DEレポートNo.48
~未知の魚~
未利用魚が漁業危機を救う
対象のSDGs目標
【著者コメント】
居酒屋に行くとつい頼んでしまう「メヒカリのから揚げ」。
実はこのメヒカリ、かつては食べられることなく捨てられていた未利用魚です。
調査を進めるうちに、他にも美味しい未利用魚が存在し、これらの活用が漁業問題の解決に繋がることを知りました。
本レポートでは、未利用魚の魅力とその可能性について詳しく探ります。
未利用魚の存在を多くの人に知ってもらい、持続可能な漁業の未来を考えるきっかけとなれば幸いです。
脱炭素経営ドットコムでは、中小企業様の脱炭素経営への第一歩を支援しています。
これから脱炭素経営を始めたい中小企業向けアクションプラン資料もございますので、ぜひご活用ください。
1.廃棄される魚たちの不思議
- 漁業者によって捕獲されるものの、外見や名前の知名度の低さから水揚げされることなく廃棄されるものや、水揚げされたとしても市場に出回らずに廃棄される魚が存在しており、このような魚は未利用魚と呼ばれている
- 日本の漁獲量は1984年の1,282万トンをピークに2023年には372万トンまで減少しており、未利用魚の活用が注目されている
- 日本では推定で年間約100万トンの魚が未利用魚として廃棄されている
- 未利用魚となる原因は様々あるが、一つの要因として一般消費者や業界内での認知度の低さがある
- 未利用魚が増えることで、水産資源の浪費や漁業者の収益の機会損失につながっている
→ 広がる未利用魚活用に動き
2.未利用魚はおいしさに溢れている
- 漁師から直接魚介類を買うことができるオンライン産直サービスの利用者が増えてきている。
未利用魚を販売している所も増えてきており、特定地域以外の消費者にも食べる機会を与えることができて漁師の収益アップも期待できる - 「Fishlle!(フィシュル)」というサイトでは未利用魚をサブスクで販売しており、会員数を伸ばし続けている。
それぞれの魚にあった味付けで調理された状態で自宅に届くため、料理が苦手な人やさばき方が分からない人でも気軽に未利用魚を楽しむことができる - 給食で未利用魚を採用する学校も出てきており、今では居酒屋の人気メニューであるメヒカリももともと未利用魚であったが、小学校の給食でから揚げとして採用され、その後人気が出て市場に並ぶようになった
→未利用魚をより身近な存在へ
3.まだまだ認知度の低い未利用魚を知ってもらうには
- 未利用魚活用の為に様々な工夫や情報が発信されているが、その多くは自ら積極的に知ろうとしなければ出てこない情報が多いと感じる
- より未利用魚を身近なものにするためには、日常生活の中で未利用魚の存在を知ってもらう必要がある
- 例えば回転寿司チェーン店のくら寿司では、過去に未利用魚を寿司ネタにした商品を販売しており、回転寿司のように客層が幅広く、価格もリーズナブルであれば、より多くの人に未利用魚の存在を知ってもらうことができると考える
- 未利用魚には日本の未来を救う多くの可能性を秘めている。これまでに知らなかった魚介類の発見により豊かな食生活を実現するとともに、近年問題になっている漁獲量減少問題の解決や水産業の活性化に期待したい
→未利用魚の認知度を高め、新しい食文化の発見と持続可能な漁業の実現へ
【参考サイト】
・水産庁┃水産白書
・Fishlle!(フィシュル)|未利用魚(刺身・鮮魚)をサブスク・通販でお届け など
【図解付きDEレポートNo.48(PDF版)】もダウンロードできます
※個人情報の入力なしでダウンロード可能です
DEレポートとは?
「DEレポート」とは、環境やSDGsに係る社会問題を取り上げ、原因・背景から解決に向けた施策事例や将来の展望までを調査しコンパクトにまとめた報告書(レポート)です。
脱炭素経営ドットコムを運営する株式会社電巧社では、社名のアルファベット表記(DENKOSHA)の頭文字から名付けられた本レポートの作成に、全従業員で取り組んでいます。
配信場所: 脱炭素経営ドットコム 及び 株式会社電巧社HP(https://de-denkosha.co.jp/)
配信頻度:10日ごとに配信中