詠人不知

Vol.30「記憶泥棒」

以前から思っている事がある…

私の上司だ。 
ものすごく記憶力が良いのだ。
どんな微細な事でも覚えている、何年経っても覚えている。社員全員の記憶分、覚えているのでは無いだろうか?

前から思っている事がある…
私の上司だ。 ←同一人物
ものすごく記憶力が悪いのだ。 

いや、ちがう…
悪いフリをしているのだ!そうだ!そうに違いない!そうでなければ上司が務まる筈がないし…アチコチで整合性がとれない。
私が何かを間違えると…
『う~ん、そうだったっけ?もう覚えてないよ~』…と言う。
きっとバッチリ覚えている(笑) 
それは私達社員が自主的に気づきを得るまでの猶予をくれているのだ。
自分で思いだせた記憶は、己の “脳の筋肉” になる!
思い直して、『こう、こう、こうでした…』と説明すると…
『う~んそうだった?』

再び、何かが間違っているとヒントをくれる。
ウカウカしていられない!!!
私の上司は…
“ 覚えている事を忘れている。 忘れている事を覚えている。 ”
…と私は、しかと覚えとかねばならない。 
(A)

Vol.29「テレビに出て感じた人情の大切さ」

2015年11月 突如当社がテレビに取り上げられるという話が来た。
「ウソのような本当の瞬間!」という番組で屋上のQRコードについてであった。
私は、説明員を努めさせて頂くことになり、緊張に包まれる中、キラリと睨みつけるカメラと向き合った。不慣れなことでカミカミだったため、何度か撮り直し結局最後の映像が使われていたようだ。

折角テレビに出るのだから友人にも見てもらいたいと考え、事前にFacebookで告知しておいた。これで、さぞかし反響も凄いことだろうと期待に踊らされていた。

しかし。。。友人から賞賛の声は届かなかった。
Facebookの画面を見つめながらサーバがダウンしているのだと思い込ませた。翌日「見たよ!」と声をかけてくれた会社の仲間達が天使に思えたのだった。
30代。日々の忙しさを理由に友人とのコミュニケーションが気薄になっていたのかもしれない。もう少し友人との付き合いを大切にしよう。
私は、人情が足りなければ良質なコミュニケーションは生まれないと考えている。
もっと人情が必要だ。
そう気づかせてくれたテレビ出演であった。

(M)

Vol.28 「~新しい道を切り開いてくれた私たちのスタート地点~」

たくさんの思い出をありがとう。
たくさんの思いやりと優しさをありがとう。
たくさんの笑顔をありがとう。

86年の歴史でようやく成し遂げた海外社員旅行!
皆で過ごした最高の旅の思い出は、
私たちの人生の一ページに刻まれた。

旅先では

▼異国の良さと同時に日本の良さを感じる
島国に生きる私たちにとって異文化・異習慣というのは
とても新鮮でもあるのと同時に、日本が恋しくなる。

異国では生活・仕事・食・宗教 すべてにおいて、
その国を尊重することが大切だと学んだ。
それは旅人にとって異国で楽しむための必要条件なのだと思う。

▼共に働く仲間の新しい良さを知る
会社内にいても商社と工場で分かれている私たち。
今まで話したことがなかった人とも、
親交を深められ楽しい一時を共に過ごすことができた。

それは私たちの旅の大切な思い出となったのと同時に、
その雰囲気は社内に更なる花を咲かすきっかけにもなった。
旅は明るい雰囲気を作り出してくれる時間だと私は思う。

♡ 新しい事に必死でいつも取り組んでいる若手社員たち…
社内にはいつも自分の仕事に一生懸命に向きあい、
新しいことに挑戦し続けている若手社員たちがいる。

こんなにも明るく元気で笑顔が光る魅力的な本性を、
旅行前は皆、知らなかっただろう。

今回の旅でたくさんの仲間と意気投合した彼らは、
仕事でも本領発揮できるようになるとひそかに期待している。

♡ いつも頑張って仕事に取り組んでいる人…
いつも返事はハイ!いつもニコニコ仕事に取り組む人でも
自分の心で止めてしまっているたくさんの悩みはあるはず・・・
彼女が初めて自分の悩みを打ち明けてくれたのはこの旅でだった。

支えになってあげたいと思ったのも、
私にとってはこの旅のお土産なのかもしれない。

旅… 
それは自分を見つめなおすきっかけでもあり、
共に働く仲間とともに、
新しい目標に向かってスタートする最高のきっかけだと思う。

最後に1つお伝えしたいこと…
それはアジア圏のマーケットでの価格。

市場での価格はあくまでも“定価“と思って値引交渉をしてみると
私たちのお土産が一つ二つと増えることがある…

海外での値引き交渉は今後の営業力につながると私は思う…笑

(E)

Vol.27 「強い教育は心づくり指導」

とある研修会場。
そこには、教育界に名を広めた原田隆史先生がいらっしゃった。

「強い教育は“心づくり指導”だ」が先生の信念。
▼やる気を引き出すためには、目的が1番、目標は2番
▼教えすぎては依存する。本人に質問し考えさせることが重要
▼結果を人のせいにする人はアマチュアであり、 結果を自責する人こそがプロである
▼『主体変容』自分が変わらなければ、 相手や身の回りの環境は変えられない
今も見るからに体育教師をイメージさせる、情熱的に語る元プロ中学教師。
次々と語られる“原田メソッド”が、組織のリーダーを目指す私たちを、ぐいぐい引き込んでいき、それが腑に落ちていく。
『自分の心、そして相手の心』「心づくり」が大事なんだということを、先生ご自身の壮絶な体験を通じて学んだ。
荒れ果てた大阪の中学校の陸上部を日本一にした『松虫の奇跡』その原田先生が電巧社のために講義をしてくれた。
目的・目標を実現するためにも、これからは、「心づくり」を大切にしよう。
仕事もプライベートもひっくるめて、人生をより楽しくするためにも。
第1回目の講義を受けて、強く心に誓った。全5回の“原田メソッド”いよいよスタート!

(M)

Vol.26 「4000年の歴史、86年の歴史」

4000年の歴史を持つというこの国では、“混沌(カオス)”
の世界のなか、全てのモノが激しく主張する。

まず驚かされるのが、市中を走る自動車からの主張。
“ブッブー”(邪魔だ、そこをどけ!)
“ブーッ”(スピード上げろ、ぶつけるぞ!)
“ブー”(車線を変更するぞ、気をつけろ!)
止むことなきクラクションの音にうんざりさせられる。
「俺はちゃんと合図した!」それが、ここでのルール。

         ◆

人々からの主張も、なかなかに激しい。
「ともだち! 何が欲しい?」(闇市の売り子)
「そこをどきなよ! 私の場所だ」(地下鉄のおばちゃん)
「あんたがやりなよ! 私の仕事じゃない」(レストランの店員)
大きな声は、まるで怒声の如く。
「用事があるから仕方ない」地下鉄のなかでの携帯電話の理由。

         ◆

そして、林立する高層ビルも負けず劣らず其々が主張をする。
「あれが“栓抜きビル”」(現時点で高さNo.1)
「あの“おでん”は有名だよね」(おなじみのテレビ塔)
「最近建った“長靴”だよ」(上から見ると本当に長靴形)
四角いビルなど、一つも無い。
「地震なんて来ない」高層ビルを建て続ける根拠無き自信。

         ◆

中国 上海。
電巧社は86年の歴史において、初の海外拠点をこの地に選んだ。

自ら主張することを怠れば、あっと言う間に飲み込まれてしまう
ここ上海で、新造船を浮かべた3人のチャレンジャー。
さて、この航海でこれから何を“主張(提供)”していくのか?

「中国で、インフラ事業を手掛ける最初のビジネスパートナー
になりたい」
「日本からも全力でバックアップします」

こっちだって負けちゃいられない。
設立式の19名のゲストの前で、思い切り“主張(宣言)”
してやった。

『電巧社(上海)貿易 有限公司』

それが、私たちの夢を載せたその船の名前。

2014年4月1日 いざ出航! よーそろー!

(K)

Vol.25 「日本一の山」

嬉しい。日本一の山、富士山が世界遺産に登録された。
その富士山がテレビに頻繁に登場するようになって、ふと疑問に思ったことがある。
それは、富士山はなぜゆえ、日本一の山なのかということ。
実は私は、富士山が日本一高い山と紹介される度に強い違和感を感じるのだ。

富士山は日本一の高さだから、みんな富士山のことを知っているが、
日本で二番目に高い山の名前は、ほとんど知られていない。(答えは北岳)
だから一番と二番には天地ほどの差があるのだという例でよく使われる話である。
本当にそうだろうか。
富士山がもし日本で二番目に高い山でしかなかったら、
その価値は一気に低くなってしまうのだろうか。
そんなはずはない。

測量技術が確立されたのは近代になってからだと思うのだが、
そもそも富士山は、結果的に日本一、
標高の高い山であることが分かるずっと以前から、
日本一の山であったはずだ。

霊峰富士。
単なる高さだけでなく、そのたたずまいの美しさ、雄大さ、気高さ、厳しさ、
表情の豊かさ・・・などなど、あらゆるものが、富士山を日本一の山にしている。
それを現代人が、単なる標高だけで表現してしまうようでは、何とも寂しい。

会社も同じだ。
会社で、山の標高に相当するのは売上だ。
単に売上を競う前に、まずは会社として美しくありたい。
売上高は後から結果としてついてくるというのは、多くの先人が語っている。
美しい会社をつくろう。

Vol.24 「そう言うと彼は飛び去った…」

*推奨BGM♪ ルイ・アームストロング この素晴らしき世界

以前、メールアドレスの宛名に【様】を付けるのが自己満足で良い!
と何処かのコラムで読んだ気がする。(このコラムの Vol.20 「透明な敬意」

しかし、様を付けてメールを受け取った側は、
様がついてる事は、つゆ知らず!
意図せずして自分の事を “様付” で返信 (re:)する事になる。

…と言う事を、このコラムを書いた人は解らないのだろうか?

気づいた方は結婚式の招待状よろしく、
自分宛の【様】や【御】を消すように、
いちいち【様】を消さなくてはならない。

相手に、ひと手間かけさせては、かえって不本意の筈。

                            ◆
眼下にビルの赤色灯が明滅する中、誰かが耳元で囁いた…

『人は他人に迷惑をかけずに生きる事は出来ない…』

迷惑をかけない様に生きようとするのは、ある種のおごりである。
それよりも迷惑をかけられた…と感じない感性を磨きたい。

(磨きたい…ふと、デパートの真鍮製の手摺を金属磨きで、
誰にも気付かれず黙々と磨き上げる清掃の方を思い出す)

             ◆
ここは居酒屋
『はいぃぃ、二番テーブルさんっ、ネギ間2串!』

『はい~喜んでぇ~』
ネギ間2本で喜んでもらって申し訳ない…

喜びを表現する世界。黙って気付かれず喜んで頂く世界。

嗚呼、今日もお節介なこの世界!今宵はどちらへ飛び立とう…

(A)

Vol.23 「頼まれごとは、試されごと」

上司から仕事を依頼された。

最近はレスポンスが遅いと言われている。

まったく次から次へと、山積みだ。

仕事があるのはとても嬉しいことだが…

おっと、、

多くのサラリーマンが、
こんなこと思っているのではないでしょうか。

実は先日ある方の講演を聴く機会がありました。
その方は「お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!」の
著者であり、なんと口コミだけで年間300日も講演に
飛び回っているというから驚きです。

人との出会いをとても大切にし、自ら成長する術を身につけている。
それが中村文昭さんです。

中村さんは、「頼まれごとは試されごと」だとおっしゃいました。
人に頼まれたことは相手の予想を上回ることに意味があると。

もしこの言葉に、
僕が始めに書いた愚痴(世論)を当てはめると、
「頼まれごとはやらされごと」になってしまいます。

「言われたことだけやってれば給料もらえるしー」

こんな考えじゃ人生つまんないですし成長できませんよね。
この人は一生やらされて終わるんでしょう。

でもそんな人も昔は、履歴書の志望動機に
「自分が成長できる会社だと思いました」
とか書いていたのではないでしょうか?

中村さんご自身においては、偶然の出会いをキッカケに
「頼まれごとは試されごと」として全力を尽くす。
そのために実践しているのは、あと3つ

 ・返事は0.2秒(選択肢はハイか、YES)
 ・できない理由を言わない(デモデモ星人になるな)
 ・今できることをやる(まずは動いてみる)

それが新しい出会いを引き寄せているのです。

上司でもお客様でも友人でも家族でも。

まずは、身近な人からの頼まれごとをチャンスと捉え
相手の予想を上回り、感動と喜びを提供していく。

これこそが新しい出会いや自らの成長に
つながることなのだと、気付かされました。

心を鷲づかみにされた瞬間でした。

(M)

Vol.22 「マジックというエンターテイメント」

ある夜、マジックバーを訪れる機会があった。
そこで僕は2人の素晴らしいマジシャンと出会うことになる。

まさにマジシャンと言わんばかりの外見。
笑いを引き寄せるトークにマジックを絡ませ、
楽しい空間を演出するマジシャンA。

紳士的な外見はお洒落なバーのマスターそのもの。
映像とリンクさせ、神秘的な空間を演出するマジシャンB。

それぞれが別のお店のオーナーマジシャンだそうだ。
そしてどちらも、非現実的なことが目の前で起こる。

“何もないはずの手のひらに、
    薔薇が現れ、そして消え去る” こりゃ感動!!

そんな中で、偶然にも同じ現象のマジックがあった。

しかし、彼らの作り出そうとする世界観が違うため
全く違うものに見えるから不思議だ。

そして同じマジックだったからこそ気付かされた共通があった。

それはマジックを大切にしながらも、どちらのマジシャンとも
絶えず、お客様の様子を見ていて、その場に最適な
トークやおもてなしで、お客様を楽しませていること。

「どうだ!凄いだろう!」というような上からの目線を
感じることも、まったくなかった。

なるほどエンターテイメントだ。
お客様を楽しませることこそが目的であり、
マジックはそのツールに過ぎないということなのだろう。

お客様を満足させる技術。
久しぶりにプロの仕事に触れることができた。
そう思った一夜でした。

(M)

Vol.21 「今年の箱根駅伝から学んだこと」

東洋大学の圧勝で幕を閉じた、第88回箱根駅伝。ふたつのことを学びました。

ひとつ目は、東洋大学の山の神こと柏原竜二選手の言葉からです。
「僕が苦しかったのは一時間ちょっとだけ。福島の人達と比べたら全然苦しくなかった。」
被災地の人たちの苦労を考えたら、多少のことでは弱音を吐けないという、
強い思いを学びました。

ふたつ目は、他の大学が応援終了した後も、駒澤大学の応援団が、
最終ランナーの東京農大の選手が通過するまで応援し続けたことです。
東京農大は、トップから50分以上遅れてのゴールでしたが、ずっと応援し続けて
くれたお陰で、最終ランナーは、どれだけ勇気づけられたことでしょうか。
選手だけでなく、応援も最後まであきらめないことの重要性を学びました。

選手、応援団が、お互いにリスペクトし合っていることの美しさに気付かされた
今年の箱根駅伝。
自分たちの立場に戻って、営業マンは掲げた目標に対して、簡単に諦めないこと。
スタッフ部門は営業マンに対して、最後まで心をこめてサポートし続けることが大切だと
理解しました。

(S)

Vol.20 「透明な敬意」

メールを頂いた時…From: の欄には先方が予め設定した名称がある。
From:〇〇太郎、From:〇〇商事、こんな感じで…

このFrom:に設定された名称は返信する時、自動的にTo:の欄にとって代わる。
これが困ったものなのである。
そのまま先方に返信すると思いがけず敬称なしで返信する事になる…
全く以て不本意。

そこで私はTo:の所、お名前の後に必ず“様”を付けて返信するように心がけてる。
“〇〇太郎様” 点々(””)の内側にタイプすればアドレスに抵触せず、そのまま届く。

これで先方に様付けで届く。
気付いて頂かなくても自己満足で、とっても気持ちが良い。

ほかにも…
宅配便の宅配票には、予め “様” が印刷されている。
お客様の名前を呼び捨てで書き終えると、なんとも落ち着かない。
印刷の様を承知で、あえて手書きでも様を書く。

様が2つになるって?これで、おかげ様様です。(お天道様様のように)
感謝の気持ちも倍増です。

 (A)

Vol.19 「九州新幹線に思う。」

九州新幹線、バンザイ!
元気の出るいいCMをありがとう!
待ちに待ったという純粋な喜びが
清々しく伝わって来る。
観ている我々さえも素直にうれしく思う。

でもその喜びの反面、
この新幹線で博多はますます元気になるが、
それ以外の九州の都市が、どんどんと元気を
失っていくのではないかと心配する。

歴史の必然なのだろうか。
便利さは、いわゆる一極集中を助長するようだ。
東海道新幹線が大阪経済の地盤沈下を導いたように。
いくつかの横断橋で四国の産業が衰退したように。
もちろん一因に過ぎないのだろうが、
歴史は繰り返される。

そう思うだけに、この元気さがむなしく思える。
でも、たとえ空しい元気であっても、
今の被災地には必要だと思う。
どんどん伝えて欲しい。

元気は伝染する。
人は人から元気をもらい、
自分も元気だと思うことで、本当に元気になる。
幸せだから笑うのではなく、笑うと幸せになるように。

Vol.18 「駐車場出口の自動精算」

駐車場のゲートでは料金は自動精算。ちょっと遅れたタイミングですが、
機械とは思えない女性のキレイな日本語で、ガイダンスが流れます。

そして最後に・・・
「またお越しください。」の一言。 

うーん、ちょっと気になる。
「人により事情は様々。もう二度と来たくない人だっているかもしれないのに、
機械に、またお越し下さいとは言われたくないよなあ。」
と感じていました。

特にうっかり停めてしまった高額パーキング
だったりすると、カチンと来ますよね。

でも先日の自動精算。最後に流れてきた言葉は、
「気を付けてお帰り下さい。」

ちょっと嬉しい、すがすがしい。
機械なのに、思わず、
「あっぱれ!やるな、お主!」と言ってしまいました。

Vol.17 「タクシーのお釣り」

東京のタクシーに乗ると、請求しなくても必ず領収書を下さいます。
たとえ不要でも、万一の忘れものなどを考えると、有難い心遣いです。

しかし、私はお釣りと領収書の渡し方に、ずーっと、小さな不満がありました。
それは、まず最初にお札だけを渡し・・・
次に領収書と小銭を一緒に渡すというやり方です。

私の場合、領収書は紙ですから、お札と一緒に札入れにしまいます。
一方で小銭だけは小銭入れにしまいます。
だから領収書と小銭を一緒にもらうと、札入れと小銭入れを同時に開かなくてはなりません。
急いで降りたいときや荷物があるときなど、窮屈な車内でちょっと不自由です。

ところが、先日の日本交通のタクシー。
ベテランの運転手さんが、「はい、まずはお札と領収書。」
あとから「こちらが小銭です。」と
言いながら渡して下さるではありませんか!

私のタクシー歴のなかで、初めての斬新(?)な経験に、思わず
「嬉しい渡し方してくれるなあ!」と言ったら、
「だってしまうところが違いますものね。」という、分かっている一言!

運転手さんのユーザー目線に感動した瞬間でした。
まだ、後にも先にも、この一回限りなのですが、
こういう日は、なぜか一日中嬉しい気分です。

Vol.16 「お金を払って寝る時代」

一時はどうなる事かと心配した東京の夏も、ようやく過ごしやすくなってきた。
例年は窓を開けて風さえ通せば、なんとか寝ることが出来た夏。
でもついに今年は、エアコンを止めることが出来なかった。
だから電気代がたくさんかかったはずだ。

いつのまにか飲み水にお金を払うようになり、
いまや過ごしやすい温度の空気を買わないと
寝ることさえ許されない。

そう、我々は寝るのにさえお金を払わなくてはならない時代を迎えたのだ!
熱帯地方の人たちは、どのような工夫でこの寝苦しさを乗り越えてきたのだろうか。

こんなにも暑い日が続いた東京。
ふと疑問が湧いた。
温暖化の影響で、もはや東京は「温帯」ではなく、
「亜熱帯」に属するようになったのではないか?

早速、「亜熱帯」の定義を調べてみた。
すると意外なことに定義が曖昧である。
学者によっても一律でないらしい。

「熱帯と温帯の中間の地帯で、緯度でいうと20~30度の間に含まれ、
一般に乾燥地帯が広い地域。」 これが最も一般的。

また、気温だけを目安にする場合も、
「月平均気温20℃以上が4~11ヶ月の範囲」や、
「年平均気温が18℃以上」などが一般的で、
年にせいぜい4ヶ月だけが暑いというだけでは、東京を亜熱帯とは呼べないようだ。

でも「温帯」の定義のひとつが、四季がはっきりしていることだ。
東京で雪を見なくなって久しい。

だからやはり、東京の「亜熱帯化」を主張したい。

Vol.15 「大阪みやげ」

ここは大阪、伊丹空港。

「あれっ、大阪なのに、なんで北海道のおみやげを売っているのだろう?」

いや、いや、よく見れば、 「白い恋人」ならぬ「面白い恋人」。
白色と空色のパッケージが巧みに錯覚を誘導する。

すごい! 吉本興業の企画だ。
なるほど、確かに「面白い」わけだ。

他地方の人気みやげをパロディー化する遊び心と
それを大阪みやげにしてしまう商魂のたくましさに感動。
これって、
吉本興業ではごく普通の出来ごとなのだろうか。

思いついた以上は、やらずにはいられない、
そんな関西人の血が騒ぐのだろうか。
東京人にとって、この手の企画は、たとえ考えることは出来たとしても、
実行することはすごく難しいと思うからだ。

  悪のりだと批判されるかも・・
  ウケなかったらどうしよう・・
  もし売れなかったら・・
私だったら、きっとそんな心配が心をよぎるだろう。
やらないことを選ぶ方がはるかに簡単だし、心も平和だ。

だからこそ、
やってのけてしまう勇気と行動力に拍手を贈りたい。

お笑いのまち大阪に、
商人(あきんど)のまち大阪が重なった。