当社の取り組みを、ぜひ参考にしてみてください。
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電巧社では、DX推進に役立つサービスをはじめとして、ビル用電気設備や産業用機器、再生可能エネルギーに関連したサービスを展開しています。
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