DEレポートNo.19
もったいない 食べられるのに!~企業と家庭でフードロス対策~
【著者コメント】
子供の頃、祖母から良く聞かされたことがあります。
「食べ物を粗末にしてはいけない!いまは食べ物に困っていないけれど、将来食糧が不足する時代がやって来るかもしれない。戦時中食べ物が無い時には、サツマイモのつるまで食べていた」と言うのです。
祖母は、明治生まれで多くの困難な時代を生き抜いてきたからこその力強く説得力のある言葉でした。
そこで食品ロスの現状を知ってもらい、今日から出来る食品ロス削減方法を実行、習慣化して頂きたく、この記事を書きました。
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1.もったいない食品ロス(本来食べられるのに捨てられてしまう食品)
- 令和4年6月に農林水産省・環境省から発表された「食品ロス量」によると、令和3年度の食品ロス量推計値は、523万トンとなり、前年度より1万トン増加しました
- 日本の食品ロス量年間523万トンのうち、事業系は279万トンで、主に規格外品・返品・売れ残り・食べ残しなど、家庭系からは244万トンで、主に食べ残し・手つかずの食品(直接廃棄)・皮の剥きすぎなど(過剰除去)が発生要因です
- 食品ロスが引き起こす問題としてゴミ処理工場に運ばれて可燃ゴミとして処分されますが、食品のように水分を多く含むゴミは運搬や焼却の際に多くのエネルギー消費を伴い、より多くの温室効果ガスを排出します
→ 食べられるのに捨てられてしまう食品の解決策として
2.食品の寄付による食品ロスの削減
- 解決方法として「フードバンク活動」(「フードドライブ」とも呼ばれます)があります。家庭などで 余った食品や、食品の製造工程で発生する規格外品等を引き取り、福祉施設等へ 無料で提供する社会福祉活動です
- 実行者=公益財団法人 日本フードバンク連盟や、NPO法人等。 協力者=食品関連企業、個人や一般企業・施設や団体
- 一例として北海道農政事務所では、備蓄の役割を終えた災害用備蓄食料について、有効利用を図り、食品ロスを削減するため、フードバンク活動団体へ提供しました
→家庭での取り組みは?
3.家庭での食品ロスの削減
- 買い物前に、冷蔵庫や食品庫にある食材をチェックする。メモ書きや、スマホで撮影し、買い物時の参考にしよう
- 期限表示を知って賢く買う
・賞味期限…おいしく食べることが出来る期限。この期限を過ぎてもすぐ食べられないと
言う事ではない。
3ヶ月をこえるものは、年月で表示し、3ヶ月以内のものは、年月日で表示する。
例:スナック菓子・カップ麺・缶詰め等
・消費期限…期限を過ぎたら食べない方が良い期限。年月日で表示。
例:弁当・サンドイッチ・生めん等 - 使う分、食べられる量を買う。まとめ買いを避け、必要な分だけ買って、食べきる
→さらなる対策としては?
4.さらなる食品ロス削減に向けて
- 山崎製パンの『パンの耳』再利用
ランチパックの製造時に発生した『パンの耳』は、100%有効利用されます。同社グループで製菓会社の末広製菓で、『ちょいパクラスク』に生まれ変わります - コンバースジャパンの環境配慮商品
同社は、環境に配慮した素材を使用するシリーズ『converse e.c.lab』を発売。アッパー(底を除いた靴の甲の部分)の生地は、従来捨てられていた規格外の食材や野菜の切れ端など、廃棄予定の食材から摘出した染料で染め上げられています
【参考サイト】
・政府広報オンライン|食品ロスを減らそう!今日からできる家庭での取組
・環境省|一般廃棄物処理事業実態調査の結果(令和2年度)について など
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配信場所: 脱炭素経営ドットコム 及び 株式会社電巧社HP(https://de-denkosha.co.jp/)
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