DEレポートNo.30
「カラスと人間の共存~身近で賢い野鳥を知り私たちの生活環境を考える~」
【著者コメント】
自宅の近所にクスノキの大木があり、老朽化で倒木の恐れがあるため伐採することとなりました。
伐採後、この木に住んでいたと思われるカラスを目にする機会が多くなり、カラス被害の対策を考えつつも賢いカラスの行動に興味を持つようになりました。
インターネットで検索するとカラスの知能の高い行動について多くの事例が掲載されており、改めてカラスってすごい生き物だと感心しました。
カラス被害で悪い印象が強いですが、実はこんなすごい面もあるということをお伝えしたく、この記事を書きました。
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1.高度成長と共に繁殖したカラスの生息数と苦情件数の推移
■ 人間の生活環境におけるカラスの存在
- ネズミや害虫、生き物の死体を食べる有益な役割を担っているが、人間の生活環境で目に付く路上のゴミの食い散らかし、人への攻撃等の悪評のイメージが強い
- 1998年~2001年の高度成長期の東京都で繁華街の裏の残飯に群がり、天敵がいない環境もあり、当時約3万7000羽が生息していた
- 路上のゴミの食い散らかし、糞害、騒音、人への攻撃の被害が日常的に発生している
■ カラス被害の減少の為の対策
- 深夜のごみ回収、各自責任を持ってごみ管理する個別回収などの対策
- カラスよけ専用の防烏ネットでゴミの拡散防止対策
- トラップによる捕獲
→ 東京都のカラスはピーク時の1/3以下の減少に成功、もっと減らすべき?
2.私たちの生活の身近な野鳥、カラスについて
■そもそもカラスってどんな鳥!?
- 夜間は人と距離をある程度保つことのできる森林に群れで集まり夜を過ごし眠ります
- 雑食性で果実や穀類なとの植物質の食物と、動物の死体などの動物質のどちらも食べます
- カラスの寿命は鳥の中でも比較的長生きで約7~8年(スズメ:約1~3年、鳩:約6年)
- カラスはつがいになると相手は一生変わらない
- カラスの脳はニワトリに比べ約3倍で非常に知能が高い
- 八咫烏(やたがらす)として日本の神話に登場し、導きの神として信仰されており、日本サッカー協会のシンボルマークや陸上自衛隊の部隊マークとして用いられている
- 日本では鳥獣保護法により、カラスを許可なく捕獲・飼育することは禁じられている
→神話に登場、シンボルマークになるなど、良いイメージの面もある
3.とても賢いカラス、興味深い能力
■カラスの凄い能力
- 知能は人間でいうと6~8歳程度。
- カラスの記憶力は5年以上(危害を加えた人間を認識して記憶できる)
- 人間と比べて視力は5倍、赤・緑・青に加えて紫外線量も知覚できる視細胞をもっている
- カラス同士、情報を伝える習性がある。
- 車にクルミをひかせて、中身の実を食べる
- 保護をされた等で人間に飼われているカラスは人間の言葉をしゃべる(真似る)
- 水道の栓を回して水を飲む
- 死んだ仲間のまわりに集まり、お葬式をする
→生物個体として非常に優れた能力の持ち主であることは間違いない!
4.カラスと人間の共存する環境を目指そう
■生態系のバランスを考慮し、人間と共存できる環境にするには
- 各地域の緑化を計画的に整備し、カラスが人に依存することなく自然環境からエサを取っていくことができる状態を作る
- 人間にとっては害獣・害虫の捕食者として生態系で役割があるため、生息数を管理して一定数のカラスと共存する
- カラスだけに限らず、市町村や企業が地域再開発の計画をする際は、森林の自然と調和するデザインコンセプトで人間の快適生活と自然への触れ合い、生き物との共存ができる街づくりに取り組む
- 個人所有の森林や空き地に対し、緑化整備の援助金の支給をし、地域としての街づくりの促進を図る
5.もしカラスと相互に信頼関係が築けたら…
■人間にとって頼りになるパートナーになるかも
- カラスを番犬ならぬ番鳥として飼う
- 我が家の害虫駆除担当に任命
- 遠方に住む高齢の家族の話し相手と見守り役を任せる
- カラスを操るカラス使いになる(漫画でよくある設定)
→生活者としての環境リテラシー向上は共存を育むことができる
【参考サイト】
【図解付きDEレポートNo.30(PDF版)】もダウンロードできます
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DEレポートとは?
「DEレポート」とは、環境やSDGsに係る社会問題を取り上げ、原因・背景から解決に向けた施策事例や将来の展望までを調査しコンパクトにまとめた報告書(レポート)です。
脱炭素経営ドットコムを運営する株式会社電巧社では、社名のアルファベット表記(DENKOSHA)の頭文字から名付けられた本レポートの作成に、全従業員で取り組んでいます。
配信場所: 脱炭素経営ドットコム 及び 株式会社電巧社HP(https://de-denkosha.co.jp/)
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