2022年12月9日

仮想水から考える水資源問題

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人間は食べ物がなくても2~3週間は生きていけると言われますが、水は一滴も飲まないと数日で死に至ると言われています。
21世紀は水を巡って世界戦争が起こると聞いたことがあります。
しかし蛇口をひねれば簡単に飲み水が手に入る水資源の豊富な我が国「日本」では全くイメージが湧きませんでした。
そこで調査してみると日本も無関係ではないことがよく分かりこの記事を書きました。 

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1、水資源の豊富な日本は「水輸入大国」

  • 仮想水とはロンドン大学のJ.アンソニー.アラン名誉教授が提唱した概念。輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定した考え方である。
  • 日本の仮想水の総輸入量は約800億㎥/年、日本の総水資源使用量の約2/3の水を海外から輸入している。
  • 日本の食糧自給率(カロリーベース)で38%と低く、食品ロスは約500万t/年。
  • 世界各地で水資源の不足で様々な問題が起こっている中、日本が多くの食料を輸入に頼ることで、他国の水不足をより深刻化させてしまう懸念がある。

仮想水問題の解決は第一歩は食品ロス削減から

2、食品ロスの削減

  • 神戸市と協働しているNPO法人ごみじゃぱん食品ロスチームが環境省の研究助成を受けて「食品ロスダイアリー」アプリを開発。
  • 2018年度から3年にわたって、家庭における食品廃棄に関する詳細な実態調査(食品ロスダイアリー)を実施したところ、食品ロスのダイアリーをつけることで、食品ロスの削減に効果があることが判明。
  • 日本の食品ロスだけでも世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量の約2倍に相当する。
  • お米を国民一人当たり年間約41kg捨てていることになり、仮想水で想定すると15万Lの水を無駄にしている。

今後、人口増加により水資源不足は更に深刻化していく

3、深刻化する世界的な水不足問題に日本の技術で貢献

  • 2022年現在、世界の約22億人が、安全に管理された飲み水の供給を受けられず、42億人が安全に管理されたトイレなどの衛生施設を使うことができない暮らしをしている。
  • 水需要は2000年から50年間で55%の増加が予想されており2050年には、深刻な水不足に見舞われる人口は世界人口の40%以上となる見込みである。
  • 水輸入大国である日本は限りある貴重な水資源を世界全体で公平に確保でき、安全な水にアクセスできるように水分野におけるODAを実施している。
  • 日本の海水淡水化技術の世界最高レベルであり、日本企業としては技術の向上により水資源不足問題の貢献を期待されいる。

水輸入大国「日本」は技術力で世界に貢献

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