営業の心得

1ヶ月程前、帰宅後、NHKの『プロジェクトX』で、日本ビクターの『ミスターVHS』と呼ばれた
高野 鎮雄さんの映像が流れており、後半だけ見ておりました。

今の若い人は知らないと思いますが、高野さんは1970年代に
『世界のソニー』に絶対的不利と言われたビデオ戦争に勝利し、世界規格へと押し上げた立役者です。

横須賀の工場で16ミリの映写機や放送機器の開発に取り組んでいた技術屋の高野さん。

1970年に事業部長就任を命ぜられ、1年で首が飛ぶと言われたVTR事業へと異動。
番組は、開発当初の苦労や本社の開発から工場の製造に移された技術者50人と
葛藤や成功へ向けて情熱がよく伝わる良い内容でした。

彼は『とにかく部下を大事にする人』だったらしく、200人もいる部下の名前を覚え、
工場内に営業、設計、開発、技術の仕切りを一切設けなかったそうです。

また、誰もが小さいけど知恵を持っている。
社員の家族、友人からの情報を集める事を大切にし、
物言わぬサイレントマジョリティーの情報まで知ることが、彼のニーズ優先という想いだった。

開発に成功した後も、惜しげもなくライバル会社へと試作機を無条件に
貸出す高野さんの心意気に、『この人となら』とひいては
『このメーカーとなら』と思われていたそう。
これは現代も通ずる営業の基本かなとしみじみ感じています。

仕事をするとはどういうことか?
結局は、自分が他者に対して何を為しえるかということに尽きるのか。
上司と部下との関係であれ、モノを作る側と消費する関係でも一緒かなと。

我々は、他社に何事かを為し、歓ばれ感謝される以外で収入を得ていくことは出来ない、
と言いたかったのかと思います。

最後に、定年を迎えた高野さんは社員の前の挨拶で、
仕事でも趣味でもなんでも良いので『夢中になれることを』
一つ持つことの重要性、そして、この場で働けたこと、
皆さんに出会えたことに感謝してもしきれないと話されておりました。

こういう人生送った人が、人生の成功者かな?と感じます。
部下とはマネジメントについてよく議論しますが、
昭和生まれの私に耳に入りやすい言葉でした。

社内でもYさん、Oさんという大先輩がおります。
Yさんは、コンポーネント系、Oさんは、発電機と扱う商材は違いますが、
このお二方にも高野さんと同じような共通点を感じております。

数ヶ月前、Yさんと久々に厳格な3密対策の店での会食時に
『どうして売りにくいインバータ』をYさんは売れるのと聞いたところ、
珍しくまじめに『情熱』と言われたのを記憶しています。

多分本人は、酔って覚えていないかもしれませんが(笑)。
お二方とも未だに元気で活躍されているのは、高野さんの話でないですが、
仕事に対する『情熱』と『この人となら』と顧客や仕入先に伝わっているんだな とふと思いました。

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