「お足元の悪い中お越しいただきありがとうございます♪
雨の雫拭きにどうぞお使いください」
これは、雨の日の、当社1Fエレベータホールに置かれた
タオル入れに書かれている言葉です。
当社は、東京湾が直ぐ目の前に広がるロケーションに位置します。
つまり、お車以外でご来社される方々にとっては、
とても辺鄙なところになる訳です。
こんな所に、しかも雨の中、わざわざ歩いてご来社される
お客さまには、大変申し訳なく思うとともに、
とてもありがたいことだと思い続けてきました。
そこで、この感謝の気持ちを何とか現わせないものかと、
皆で考えていたところ、ひとりの女子社員が気づきました。
「そうだ!雨の雫を拭うタオルを置けばいい。」
さっそく次の雨の日から、エレベータホールに
タオルを置いてみることにしました。
評判は上々でした。ご来社されたお客さまから、
口々にお褒めの言葉をいただき、
「こんなの初めて、感動した」との感想もいただきました。
そんな中、ひとりのお客さまから、
「誰かが使った後は、使いづらいなあ。」というひと言がありました。
というのも、最初のころは一枚のタオルしか置いてなかったからです。
私たちに、雨の雫だから汚いものではないという、思い込みがあったのです。
お客様のひと言で、新たな気づきを得ることができ、
今では複数枚のタオルを置くことが当たり前となり、
ここ数年続けさせていただいています。
お客さまの衣服や手の雫を拭っていただくものですから、
タオルが黄ばむ前に新しいものに取替えたり、
午後には新しいタオルを補充したりと、
雨の日に辺鄙なところまで訪れていただけるお客さまへ、
精一杯の感謝の気持ちを込めての準備を心掛けています。
どうぞ、雨の日も安心して、ご来社くださいませ。
無人のエレベータホールですが、私たちの真心を込めた
真っ白なタオルたちが、感謝の気持ちのこもったお出迎えをすべく、
準備を整えてお待ちしております。
(S)
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