2023年4月28日

2050年には魚よりプラスチックが多い海に!?海洋プラスチック問題の現状と解決策

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DEレポートNo.10

DEレポートNo.10
日本における海洋プラスチック問題

【著者コメント】

私は現在神奈川県の茅ヶ崎市に住んでおりますが、近年、湘南エリアの海岸で打ち上げられたシロナガスクジラの赤ちゃんの胃の中からプラスチックごみが発見されたことに大変ショックを受けたと同時に、海洋汚染が深刻になっていることに気づきました。

今回は、多くの方に日本における海洋プラスチック問題の現状を知ってもらうために、この記事を書きました。

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1.海洋プラスチックによる生態系破壊

■ 海洋プラスチック問題 このままだとどうなる?

  • 海洋ごみにも様々な種類があるが、もっとも問題とされているのがプラスチックごみである。世界から毎年約800万トンのプラスチックごみが海洋に流れ出ており、この数字は、東京ドームに換算すると約7個分となる
  • 2050年までに海の中に存在するプラスチックの重量が、魚の重量を超えることが予想され、地球規模での環境汚染が懸念されている
  • 魚介類の体内には、海に漂う有害物質を吸収したマイクロプラスチックが蓄積。魚や貝を通して人体に入り込むと、発がん性、免疫機能低下、胎児・乳幼児の発達・発育異常などを引き起こすことが報告されている

プラスチックごみの低減に向けた国の対策とは

2.プラスチックの製造・使用・回収に関連する補助金

■ プラスチックごみ 国の対策は?

  • 環境省は、平成27年度より自治体が実施する海洋ごみに関する地域計画の策定、海洋ごみの回収・処理、発生抑制対策に関する事業に対し、補助金による支援を実施している他、令和3年度よりプラスチックリサイクルの設備導入事業や化石資源由来プラスチックを代替する再生可能資源由来素材の製造設備導入を支援している
  • プラスチックリサイクルの設備導入事業や再生可能資源由来の設備導入事業は、昨年度からスタートした事業であり、今年度が7次公募まで募集が続いていることから、補助事業の知名度が低いと推測する。申請は、設備メーカーや設置業者の協力が得られれば、難易度はそれほど高くないと思われる。プラスチック資源循環の促進を図るためには、事業対象業界への告知活動と補採択事例の公開がカギとなる

海洋ごみの削減については、誰もが主体的に取り組むべき重要課題である

3.使い捨てプラスチックの使用を低減するには

■ まずは消費者の関心を高めることから 

  • プラスチックごみがあまりにもありふれた存在であることから、消費者の意識が追いついていないところがある。プラスチックごみ削減のために、国、関係機関、企業などが取り組みに参加しているが、プラスチックごみの多くは消費者が出しているため、国や自治体は、家庭・個人でも利用可能な助成事業やプラスチックの排出抑制に向けたプロジェクトを積極的に推進していく必要がある
  • プラスチックごみの排出抑制の事例として、神奈川県清川村がエコバックを一世帯につき1個配布する施策を実施、秋田県は飲食店と協力して、持参したマイボトルに飲み物を提供してくれるお店を周知する活動を行っている。このような事例のように、プラスチックごみ低減へ向けた流れを消費者が作っていけるような取り組みが今後も必要である

「誰かがやる」ではなく、個人個人が取り組むべき課題であると認識すべき

【参考サイト】

環境省┃環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書
環境省┃脱炭素社会構築のための資源循環高度化設備導入促進事業  など

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