詠人不知

Vol.14 「ドラフト会議にみた、目標に立ち向かう覚悟」

今年から東芝さんがスポンサーとなり、ファンの一人として
プロ野球ドラフト会議に出席することができました。

有力な新人選手たちの就職先が、本人の希望をよそに、
この場の球団の選択で決まってしまうという運命の日です。

今年は72名の選択選手と15名の育成選手の、合計87名が
指名されました。12球団840名のプロ野球選手の中に、
新たに72名が選手登録されると、今までの選手から72名が
クビになる仕組みになっていますので、例年、この時期には
戦力外通告を受けた選手の記事が新聞の片隅にひっそりと
載ることになります。

日本の野球界でトップに君臨するための、
あまりに厳しい現実の姿がここにあります。

それでもプロ野球を目指す選手たちは、激しい競争のなかの
僅かな可能性を信じて、夢を追い挑戦し続けています。

それに比べ私たち社会人は、自分で就職先の企業を選ぶことができます。
新人が入社しても、その数だけの社員がクビになるということもありません。

さらに育成選手のように最低年棒で、
3年で芽が出なくてもクビにはならないでしょう。

日本のトップ840人に入らなくても、一流の優秀なビジネスマンとして
やっていくことができるのですから、恵まれていると言わざるを得ません。

リスクを背負ってでも諦めずに夢を追い続けるプロ野球選手の執念に、
日頃の自分の仕事への取り組み姿勢を反省しました。

彼らのように目標に立ち向かう夢と覚悟を持ちたい。
そう気付かせてくれたドラフト会議でした。

(S)

Vol.13 「雨の日のお出迎え」

「お足元の悪い中お越しいただきありがとうございます♪
雨の雫拭きにどうぞお使いください」

これは、雨の日の、当社1Fエレベータホールに置かれた
タオル入れに書かれている言葉です。

当社は、東京湾が直ぐ目の前に広がるロケーションに位置します。
つまり、お車以外でご来社される方々にとっては、
とても辺鄙なところになる訳です。

こんな所に、しかも雨の中、わざわざ歩いてご来社される
お客さまには、大変申し訳なく思うとともに、
とてもありがたいことだと思い続けてきました。

そこで、この感謝の気持ちを何とか現わせないものかと、
皆で考えていたところ、ひとりの女子社員が気づきました。

「そうだ!雨の雫を拭うタオルを置けばいい。」

さっそく次の雨の日から、エレベータホールに
タオルを置いてみることにしました。

評判は上々でした。ご来社されたお客さまから、
口々にお褒めの言葉をいただき、
「こんなの初めて、感動した」との感想もいただきました。

そんな中、ひとりのお客さまから、
「誰かが使った後は、使いづらいなあ。」というひと言がありました。

というのも、最初のころは一枚のタオルしか置いてなかったからです。

私たちに、雨の雫だから汚いものではないという、思い込みがあったのです。
お客様のひと言で、新たな気づきを得ることができ、
今では複数枚のタオルを置くことが当たり前となり、
ここ数年続けさせていただいています。

お客さまの衣服や手の雫を拭っていただくものですから、
タオルが黄ばむ前に新しいものに取替えたり、
午後には新しいタオルを補充したりと、
雨の日に辺鄙なところまで訪れていただけるお客さまへ、
精一杯の感謝の気持ちを込めての準備を心掛けています。

どうぞ、雨の日も安心して、ご来社くださいませ。
無人のエレベータホールですが、私たちの真心を込めた
真っ白なタオルたちが、感謝の気持ちのこもったお出迎えをすべく、
準備を整えてお待ちしております。

(S)

Vol.12 「ゆでガエル現象の教訓」

ビジネスの変化や環境問題に対する警鐘として
しばしば引用されるたとえ話に「ゆでガエル現象」があります。

熱湯の中にカエルを入れると、あまりの熱さにすぐ飛び出すけれど、
今度はカエルを水の中に入れてからゆっくり温めると、
気持ちがいいのか気づかないまま茹で上がってしまうという話です。
徐々に変化していくと誰も気づかず、
いつの間にか取り返しのつかない事態になっている例えとして、
過去に何度も耳にしてきました。

あまりに分かりやすく、よくできた話なので素直に信じていた私ですが、
実は作り話らしいということを知りました・・・ショックでした!

そもそも変温動物にとって外界の温度変化は重要で、
ゆっくりとした変化に敏感だからこそ、寒くなれば冬眠し、
暖かくなってきたら目覚めることができるわけだそうです。
なーるほど!理屈を聞けば・・・確かに説得力がある。
しかしながら、どちらも聞いただけで、
私自身が実験して試したわけではありません。
だから「作り話らしい」と書かせて頂きました。

私にとって、ゆでガエル現象の教訓は、
いかにもありそうな話だからといって、むやみに信じ込まないこと。」となったのです。
それでも・・・・・正しいことより、出来すぎた嘘に価値と魅力を感じ、
意義深いたとえ話の作者を尊敬する私がいます。
作者は本当はカエルが茹で上がらないことを知っていたのではないか。
人に気づきを与えられれば、その例えが本当かどうかなど
小さなことだと思っていたのではないか。
「作者」ならぬ「策者」の偉大さに思いを馳せた瞬間でした。

Vol.11 「語先後礼と同時礼」

「私たちは挨拶に力を入れます。」
これは、当社の名刺の裏に印刷してある、電気のコンシェルジュ、
3つのお約束のひとつです。「力を入れます」と宣言しているからには、
全社員が、挨拶の基本をしっかり守った、お客さまによい印象と好感を持たれる
スマートな挨拶ができることを目指して取り 組んでいる最中です。
ある時、挨拶におけるお辞儀の基本は、「語先後礼」として
語り継がれているものがあることを知りました。

「語先後礼」とは、挨拶をする相手の方の目を見ながら、
「おはようございます」「ありがとうございます」などの言葉を発した後に
お辞儀をすることだそうです。
文字の通り、言葉が先で、時間差を設けて、礼が後になることです。

同じお辞儀でも、言葉を発しながら頭を下げることを「同時礼」と言うそうです。
一般には、正式なお辞儀が「語先後礼」で、日常の挨拶は「同時礼」と
定義しているところが多いようです。

この話を聞いて、挨拶の言葉は相手の方に対して言うものであって、
床や地面に向かって言うものではないことに気がつきました。

そこで、私たちは基本の挨拶に、この「語先後礼」をプラスして、
挨拶のスタンダードとして実践することにしました。

今のところ、「語先後礼」を取り入れた挨拶を標準としている会社は
少ないようなので、電巧社を際立たせるひとつの武器として、
大いに活用していきたいと思っています。

しかし、これは意識をしていないと中々できるものではありません。
うっかりしていると 「同時礼」になってしまう恐れがあるからです。

「挨拶に力を入れる」とは、常に意志を持って
しっかりとした挨拶をするということです。

お客さまに、良い印象を持って憶えていただくためにも、
このことを肝に銘じて、私たちは挨拶に、精一杯の思いを込め、
戦略的に力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

(S)

Vol.10 「草食系営業マン」

最近、「草食系男子」なる言葉をしばしば耳にするようになりました。
草食といっても野菜しか食べないベジタリアンのことではありません。

優しく穏やかだが、恋愛に淡白で、
仕事の出世欲にも乏しい若者のことを呼ぶそうです。

ガツガツしていないため、男女の中も友達どまり。
最近は女性の方がリードして男子に積極的な
アプローチをしなくては、恋もままならないそうです。

まさにパラダイムシフトですね。

良し悪しはともかく、確かに男女間のことなら女性が逞しくリードすることで
解決できる部分があるのかもしれません。

しかし仕事の方、すなわち草食系男子が社命で営業マンになったら、
一体どうなってしまうのか、ちょっと心配になりました。

なぜならマイペースで優しく出世欲のない「草食系営業マン」は、
商売に貪欲のはずがありません。

お客様が積極的にリードして商談をまとめてくれる
・・・なんてことあるわけないからです。

営業マンは、あまり積極的過ぎるのも問題かもしれませんが、
やはり少なからずガツガツした「肉食系」でなくてはいけないように思います。

要はバランスですね。

わが社の草食系営業マン諸君!要注意ですぞ!(もし、いれば・・・の話ですが。)

Vol.9 「半寿」

 日本人男性の平均寿命79.19歳を上回って、昨年80周年を 迎えた電巧社。創立記念日の2月11日で早くも81周年目 を迎えます。
着実に一年一年を積み上げていくことの大切さを改めて感じますが、それにしてもこの81周年という、節 目にならない年まわりを、何とも中途半端に感じてしまいます。80歳が傘寿、88歳は米寿で90歳が卒寿というように、 何か気の利いた呼び方がないものだろうか、
ということで 調べてみたら、な、なんと、ありました!
八十一の漢字を重ねて書くと「半」の字になることから、
81歳を「半寿」と呼ぶのだそうです。
81歳でまだ半分!これって果たして欲張りなのか、それとも謙虚なのか・・私は「81歳だけれども、まだ半人前」という謙虚さと捉えました。 「百里の道、九十九里をもって半ばとする」という諺を連想しますが、
百里の道であれば、どんなに油断しないようにと 思っても、残りは所詮一里です。しかし、年齢の場合は先が読めません。
まだ先があると思うから油断しないし、
だから謙虚にもなれるはずです。所詮は欲なのですが、
でも、素晴らしき欲・・「生きる意欲」。なんとも奥深く感じるのですが、
どうした訳か、半寿という呼び方はあまり知られていないようです。
蛇足ですが、81歳は「盤寿」とも呼ぶそうです。
将棋盤が 9x9で81ですから。
ちなみに82歳に気の利いた呼び方はないようです。

Vol.8 「会議は全員で挨拶」

私たちの会社では、会議の始まりと終了を明確にするために、
出席者全員が立ち上がり、大きな声で挨拶をします。

会議の始まりに、
「全員起立、これより○○会議を開始します。礼!」

全員で、
「宜しくお願いします!」と礼をして、着席します。

会議の終わりに、
「全員起立、これで○○会議を終了します。礼!」

全員で、
「ありがとうございました!」

たった、これだけのことですが、これをやることによりメリハリがつき、
気持ち良く会議に臨むことができるようになりました。

大きな声での挨拶は、モチベーションを上げる効果もあるようです。
会議は内容が大切なのですが、このように会議に望む姿勢を
整えることも重要なことだと気づかせてくれたのは、
ある会社の会議の風景を紹介した ビデオで、
「あっ!これなら直ぐ真似できそうだ」と思ったことが始まりでした。

今、電巧社では、挨拶に力を入れています。
名刺の裏にも、3つの約束の ひとつとして、
「私たちは挨拶に力を入れます」と明記しています。

社内で出来ないことが社外で出来るわけがない。
だから、挨拶はお客さまに対してだけでなく、
社内でも力を入れて取組んでいます。

(S)

Vol.7「冷やしカレーそば」

店員「何に致しましょう?」
私 「冷やしカレーそば」
店員「そんなのありませんよ」

私は日本蕎麦が大好きである。
だからお蕎麦屋さんで、うどんを食べることがない。
カレー南蛮だって、うどんでなく蕎麦で注文する。
これがすこぶるうまいと思う。
和風味のカレーは、カレーとして日本が世界に誇る
べきものだと、常々思っているのだが、
そんなカレー南蛮にも、致命的な問題がある。

熱いことだ。

暑い時に食べると、頭の地肌から汗がにじむのを
実感する。とても食べてはいられない。
でも夏場のカレーは食欲をそそる。
だから私はあえて冒頭の会話を店員と交わすのである。

転機が訪れた。

店員「冷やしカレーは出来ないけれど、つけ麺なら
   できると思いますよ。」
私 「そ、そ…、それ、頼みます!」

かくして、東品川にある馴染みの砂場に
新しいメニューが誕生した。

熱いカレー南蛮の汁+具と、冷たい盛り蕎麦(写真)
である。(まだメニューには書かれていないが・・)

きっと他の店では既にあるのかもしれない。
カレーつけ麺と呼ぶべきか?

「うまい!」

夏はこれに限る!

Vol.6「電巧社の社名に込められた想い(字体の謎)」

電巧社という名前は、創業者の「電気の仕事を巧みにこなす会社にしたい」という
強い思いで、命名されました。しかし、昭和大恐慌のときに産声を上げ、
有限会社に改組したのは、太平洋戦争の始まる数日前。
そんな生い立ちですから、決して順風満帆に育ったわけではありません。
戦前・戦中・戦後と、電気工事業から製造業を経て商社へと業態を変えたのも、
生き残っていくための厳しい選択の結果でした。
ゼロからの出発を何回か繰り返すなか、
数えきれない苦労を乗り越えてきたのだろうと思います。

さて、電巧社の社名の漢字書体ですが、
字体をちょっと変えてあることにお気づきでしょうか。
「電」という字の上側はそもそも「雨」の字のはずですが、
電巧社の社名では「両」の字が使われています。ワープロの略字体みたいですから、
初めは看板にするときに字が潰れない工夫かと思いましたが、
看板に限らず、名刺や封筒など、いたるところで使われています。また「社」の字も、「示」と「土」を組み合わせた旧字体です。
なぜこのような古めかしい書体を使っていたのでしょうか。不思議ですね。

先日、名前の字画に詳しい方とお話しする機会があり、謎が解けました。
すべては「電巧社」という名前の画数を24画にするための工夫で、
わざわざそのために作った書体だったのです。24画は財運に恵まれる画数。
さらには旧字の社を使っている会社は、
神様のオヤシロと同じなので倒産しないと言われていたそうです。

株式会社の字体にも工夫があります。
「会」の字の下の「ム」は本来2画で書きますが、
これを1画で書くように繋げてあります。
「社」が「示」と「土」の組み合わせになっているのは、前述のとおりです。これにより、株式会社は29画となり、これは知略を生かす画数だそうです。
「知略」、すなわち「巧」ということだと思います。
さらには株式会社と電巧社を合わせると53画になりますが、
これも財運の画数になります。

単なる縁起担ぎかもしれませんし、遊び心と言っても構いません。創業者は何も言い残していかなかったので、真相は闇の中ですが、
きっと辛かった時に、誰かが画数のことを教えて下さって、
そっと名前を変えたのではないでしょうか。信じるとか信じないということではなく、
社名ひとつの中に込められた創業者の強い想いを、
いつまでも大切にしたいと思います。

Vol.5 「行から御中に変身」

お客様などからのご案内状に同封されている返信葉書。
事前に返信先が印刷されているのは、なんとも有難い。

しかし、どうしても1ヶ所、自分で訂正しなくてはならないところがある。
宛名の下の「行」である。

日本人の謙遜の美徳からか、決して事前に自社名の下に「様」とか「御中」
とかを自ら付けておくことをしない。
返信する方は、これをいちいち修正する。
すなわち「行」を二本の斜線で消して、横に「御中」と添える。

私はこの「斜線で消す」という作業が嫌いである。
面倒でもあるけれど、それ以上に、
せっかく印刷されている葉書が汚くなるのが嫌なのである。
しかし、これをしないと、失礼で常識のないやつと思われてしまう。

そこで、斜線で消さない方法を思いついたので紹介したい。
「行」を「御中」に変身させるのである。

字の形はちょっと不恰好だが、そこはアイデアに免じて許して頂きたい。
太字のペンをうまく使えば、ほとんど気にならないほど上手にごまかせる。
私としては二本の斜線で消すよりかは見栄えよく感じている。お試しあれ。

Vol.4 「ナイス ミス!」

 面白い表現に出会いました。
《 ナイス ミス 》

「素敵なご婦人」のことではありません。
ナイス ミステイク (NICE MISTAKE)、すなわち「素敵な失敗」という意味です。
そもそも失敗にナイスなんかある訳がない
・・・いいえあるんです。
ちなみに、「結果、オーライ」や「ラッキーパンチ」
のことではありません。だって失敗なんですから。

先日のゴルフでの出来事。
ドライバーショットが今ひとつパッとしません。
一緒に回っていた大先輩が、
「君!体が硬く縮こまっているぞ。
もっと体を使って思いっきり振りなさい!」

素直な私は、言われた通りを心掛け・・・
打球は思わぬ方角へ飛んでいった。
でも、大先輩はすかさず、
「そうそう、その感じ。ナイス ミス! 結果は悪いけどな。」
と言いました。

「ナイス ミス? あー、なるほど、結果より意志とプロセスの重視か。」と理解。

前向きにトライした向う傷はナイスなのです。
とかく結果重視に陥りやすいゴルフのプレー中
だったせいもあり、この面白い表現が新鮮で気に入りました。

確かに仕事も「ナイス ミス」の積み重ねが、成功を生み出します。
運に頼るのが許されるのは努力をした後でした。

関連して、新しく造語を思いつきました。
「ケアレス サクセス」
気が付かないうちに、うまくいってて良かったという
意味のつもりですが、いままでもたくさんの
「ケアレス サクセス」に助けられてきた私。
でもほとんどの場合、偶然ではないようです。
周りで支えてくれている皆様、本当に感謝です。

Vol.3 「芝浦ロール」

食を終えて車に乗り込もうと歩いていたら、シュークリーム専門店なる看板が目に入った。
商売をするのには、決してベストとは言えないこの芝浦の地に、自称「都内で2番目に美味しいシュークリームのお店」が出来たことは、なんとも素晴らしい。
1番目と言わずに2番目と言うのは、謙虚さを装ったリスクマネージメントだろうか、
などと勝手な先入観を持ちながらも店に入ると、元気な店主の声に迎えられた。食事を摂ったばかりなので、シュークリームは購入しなかったが、しっかりと焼き上げられたシューで、バリエーションも豊富である。
「芝浦ロール」という、ご当地ロールケーキを1本購入し、店先にあった案内葉書を手に店を出た。
こんな分かりにくいロケーションを地図ではどう表すのだろうと思い
ながら地図を見て驚いた。決して分かりやすい地図ではなかったが、目印となる会社名のすべてに敬称の「様」が付いている!恐れいった。
謙虚さと感謝の気持ちがないと、なかなか出来ないことである。
次回はシュークリームを買おう。楽しみになった。

 お店: 芝浦 Lemon Tree (レモン・ツリー)
       港区芝浦2-1-11
       電話:03-3454-1616

Vol.2 「何とも嫌なやつ募集中」

ホームページをリニューアルして、早、3ヵ月が過ぎました。
部分的な修正に追われ、詠み人不知の更新が全然されていないのが
気にはなっていたのですが、手付かずのままになっていました。

こんな時、うるさい上司がいて「何時、更新するんだ」と毎日小言を
言われていたら、嫌々でも、もっと早く更新をしていたと思います。

誰からも、何も言われないで自分のペースで仕事をするということは、
余程自分に厳しくないと、うまくいかないものだとつくづく感じました。

うるさく、嫌なことを言ってくれる人は、仕事に欠かせない存在なのです。
それは、研修会で教わったピーター・マッカーサーの言葉の中にあります。

「どんな企業も成功するには三人の男を必要とする。
 理想家、実業家、そして嫌なやつだ。」
                   ピーター・マッカーサー

これを、研修会の講師は「嫌なやつ」ではなく「何とも嫌なやつ」と
言っていました。しかも「何とも」ではなく、「何んんとも嫌なやつ!」
と力を込めて、本当に厭らしく言っていたのが印象に残っています。
英語の原文を見ると、

「Every successful enterprise requires three men – a dreamer, a businessman,
and a son of a bitch」

となっていて、
a son of a bitchとは、bitchは雌犬(売春婦)で、a son of a bitchは
売春婦の子供ということになり、そこから転じて、嫌なやつ、無礼なやつ、
腹立たしい人、ろくでなし、意地悪な人、最低な人そして、えい、くそ、
ちくしょうなどの棄て言葉として使われるようです。

何かを成さなければならないとき、この「何とも嫌なやつ」が大きな
存在となります。何も制約がないと、かえってうまく進まないものです。
そんな時こそ、うるさく嫌なことを言ってくれる「何とも嫌なやつ」の
力が必要とされるのです。

わが社で「何とも嫌なやつ」の役割を担うのは誰でしょうか。

社長??

やはり社員の中から出てこないと、社長にだけ任せておいては、更なる
企業の成長は望めないと思います。
社長は、理想家、実業家であるべきです。

わが社は人材不足なのでしょうか。性格的には素質がありそうな人でも
自ら進んで「嫌なやつ」になる人がいないのです。
どこかに「何とも嫌なやつ」になってくれる人はいないものか。

 人材募集中 意欲のある「何とも嫌なやつ」若干名。
        年齢、学歴不問。
         高給保証します。(嫌なやつ度により。)
 これで募集をかけてみましょうか?
(S)

Vol.1 「天動説ならぬ人動説?」

先日、JR田町駅での出来事。

改札を出た辺りでリクルートスーツに身を固めた女子学生が
紙を上下にしながら悩んだ様子でした。

聞くと、今から面接会場に行くのだが地図がわかりにくくて
どう行けばよいのか困っているとのこと。

なるほど、HPをプリントアウトしたその地図は
よくある「北の方角を上にした普通の地図」で、
その会社を中心に描かれていたにも関わらず、
女子学生にとっては残念ながら見やすいものではありませんでした。

時間があったので途中までは「その地図」を逆さにして、案内しました。

「!」そこにヒントがありました。

来社いただく方のことを想像すれば、自然と答えがみつかりました。

正しいだけでは不十分なのです。

見えない相手を想像し目的に合わせて使いやすくする、
ちょっとした工夫が必要だと気付いたのです。
早速HPの会社案内図を変更しました。

■ 最寄り駅から当社までの案内図

■ 来社いただいたお客様が最寄り駅まで戻る際の案内図

2つの地図は「上下を逆にする」だけで簡単に出来ました。
その人の向いている方向に合わせて
地図を書き替えてしまうのですから、
人間中心の「天動説ならぬ人動説」だと思いました。

わざわざご来社してくださる方への当社からの気持ちだと思っています。
我々はあらゆる場面でコンシェルジュを目指します。

ご来社の際は下記地図をご参照ください。