意外と知らない「ワークライフバランス」の本質
今さら聞けない意味や取り組み例を紹介

意外と知らない「ワークライフバランス」の本質 今さら聞けない意味や取り組み例を紹介

誰もが一度は聞いたことがあるであろう、ワークライフバランス。
その本質をご存じでしょうか?

ワークライフバランスは、現代社会に欠かせない概念であり、多くの企業が実現するための取り組みに力を注いでいます。

今回は、そのワークライフバランスについて、具体的な取り組み例や、メリットなどを紹介していきます。
ぜひ最後までお付き合いください。

ワークライフバランスの意味とは

時折「仕事の量を減らして、生活に余裕を持たせる」という風に捉えている方がいますが、正確な意味は少し異なります。

ワークライフバランスの本質は、「誰もが働き方・生き方を選択できる社会の中で、仕事上の責任を果たしつつ、豊かな生活を送ることができる状態を保つ」こと。
つまり仕事・プライベートのどちらかを犠牲にしてバランスを保つ、ということではなく、双方を充実させることで相乗効果を生む、ということです。

仕事が順調であれば、経済面・精神面ともに余裕を持つことができるでしょう。
そうすると、生活にも余裕が生まれ、ライフステージに合わせた生き方や働き方ができる…という好循環をもたらます。
このような状況を「ワークライフバランスが充実している」といいます。

ワークライフバランスが現代社会で重視されている3つの理由

ワークライフバランスという概念が広まり、重視されるようになった3つの理由を紹介します。

少子高齢化問題

日本の少子高齢化問題は、ワークライフバランスの注目を集めたきっかけの一つです。
今、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、中小企業を中心とした多くの企業が、人手不足に悩んでいます。
出生率は6年連続で低下(2022年現在)しており、企業は今後も労働力の確保に苦労を強いられるでしょう。
優秀な人材を確保するためにも、ワークライフバランスを整え、働きやすい環境を整える必要があります。

労働基準法(36協定)の改正

法定労働時間は1日8時間、週40時間と定められており、これを超過した労働を「時間外労働」と呼びます。
時間外労働については、36協定によって、原則 月45時間、年間360時間までがの上限と決まっています(※例外や特別条項有)。
ワークライフバランスを実現させるためにも、過剰な長時間労働が起きないよう、法律で定められているのです。

働き手の意識の変化

仕事と生活、双方の充実を重視して働く人の割合は増えています。
パーソル総合研究所が行なった【働く10,000人の就業・成長定点調査】(2022年の結果)によると、
「勤務条件を選ぶ上で重視することは何ですか?」という質問に対する答えは以下のような結果に。

【働く10,000人の就業・成長定点調査 2022】

Q.勤務条件を選ぶ上で重視することは何ですか?

A.仕事とプライベートのバランスがとれること33.1%
A.仕事と育児や介護のバランスがとれること :12.9%
A.扶養枠の範囲内で働けること       :6.3%
A.働く時間を選択できること        :16.7%
A.休みが取れる/取りやすいこと      :37.5%
A.通勤の便がよいこと           :28.9%
A.副業・兼業ができること         :8.8%
A.希望する収入が得られること       :36.2%

全体の結果をみると、「柔軟な働き方」を希望する人は増えているようです。

出典:株式会社 パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査」|2022.8.5
調査主体:株式会社 パーソル総合研究所
調査名:働く10,000人の就業・成長定点調査
調査対象者:全国男女15-69 歳の有職者(性別及び年代は国勢調査の分布に従う)
対象人数:10,000 人
調査期間:2017年2-3月~毎年2-3月に実施
※27項目(仕事内容・組織・勤務条件)中の上位5位選択率

こういった働き手の意識・社会の変化によって、ワークライフバランスは広く知れ渡ることになったのです。

効果的なワークライフバランスの取り組み例

続いて、ワークライフバランスの実現に効果的だ、といわれている取り組みを紹介していきます。

テレワーク制度の導入

感染症対策がきっかけとなり、一気に知名度を上げたテレワーク。
働く場所が制限されないため、働き方の自由度が上がります。
今までは、育児や介護などを理由に、職場復帰やキャリア実現などを諦める人が少なくありませんでした。
そういった人が場所に縛られず働けるようになれば、ライフイベントと仕事を両立させることができます。

完全テレワークではなく、ハイブリッドワークとして、オフィスを含めて好きな場所で働ける(もしくは出社回数を制限)手段をとるのも良いでしょう。

フレックスタイム制度の導入

こちらも、労働基準法改正や働き方改革によって広まりました。
フレックスタイム制度とは、コアタイムと呼ばれる就業必須とされている時間以外は、自分の裁量によって働く時間を決められる制度です。

今では、コアタイムを無くし、さらに自由度を高めた「スーパーフレックス制度」へと移行する企業も存在します。
生活にあわせ、業務に取り組むタイミングを選べるようになることで、仕事と生活の両立を叶えられます。

ワークフローの最適化

ワークフローの最適化とは、今の業務手順を見直して改善することです。
たとえば、入力や集計といった手作業は、専用ツールを用いて自動化することで、大幅な業務時間短縮につながります。生産性の向上が図れるだけでなく、人的ミス削減の効果も期待でき、最適なワークフローが実現します。

このように、業務上の不必要な手順を減らしてスリム化させることで、業務の質を落とすことなく労働時間を短縮でき、余裕をもって仕事に取り組めます。
業務内容に応じてアウトソーシングサービスを利用することも一つの手段です。

MEMO
厚生労働省が提供する「両立診断サイト」サービスを利用し、
自社がどのくらいワークライフバランスに取り組めているかなどをチェックしてみるのも良いでしょう。
他社との比較もできるとのことです。

ワークライフバランスを図るメリット

ワークライフバランスの実現には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
企業側・従業員側の双方の視点から紹介していきます。

企業のメリット❶ 離職の防止に(人手不足の回避)

ワークライフバランスが充実していると、従業員満足度が上がりやすくなり、離職の防止につながります。
また、先ほど紹介したとおり、昨今の働き手はワークライフバランスを重視している傾向にあります。
そのため、制度や福利厚生が整っていれば、優秀な人材確保が期待できるといったメリットも。

企業のメリット❷ 業務効率化による時間外労働の削減

ワークライフバランスの推進は、残業削減の取り組みに直結します。
時間外労働に上限規制があるといえども、残業はできるだけなくすことが望ましいものです。
仕事と生活を調和させて充実させるためにも、業務を効率化させ、不要な残業を削減できるように工夫していきましょう。

従業員へのメリット❶ 個人や家庭の事情に合わせて働ける

近年、育児や介護と並行して働きたいという人は増えています。
また、病気や障がい等によって、オフィスへの出勤は難しいという人も。
ワークライフバランスの充実が実現すれば、個人や家庭の事情を抱える従業員も安心して働くことができます。

従業員へのメリット❷ スキルアップ・自己投資の時間確保

将来のために自分のスキルを磨きたい、と考える人は多いのではないでしょうか。
しかし、仕事と生活のバランスがうまくとれていないと、自己投資の時間確保が難しい状況に。
ワークライフバランスが整うと、仕事の充実はもちろん、日々の生活にも余裕が生まれ、スキルアップのために行動できます。
また、スキルを磨くことで仕事の幅も広がるため、モチベーションアップにもつながります。

ワークライフインテグレーションとは

近年ではワークライフバランスとは異なる「ワークライフインテグレーション」という言葉も広まりつつあります。
ワークライフインテグレーションとは、仕事と生活を統合(インテグレーション)して考えるという意味。

ワークライフバランスでは、仕事と生活は別という考えですが、双方を統合的に捉えることで、仕事と生活をともに充実させていく、という概念です。

まとめ

企業にも従業員にも、大きなメリットがあるワークライフバランスの充実。
組織の安定や事業の存続のため、生産性を落とすことなく、業務改善・制度の充実化を図り、ワークライフバランスを実現できる環境を整えましょう。

電巧社では、業務効率化を促進するソリューションを多数取り扱っております。
ワークライフバランスを実現するために、ITソリューションの活用も視野に入れてみてくださいね。

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