モータの点検には日常巡視点検、簡易点検、巡回点検、絶縁診断、定期点検等が有ります。
それぞれの点検内容と周期を表-1に示しますので、適正な時期に実施されることをおすすめします。
表-1 モータの点検内容と周期
種類 | 点検者 | 点検内容 | 点検周期 |
日常 点検 | お客様のオペレータ | 運転前、運転中における異常の有無を確認することを目的として行うもので、電源の状態(電圧、電流) 運転状態(振動、異常音、臭気等)を目視あるいは感触で行います。 | 毎日1回機器の重要度に応じ決定して下さい。 |
簡易 点検 | お客様の保全マン | モータの取付状態(ボルトの緩み、直結精度、ベルトの張り等)、絶縁抵抗、塗装状態等を主体に点検します。 又、日常点検での不具合部分の補修、グリスアップ、巻線形電動機はブラシ回りの清掃、ブラシの交換、塵埃の多い環境のモータは埃の除去を行います。 | 毎年1回機器の設置環境により決定して下さい。 |
巡回 点検 | 製造メーカー技術員 必要によりお客様御立会 | モータ運転時の電圧、電流、据付状態、損傷の有無、汚損程度、軸受温度、軸受音、振動測定等計測器を使って点検し、適切なアドバイスを行います。 本点検では巻線絶縁の劣化度合いは測定出来ませんので、ご使用経過、補修経過よりの判断となります。 点検結果及び判定をまとめ御報告致します。 | 適時御要請に対応 |
絶縁 診断 | 製造メーカー専門技術員 必要によりお客様御立会 | 弊社では御要請に応じメーカーの絶縁診断車を現地に持って行き巻線絶縁の各種試験を実施いたします。 被試験電動機は一次ケーブルを解線して試験します。 試験は直流吸収試験・交流電流試験・誘電正接試験・部分放電試験の4つで絶縁の劣化程度を判定します。 これらの試験のアウトプットはコンピュータによりディスプレーに表示され、プリントアウトされます。 試験結果及び判定をまとめ御報告致します。 (1台当たり2時間必要) (借用電源 200V 100V) | 適時御要請に対応 |
定期 点検 | 製造メーカー技術員 必要によりお客様御立会 | 定期点検はモータを分解して内部の絶縁物表面状態、通風ダクトの目詰まり、回転子バーの緩みや亀裂、鉄心の緩み、楔の状態、軸受け勘合状況等を点検します。 定期点検では転がり軸受けは新品に交換します。 その他の部品は洗浄し適切な手入れを実施致します。 点検結果及び処置の内容は報告書に纏め報告いたします。 | 3~5年毎機器の重要度により決定下さい |
(注) 点検周期は各機器の環境条件、運転条件、設備の重要度、使用期間等により影響されますので、本周期を目安として決定下さるようお願い致します。 停止が必要な絶縁診断、定期点検は、設備の定期点検時か休日の作業と成るようご計画をお願いします。
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